『1人1台のタブレット』を実現したかった前武雄市長

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12日からこのブログの一部の記事へのアクセスが急増している。一番多いのは『武雄市が導入するのはKEIANのAndroidタブレット』という記事だが、そのほかの武雄市とタブレットを扱った記事も少し増えている。1日のアクセス数のベスト5のうち、3~4本が武雄市関連で占められており、多くの人が『武雄市 タブレット』や『武雄市 KEIAN』、『武雄市 iPad』などで検索しているようだ。そのような検索が何故増えたのだろうか、その理由を調べてみた。するとすぐに週刊朝日の記事が見つかり、2015年6月19日号(12日配信)の『ICT教育最先端 佐賀・武雄市のお寒い現実 トラブル287件、対処に悩む先生』という記事がその理由であることが判明した。

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前武雄市長の総務官僚としてのこだわりが『1人1台のタブレット』実現に向かわせた~金にまつわる『疑惑は』、私は無いと思う

syukan-asahi

Syukan Asahi

HUNTERというニュースサイトが武雄市の疑惑を追及中

武雄市のタブレットにまつわる問題は、以前から調査報道を機軸に据えたニュースサイトHUNTERが追いかけていた。最近は決まりかかっていたiPadがギリギリになってKEIAN製のAndroidタブレットに変更されたことを取り上げ、機種選定にまつわる『疑惑』を連続して取り上げている。

それに対して週刊朝日の記事は、

  1. 実証実験で使用されたのはAppleのiPad
  2. 機種選定についての内部文書でもiPadが本命視されている
  3. KEIAN(恵安)のタブレットの評価は低かった
  4. しかし、最終的にはKEIAN製のAndroidタブレットに決定
  5. 導入された3,153台のうち、8%を超す287件でトラブル
  6. 小中学生へのタブレット導入に2億円以上の税金を投入

という流れでほぼHUNTERと同じ流れで事実関係を明らかにしている。但し、機種選定に関する不明朗さは書いてあるが、HUNTERの『疑惑』というほどの私的指摘は行っていない。最後にKEIAN製のタブレット導入で、投入した税金が無駄になる可能性については触れている。

まず最初にタブレットを導入することが決まった

武雄市の反転授業の取組とiPad』という記事でも書いたが、武雄市は『1人1台のタブレット』導入を決めてからそれを反転授業で使用することを明らかにした。つまり、何のためにタブレットを導入するのかは最初は明らかにせず、導入すること自体を決めたのであった。当時の樋渡武雄市長がタブレット導入を決めたのが2013年5月だが、それを反転授業で使用することをテレビニュースで明らかにしたのが8月、武雄市教育委員会が反転教育導入を発表したのが9月と言う流れになっている。『1人1台のタブレット』は、児童一人ひとりがデジタル教科書を利用するために必要となるのだが、その肝心のデジタル教科書はその時点では世の中に存在していなかった。

導入したタブレットを使うために反転授業を持ち出した

つまり、『1人1台のタブレット』を導入しても、それを利用するものが何もなかったのである。それに気が付いた樋渡市長は、反転授業というのを誰かに聞いて導入を決めたのであろう。反転授業とはこれまで教室で受けてきた授業を自宅で動画で受け、教室では質疑応答や討論、練習問題などに時間をさくという授業方法である。つまり、自宅で授業の動画を見るのにタブレットを利用しようというのである。児童一人ひとりが使うデジタル教科書が存在しない中、反転学習の導入で『1人1台のタブレット』を実現する合理的な理由がみつかった・・・・ハズであったが、そう簡単にはいかなかった。

導入台数を減らしてiPadにする道もあった?

本格的な反転授業の導入は武雄市が始めてであり、それを実証実験無しで全小学校が一斉にスタートしなければならないのである。授業動画が大量に用意されているわけではなく、当面は自前で作るしかないのであった。つまり、デジタル教科書と同じく、全児童が全授業時間でタブレットを使うことは、当面はありえないことが明らかであったのだ。実際に2014年4月に導入された後、反転授業は高学年の数学と理科でしか行われておらず、週の授業時間は3~4時間程度しかなかった。これは事前に十分予想できたことであり、導入台数を引き下げることも可能であった。しかし、樋渡市長はそれを行わず、『1人1台のタブレット』導入に固執した。仮に導入台数を縮小して機種をiPadにしていた場合、週刊朝日で指摘されているような問題は起こっていなかったのは確実である。

一時は樋渡氏と同じように消えていた武雄市のKEIANタブレット

樋渡氏が『1人1台のタブレット』にこだわった本当の理由は分からないが、国が2020年までにそれを実現することを表明していることと関係があるのではなかろうか。国のICT利活用を推進している主管は総務省であり、樋渡氏の古巣である。総務省の動きにいの一番に対応したことで、話題性において武雄市が全国区に躍り出たのは間違いない。それが導入規模を落としたとすると・・・・実際、iPadを採用していればかなりの・・・5分の1程度規模縮小になったと予想される。それは市長としての実行力不足を意味しており、山っ気の多い・・・(今年1月には佐賀県知事に立候補)・・・樋渡氏にとっては我慢のならない選択だったのであろう。かくしてiPadの採用は見送られ、格安KEIANタブレットが全小学生に配られることとなった。それと共に、武雄のタブレットは殆ど忘れ去られ、取り上げるのは前述のHUNTERや当ブログぐらいしかいなくなっていた。今のアクセス数増は1週間程度で収まると思われるが、今年は中学校にも広がった『1人1台のタブレット』環境の行く末は、このブログでは今後も継続して追いかけていくつもりでいる。

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