デジタル教科書導入で実現する1人1台のタブレットPC

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

文部科学省が、デジタル教科書導入に向けた有識者会議を設置して検討を開始した。現在は紙に印刷された教科書を今後はデジタル化するというものだが、実態としては『1人1台のタブレットPC』という環境を小中学校に導入することになる。教科書は児童生徒一人ひとりに配布されており、それをデジタル化することは全員にそれを閲覧するタブレットPCを持たせることを意味している。文部科学省は2020年度までにデジタル教科書の導入を目指しており、それが実現した場合は小中学校合計で約1,000万台のタブレットPCが普及することになる。

広告
広告336

教科書がデジタル化されると1,000万台のタブレットPCが全国の小中学校で必要となる

ibook-

iBOOKSテキストブック

民主党政権下で打ち出された『1人1台のタブレットPC』

『1人1台のタブレットPC』は、2010年5月に政府が発表した『新たな情報通信技術戦略』の中に盛り込まれていた。当時は民主党の鳩山政権下であり、主管大臣は原口総務大臣であった。文部科学省ではなく総務省が主管となっていたのは、国のICT活用の責任官庁が総務省であったことによる。原口総務大臣は2009年12月と2010年4月の2回にわたって原口ビジョンなるものを発表しており、教育現場でのICT利活用実現に前のめりとなっていた。これは民主党の方針に基づいていたと言うよりも、原口総務大臣の個人的な考えに基づいていたと思われる。総務省のICT利活用に関する政策は自民党時代から大きく変わったはずもなく、規定路線であったと思われる。にもかかわらず、固有名詞を題したビジョンを2回も発表したのは、個人の思い入れが相当に強かったことを示している。

佐賀県は『1人1台のPC』の先進県

原口氏は佐賀県佐賀市出身であり、選挙区は佐賀1区である。佐賀県はタブレットPCの話題が多く、小中学校への『1人1台のタブレットPC』を2014年からスタートさせえた武雄市があるほか、同じく2014年の新入生から導入したのも佐賀県立高校であった。まてよ、今思い出したが、国政に転じる前の古川佐賀県知事は総務官僚だったような気がする。そして、古川氏の後を継ごうとして武雄市を捨てた樋渡氏も、総務官僚だったような気がする。両氏のWikipediaを見ると、その通りであった。今日挙げた3氏が総務省という共通項で結ばれていることはたいした意味は無いと思うが、3氏が『1人1台のタブレットPC』で自分のITスキルをアッピールしようとしたのは間違いないだろう。政府が教育でのICT活用を打ち出す中、『1人1台のタブレットPC』は格好の話題づくりの種となりえた。

時を同じくしてデジタル教科書教材協議会(DiTT)発足

『新たな情報通信技術戦略』が発表されたのは2010年5月11日だが、その直後の5月17日に『デジタル教科書教材協議会(DiTT)設立趣意書』が発表された。7名の発起人が記載されているが、その中には樋口日本マイクロソフト社長と孫ソフトバンク社長の名前が入っている。DiTTは同年7月に発足しており、幹事会員として19社の名前が挙がった。その中には日本マイクロソフトとソフトバンクに加え、アップルジャパンやインテル(現在は脱会)、NTTコミュニケーションズ、クアルコムジャパン、KDDI、セイコーエプソン、東芝情報機器、NECなどが名前を連ねている。もちろん小学館(現在は一般会員)や数研出版などの教科書会社も入っていたが、PCメーカーや通信事業者が数で圧倒していた。

ソフトバンクの孫社長は佐賀県鳥栖市の生まれ

『1人1台のタブレットPC』推進に前のめりとなった総務大臣を輩出した佐賀県は、いち早くその実現に取り組むこととなった。そして佐賀県となると、今日挙げた名前の中でもう一人共通項がある人物がいる。そう、ソフトバンクの孫社長であり、孫社長は佐賀県鳥栖市で生まれている。佐賀県及び武雄市が『1人1台のタブレットPC』に積極的に取り組んだ背景には、当時はiPadを独占的に扱っていたソフトバンクの孫社長の存在があったことは間違いない。但し、孫社長から強い働きかけや協力があったと言っているわけではない。事実、佐賀県が高校に導入したタブレットPCは、富士通製のWindowsタブレットであった。また、ソフトバンクの子会社であるエデュアスが武雄市に納品したのは、格安のKEIAN製Androidタブレットであった。高校の場合はもともとパソコン志向が強く、Windowsタブレットとなったのは想定内といえるだろう。但し、武雄市の場合は、ほぼ確実にiPadだと思っていた。この辺のことについては今日のテーマから外れることから、以下の記事を参照願いたい。

広告
広告336
広告336

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする