iPad Air 2はより薄く軽くなり、機能的にも前作のAirより大きく進化したようである。16GBの製品の価格は前作を踏襲しているが、上位2機種は1クラス下の容量の価格に低下させている。そのため、従来は16GBの上にあった32GBが無くなり、64GBと128GBの3クラスとなった。また、前作の16GBの製品を399ドルに落として継続販売され、これまで3年間にわたりエントリーモデルと残していたiPad 2が消えることになった。iPad Air 2が注目される中でいまひとつ目立たないiPad miniだが、AppleはAndroid端末の防波堤の役割を強化させたようである。前作と共に前々作の製品を残し、最低価格を1ランク下に設定しなおすことを行っている。
2世代のiPad miniを残して低価格帯の製品を拡充
iPadは機能的・容量的には実質的な値下げ
2013年と214年のiPadのラインナップと価格を比較した。日本の販売価格は円のレートで上下することから、米国での販売価格で比較している。2013年の場合、iPad miniとiPadは$299から$799の間の$100刻みの価格体系となっている。2014年にはiPad Air 2の32GBは発売せず、前年の32GBの価格で64GBを、昨年の64GBの価格で128GBの製品を発売する。昨年128GBの投入で新設された$799の価格帯は無くなり、その下の容量製品については実質的な値下げとなっている。また、2013年はiPad Airからすると3世代前となるiPad 2をiPad miniの新製品(16GB)と同じ価格で残していたが、今回は1年前に発売したiPad AirをiPad 2と同じ価格で販売することにした。つまりiPadの場合、2013年よりも機能的にも容量的にも実質的な値下げを行っていることになる。
2013年 | 価格 | 2014年 | ||
iPad mini | iPad | ドル | iPad mini | iPad Air |
- | iPad Air (128GB) | 799 | - | - |
- | iPad Air (64GB) | 699 | - | iPad Air 2 (128GB) |
iPad mini retina (64GB) | iPad Air (32GB) | 599 | iPad mini 3 (128GB) | iPad Air 2 (64GB) |
iPad mini retina (32GB) | iPad Air (16GB) | 499 | iPad mini 3 (64GB) | iPad Air 2 (16GB) |
iPad mini retina (16GB) | iPad 2 (16GB) | 399 | iPad mini 3 (16GB) | iPad Air (16GB) |
iPad mini (16GB) | - | 299 | iPad mini retina (16GB) | - |
- | - | 249 | iPad mini (16GB) | - |
iPad miniは更に1歩進めて低価格帯を新設
iPad miniの場合も基本的にはiPadと同じことを行っており、大容量製品は1クラス下の価格帯に移行させ、エントリーモデルも新製品のiPad mini 3と同じRetinaディスプレイを搭載するiPad mini 2(旧iPad mini Retina)にしている。但し、一つだけ異なっているのは、初代のiPad miniを残して新たに$249という価格帯を新設したことである。iPad miniもiPad同様の実質的な値下げを行っているのだが、1歩進めて更なる低価格化を行ったことになる。これまで低価格路線をとることはなかったAppleだが、タブレット端末のエントリーモデルに対するニーズの高さに対処したのであろう。それは同時に、Android端末への防御策ともなる。
円のレートの問題を回避するため、本稿は米ドルの価格で考察してきた。新設された$249は日本円だと幾らになるのか調べてみると、2万6,800円であった。ちなみに$299は3,1800円であり、1ドルを107.6円と106.4円で計算していた。
日本円で幾らになるのかをAppleのサイトで調べたのだが、日本ではiPad min 2とiPad Airは16GBだけでなく32GBの製品も継続して売られるようだ。米国でのイベントでは共に16GBの製品しか紹介されておらず、ここで取り上げた価格表は米国のみで適用されるようである。分析内容には影響しないことから、ここではイベントでの発表内容のままとしておく。