教育分野でiPadを追い越すGoogleのChromebook

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Googleの発表によると、2014年4-6月期に世界の教育機関が導入したChromebookが100万台を超えたとのこと。同期間のiPadの台数は100万台を切っていると予想され、教育分野ではChromebookがiPadを追い越すという構図が明らかとなっている。これは世界全体の話だが、日本でも同じような傾向がみられる。教師や児童生徒の期待はiPadに向いているのは間違いないが、実際に導入されるのはiPadより低価格な製品となることが予想される。

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日本もWindowsとChromebookの格安パソコンの戦いに?

ict-ipad

教室内のiPad

直近の四半期は45万台

米調査会社IDCの推定によると、全世界の教育機関がこれまでに導入したiPadは1,300万台とのこと。昨年の6月にAppleはロサンジェルスの全公立校へのiPad納入に成功しており、その時の発表では全世界の教育機関で使用されているipadの台数は1,000万台弱とされていた。その4カ月前の2013年2月の数字は800万台であったことから、この時は四半期で200万台が納入されたことになる。しかし、2014年の6月からの1年間では300万台強の増加ということになり、四半期平均では75万台にしかならない。iPadは今年に入ってから前年割れを続けており、売れ行きに陰りがさしている。教育の分野でもそれが明確になりつつあるということだ。

ゲームソフトの無いゲーム機

日本で「1人1台のタブレット」が声高に言われるようになったのは、AppleがiPadを発売した2010年からであった。総務省はフューチャースクール事業を2010年度から推進しており、全国の小中学校の中から実証実験校を指定し、タブレット端末を児童生徒に配布して実証実験を行ってきた。使われた端末はWindows端末が多かったが、マスコミで大きく取り上げられたのはiPadの方であった。また、大学や私立学校での導入はiPadの方が圧倒しており、イメージ的には「1人1台のiPad」が先行していた。しかし、当時は「1人1台のiPad」で表示できるデジタル教科書は存在しておらず、言わば「ゲームソフトが無いゲーム機」というものであった。実証実験の参加校は別として、一般の小中学校ではiPadを導入しても宝の持ち腐れになることは火を見るよりも明らかなことであった。

後付で持ってきた反転授業

上記のことを見事に表しているのが、佐賀県武雄市の動きである。武雄市の市長は何かにつけて話題性のある人物であり、2014年度の小学校へのタブレット端末導入を決定したのも2013年5月と早かった。しかし、市長が気が付いたのか誰かが忠告したのか知らないが、タブレット端末を導入してもコンテンツがないことに気が付いたのであった。そこで思いついたのが、反転授業で必要な動画を見るためのツールとしてタブレット端末を使用することである。反転授業では事前に自宅で授業の動画を見ておく必要があり、ビューアーが必須となっている。そこで急遽反転授業に取り組むことを発表し、後付でタブレット端末の導入を正当化したのであった。

ホコリをかぶっていても非難されない格安タブレット

武雄市は、市内の2小学校で2010年からiPadを導入した授業を実験的に行なっていた。従って、全校一斉に導入するタブレット端末はiPadが有力候補としてあったのは間違いない。しかし、タブレット端末の利用方法が動画ビューアーに限定されるとすると、iPadではやはり宝の持ち腐れ状態となる。そこで選ばれたのが・・・・・・KEIANのAndroid端末であった。反転授業は1週のうち2~3時間しか設定されておらず、そのためだけにiPadを導入するのはもったいない。というよりも、せっかくiPadを導入しても殆どの時間使用されることがなく、ホコリをかぶっている状況があれば非難されることは間違いない。導入される端末は、ホコリをかぶっていても非難されることが無い格安タブレットでなければならなかった。

KEIAN導入で話題性が無くなる

もし仮に日本でもChromebookが発売されていたとすると、恐らく採用されたのはKEIANではなく、Chromebookであっただろう。Chromebookも格安パソコンであることに違いはないが、作っているところはいずれも大手のパソコンメーカーである。全校一斉導入にはメンテナンスの問題が付いて回ることは明らかであり、大手パソコンメーカーであることは安心感に繋がっていく。KEIANタブレットの納入価格は故障した時の代替品価格を上乗せしている可能性が高いが、それも考えてみればおかしなことである。しかし、故障品が頻発するかと思いきや、今のところそんな話も出てきていないようである。しかし、思い返してみると武雄市の導入機種がKEIANタブレットと判明した時点から、武雄市のタブレット関連の話題は急減したように思われる。

Appleの巻き返しはあるのか?

2010年に市内2校にiPadを納入したのはエデュアスという企業であり、KEIANタブレットを納入したのも同じところである。エデュアスはソフトバンクの子会社であるが、Chromebookを企業や教育機関に販売することになったソフトバンクテレコムもそうである。先日下記の記事を書いたが、武雄市の一連の動きも影響しているのではないかと考えている。Chromebookには販売力の弱さが弱点としてあったのだが、ソフトバンクが加わることで大きな力となるだろう。また、MicrosoftもChrome対策でWindowsを無料化し、格安パソコンを販売できる体制を作りつつある。iPadの売れ行きに陰りが出てきた現在、Appleがどう巻き返しに出てくるのか・・・・そこが今後の注目の的になるだろう。

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