ルワンダの1人1台のPCで配布されたOLPC

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今日の朝日新聞朝刊のトップで紹介されたルワンダにおける1人1台のPCで配布されたのは、2006年から活動している米国のNPOであるOLPC(One Laptop per Child)が開発したXO-1というPCである。製造は台湾のクアンタ・コンピュータ、価格は約200米ドル。OLPCのプロジェクトは、主として開発途上国を中心にして世界各国で展開されている。日本でも2020年までに「1人1台のタブレット」を実現することが標榜されているが、OLPCの動きとは大きく異なっているようである。

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日本における「1人1台のPC」の現状

olpc-xo1

OLPC XO-1

OLPCの取組

OLPCの目的は開発途上国の子どもたちにPCを利用した教育を受けさせることにあり、購入しやすいように価格を抑えることを最大のテーマとして推進している。但し、殆どの場合、PCの導入は国の政策として展開されることから、購入は国が行っている。また、電気が通っていない場所での利用を想定しており、その面での様々な工夫を取り込んでもいる。OLPCから派生したものとして、2007年に台湾のASUSが発売したEee PCがある。Eee PCは、その後数年間PCの世界を席巻したネットブックの最初の製品とされている。2007年に開催されたCOMPUTEX TAIPEIで199ドルのノートPCとして出品され、大きな話題を呼んだ製品であった。

Classmate PCの取組

OLPCと同様の試みは、Intelが世界的に展開している。当初はOLPCと組んでいたようだが、方針の違いから別の道を歩くことになったようである。OLPCとの最大の違いは、OLPCが非営利団体としての活動であるのに対し、Intelの場合は営利活動であるところにある。Intelは1人1台のPCとしてClassmate PCを子どもたちに持たせることでICTを活用した教育を受けさせようとしている。但し、IntelはClassmate PCの開発は行っているが、製造はそれぞれの国のメーカーが担当する形になっている。日本の場合は、CM1(Classmateを短縮?)というPCを2010年に東芝が発売している。

先進国のモデル

朝日新聞に書かれたルワンダの場合もそうだが、OLPCやClassmate PCの場合は発展途上国向けのPCという色彩が非常に強い。教材はコンテンツとしてPCに取り込んであり、別途用意する必要はない。教科書などは新たに印刷する必要はなく、子どもたちに届ける必要もない。最大の利点は、質の高い教師を育てて各地の学校に配属する必要がかなり減少するところにある。しかし、先進国の場合は発展途上国とは異なったニーズで取り組まれている。東大大学院・山内祐平準教授によると、1人1台のPCを導入するには次の3パターンがあるとしている。

  1. 発展途上国モデル
  2. 基礎基本モデル
  3. 21世紀型学力モデル

日本の場合2か3のどちらかとなるわけだが、山内準教授によればどちらのモデルを目指すか社会的合意ができていないことが問題と指摘している。

デジタル教科書と反転授業

実のところ、私には2と3の違いは良く分からないが、文部科学省の教育ICTに関する文書を読むと、3の「21世紀型学力モデル」を目指すような内容となっている。しかし、その具体的な内容は、なかなか想像するのが難しいのは事実である。教科書をデジタル化し、それを閲覧するためのリーダーとしてタブレット端末が必要・・・というのは単純なだけに理解はしやすい。しかし、現状ではデジタル教科書(児童生徒用の)は存在しておらず(高校生用はあるらしい)、現時点で1人1台のタブレット端末を導入する理由はないのである。そこで武雄市では「反転授業」という新たな授業方法を持ち出してきている訳だが、導入することが目的となった結果という印象が強く残るものとなっている。

武雄市の反転授業の取組とiPad

武雄市が導入するのはiPadか、それとも・・・

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