立命館小学校のSurface導入とMSの利害

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京都の立命館小学校が、MicrosoftのSurface RTの導入に踏み切った。4年生4クラス120人、5年生4クラス120人の合計240人全員が保護者負担で購入、11月から実際の授業で活用している。Surfaceは10月に国内発売された新製品のSurface 2ではなく、米国では作りすぎて在庫処分に苦労したSurface RTであった。但し、OSはSurface 2に搭載されているSurface RT 8.1にバージョンアップされている。

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「1人1台のタブレット」と「1人1台のPC」の違い

surface

Windows 8.1⇒Windows RT 8.1?

Surfaceは保護者の格安?負担

立命館小学校がSurfaceを選択した理由としてあげているのは、安価であることとMicrosoft Officeがプリインストールされていることの2点。同校は2006年の開校時から全教室に電子黒板を設置しており、それに投影するコンテンツはPowerpointで作成され、これまでに豊富な教材が蓄積されているとのこと。また、Microsoft Officeはビジネスや学術研究の分野で広く使われており、児童自ら情報を編集・発信するためには同ソフトを使いこなせるようになることが不可欠と判断したとしている。購入費用は保護者負担となるが、その金額については公表されなかった。しかし、「1人1台のタブレット」が注目されている現在、2学年とは言え児童全員に持たせるタブレットにSurfaseが選ばれたことは大きな宣伝効果となる。格安・・・・・恐らく形だけの負担額で収まったのは間違いないだろう。

タブレット端末はデジタル教科書の道具

「1人1台のタブレット」は、教育分野でICTを利活用しようという国の政策から生まれたものである。その中核をなすのは教科書のデジタル化であり、デジタル教科書を閲覧するためのビューアーとしてタブレット端末が一躍注目を集めるようになったのである。つまり、教育ICTの主役はデジタル教科書というコンテンツであり、それを表示するタブレット端末は道具でしかない。現在の問題は、コンテンツであるデジタル教科書が製品として未だ世に出ていないことである。従って、今の段階でタブレット端末を導入することは、コンテンツがない中で道具を先に導入することを意味している。しかし、道具であるタブレット端末を導入することは、地方自治体や学校にとっては教育ICTに取り組んでいることをアピールする絶好の機会となっている。

普通教室へのパソコン導入そのものが目的

上記のことは、立命館小学校も十分承知していることと思われる。従って、導入に際して持ち出した標語は、「1人1台のPC(環境)」というものであった。これはIntelなどが以前から展開しているものであり、パソコンを特別教室から普通教室に持ち出すことを目的としたものである。デジタル教科書においてはタブレット端末は道具でしかないが、「1人1台のPC環境」という掛け声の中ではタブレット端末導入そのものが目的となる。「1人1台のタブレット」を持ち出すと直ぐに「それで何をするの?」と問われて行き詰ることになるが、「1人1台のPC環境」であれば何の問題もなくなるのである。要は立命館小学校は「1人1台のPC環境」で教育ICTを実現しようとしているのであり、「教科書のデジタル化」の流れとは一線を画しているということができる。但し、その辺のことは曖昧にしており、タブレット端末を導入することの宣伝効果を目論んでいることは間違いない。

デジタル教科書がなくてもタブレット端末導入は可能

あれこれとどうでも良いようなことを書いてきたが、言いたいことは立命館小学校はタブレット端末導入で先進的な教育を行っていることをアピールしたかったのであり、導入による教育効果をうまくまとめることができたと言うことが一つ。デジタル教科書が現存しない中、Office搭載がタブレット端末導入の切り札となりうることをMicrosoftが明らかにしたことが二つ目である。立命館小学校とMicrosoftの利害がここで一致し、Surfaceを(恐らく)格安で納入したのであった。来年度から小中学校へのタブレット端末導入を計画している佐賀県の武雄市は、タブレット端末を導入の理由に反転授業を持ち出してきた。しかし、来年の高校新入生へのWindows PRO搭載タブレット端末導入を決めている佐賀県同様、Windowsタブレット導入には面倒な理由付けは不要である。

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