タブレットに5万円を自己負担させる佐賀県

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佐賀県は来春入学する県立高校の新入生にタブレット端末を持たせることにしているが、その購入に際しては5万円の自己負担となることが話題となっている。導入する端末はWindowsタブレットであり、本体やソフト代を含めて総額8万円がかかるところ、県の教育委員会が補助金を出して自己負担額は5万円としたとのことだ。しかし、県知事の知名度アップのために県民に負担させるのは、やりすぎであることは間違いない。

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態勢が整っていない中でのタブレット端末導入

tablet&monitor

TabletとDigital Monitorを使用した授業

現在使われているのは「指導者用デジタル教科書」

佐賀県は、高校の新入生にタブレット端末を持たせてデジタル教科書を利用させようとしている。デジタル教科書は紙の教科書とは異なり、利用するためには所謂電子書籍リーダーが必要となる。電子書籍リーダーとしての役割をタブレット端末に担わせようとしているわけだが、実はデジタル教科書そのものはまだ商品としては存在していないのである。現在、デジタル教科書としてTVなどで紹介されているのは、電子黒板に表示して児童生徒が一緒に見るものである。児童生徒が夫夫が持つタブレット端末で利用するものをデジタル教科書と言っており、現在の電子黒板で使用するものは指導者用デジタル教科書と呼んでいる。

明確な決まりがない学習者用デジタル教科書

指導者用のデジタル教科書は、小中学校向けのものは殆どの教科書会社が既に商品化している。しかし、小中学校向けの学習者用(指導者用と区別するためにつけられたもの)デジタル教科書は、未だ何処からも発行されていない。先に「デジタル教科書そのものはまだ商品としては存在していない」と全否定したが、実際は高校向けの学習者用デジタル教科書は今年の4月に東京書籍などが商品化している。しかし、このデジタル教科書は本来的な意味での教科書ではない。法律上の教科書は「紙」の教科書でなければならず、デジタル教科書は教材として扱われる。また、学習者用デジタル教科書が同あるべきかはまだ明らかとなっておらず、出版社が勝手にそういっているだけである。

Windows対応デジタル教科書の現状

東京書籍の高校用デジタル教科書は、現在はiPad用のみでWindows版は作成中である。また、教研出版の場合は「学習者用としての使用を視野に入れた」レベルのものであり、あやふやな段階のものでしかない。また、桐原書店は指導者用はWindowsだが、学習者用はiPad版しかない。従って、現時点でWindowsで利用できる高校用のデジタル教科書は、啓林館が用意している英語しかない。それもWindows版ではなく、HTML5で作成されたマルチデバイス版である。つまり、WindowsだけでなくiOSやAndroidでも使用することができるものである。

ぶっつけ本番の新しい教育に

佐賀県教委は機種選定に当たってWindows端末とiPadを選択、それぞれ520台を導入して実証研究を行った結果、最終的にWindows 8 PROを搭載したタブレット端末に決定したとしている。実証研究をどのように行ったかは定かではないが、少なくともまともなデジタル教科書がない中での実証研究であったことは間違いない。また、実証研究を行った学校は別として、佐賀県の殆どの高校教師は来年の春にぶっつけ本番でタブレット端末を使用した新しい教育に望まなければならないのである。来年の新入生はある意味実験的にタブレット端末を使用することになるのだが、問題なのはそれを5万円自己負担して行うところにある。

何故Windows 8 PRO搭載タブレットに決まったのか?

佐賀県が決めたタブレット端末は、候補となった端末の中で1番高いとされるWindows 8 PRO搭載タブレットであった。何故前評判の高かったiPadではなかったのか?、何故価格の安いSurface RTではなかったのか?。ここで私のひねくれた頭で考えた結論は、「iPadにすると当たり前すぎるし、佐賀県出身者との関係を詮索されることになるかもしれない」、「Surface RTにすると何故iPadじゃないのかという意見に反論できない」、「どうせ必要となるだろうWindowsパソコンを早めに買ってもらうことで納得してくれるのではないか」、ということでWindows 8 PRO搭載タブレットに決めたのではなかろうか。

同じ話題づくりでもこちらは・・・・・

何故Windows 8 PRO搭載端末に決めたのかはさておいて、問題はタブレット端末を全新入生に持たせる態勢が整っていない中、5万円の自己負担で見切り発車したことである。端末の導入ありき・・・が先行していたことは明らかであり、原子力発電所問題でミソをつけた県知事の話題づくりであったと断定せざるを得ない。先日は同じ佐賀県の武雄市のタブレット導入問題を取り上げたが、武雄市の場合は動機は話題づくりであったとしても、後付で「逆転授業」という新しい教育手法を持ち出している。そこは佐賀県と異なり、「何とかつじつまが合って良かったネ」と言いたくなる。

武雄市の反転授業の取組とiPad

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