今後の販売方法を予見させるiPad mini Retina

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Appleは11月12日に突如、オンラインのApple StoreでのiPad mini Retinaの販売を開始した。Appleはこれまで発売日を事前に発表し、その都度実店舗のApple Storeの前に行列ができるのが恒例となっていた。しかし、今回は初めて事前通知無しに発売を開始したのだが、この販売方法は今後も継続することが予想される。

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発売3日間の販売台数はもう喧伝しない

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12日から発売が始まったiPad mini Retina

iPad Air発売後2週間弱でmini Retina発売開始

iPad mini Retinaの発売は10月22日(米国時間)に発表された。しかし、その発売日は11月中とされただけでその後は何の案内もされなかった。それが11月12日になって突如、オンラインのApple Storeでの販売が開始されたのである。米国では12日の午前0時、日本でも同時となる12日午後5時、メンテナンス終了と共に販売が開始された。しかし、Appleの正式発表は12日午前(米国時間)であり、発表前にApple Storeでの販売が開始されたことになる。今回のiPad miniの新製品は高細密なRetina Displayを搭載しており、その事前調達数に不安があることが指摘されていた。一部には発売日が来年に延びるとの観測もされていたが、11月、それも同時発表したiPad Airに2週間弱という遅れでの発売となった。

発売時に必要数を揃えるのは困難

今回はRetina Displayが発売前に十分に調達できないという問題があったとされているが(このことは業界関係者の予測であって事実か否かは明らかではない)、私はこの売り方が今後も続くと考えている。何故ならば、Displayなどの基幹部品の高機能化は今後も進むはずであり、同時にその歩留まりも低くなることが容易に察せられる。また、対応できるメーカーも少なくなり、複数購買を維持するのも難しくなることも予想される。そのような中、「発売3日で●●●万台!」という販売方法を続けられないのは当然である。

発売直後の販売数予測が難しくなった

AppleはiPad 4とiPad miniを発売した2012年10月-12月期、合計で2,286万台販売した。この中には旧製品のiPad 2も少なからず含まれているとされている。今回のiPad AirとiPad mini Retinaの投入に際しても、iPad 2の継続販売することを決めている。初代のiPad miniも継続販売されることから、iPadだけでも4機種が平行販売されることになる。Fi-Fi+Cellularを入れれば倍の8機種となる。これらの初期必要数を確保するのが難しくなったことは前述の通りだが、その数字の予想もかなり困難になっているようである。iPhoneの例であるが、今回AppleはiPhone 5cという価格帯を少し下げた機種を発売した。発売時点では従来のモデルであるiPhone 5sよりかなり多く用意したようだが、少なくとも日本では品薄となったiPhone 5cとは逆にダブついたと伝えられている。事前の予測が難しくなってきたことを示している良い例である。

発売時点での出荷数を抑える

事前の予測に失敗すると、予想以上に売れる製品は品切れとなってユーザーを待たすことになり、予想以下の製品は店舗の在庫負担で迷惑をかける。最悪、値崩れの原因となる可能性もある。発売日前に必要数を確保することの難しさと事前予測のリスクを軽減する方法は、初期の出荷数を抑え気味にするしかない。そうすることでのデメリットは、従来のような「発売3日で●●●万台!」という宣伝文句が使えないだけである。しかし、iPadは発売直後の販売台数をアッピールする製品では既になくなっている。iPad 2がそこそこ売れているのは、機能的に劣ってはいてもAndroid端末ではなくiPadが欲しい人が少なからず存在していることを示している。iPadやiPad miniは売れているから購入するのではなく、欲しいから購入するのである。

周到な計画と準備の上で採用?

かつて、Sonyファンの中には新製品が出ると直ぐに購入する人たちが存在していたが、当然ながらAppleのファンにも大勢いる。いや、現在は日本でもそういうAppleファンがSonyを圧倒していることだろう。そういう人たちは、新製品の発売には発売前から行列を作ることに生きがいを感じているようである。Appleにとっては非常にあり難い客ではあるが、それが製品の宣伝となる時代ではなくなっているのだ。Appleはそのことに当然気が付いており、今回の事前予告無しの発売方法に踏み切ったのであろう。先ほどオンラインのApple Storeを除いてみたが、iPad mini Retinaの16GBから128GBの4製品とも出荷予定日が5-10営業日となっており、当面の必要数は確保しているようである。なにはともあれ、今回の販売方法が必要に迫られて止む無く採用したものではなく、周到な計画と準備の下で採られた方法であったと考えられる。

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