MicrosoftのSurfaceと日本マイクロソフト

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Surfaceは、Microsoftが発売しているiPad対抗のタブレット端末である。AMR向けに作られたWindows RT搭載のSurface RTは、昨年10月に米国などの欧米を中心に世界8カ国で発売した。その後、今年の1月に欧州の13カ国に拡大することが発表されたが、日本での発売発表は2月末まで待たなければならなかった。

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Surface RT

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Microsoftが目指すデバイス&サービス企業

日本マイクロソフトはSurfaceで独自対応

Windows 8を搭載したSurface PROの発売も、日本では欧米と異なった処置がとられた。Windows PROは米国とカナダで2月9日に発売されたが、2月末に欧米7カ国に拡大する際にも日本は含まれていなかった。Surface PROの発売は6月7日であり、米国・カナダでの発売から4カ月も遅れている。また、日本だけはOfficeソフトを標準搭載するなど、欧米とは異なった取組を行っている。Microsoftは日本法人の名前をマイクロソフトから日本マイクロソフトに変更したが、ここまで日本の独自性を打ち出してくるとは、正直言って想像できなかった。筆者はかつて在籍した外資の企業でグローバル経営に翻弄された経験を持っているが、米国資本の代表とも言える日本マイクロソフトは、どこまで独自性を打ち出すことができるのだろうか。日本マイクロソフトがSurfaceをどのように取り扱ってきたのかを振り返ってみたい。

iPadの値上げに対して1万円の値下げ

Surface RTについては、欧米とは以下のような違いがあった。

  • 2012年10月26日に米国を始めとした8カ国で発売。米国以外の国は、英国、フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリア、中国、香港。
  • 2013年1月、欧州13カ国に販売地域を広げることを発表。
  • 2013年2月、日本を含む6カ国に広げることを発表。他の5カ国は、ロシア、メキシコ、ニュージーランド、シンガポール、台湾。
  • 2013年3月15日、欧米に約5カ月送れて国内発売開始。プリインストールされているOffice 2013 RTは、日本のみが商用利用可能となっている。
  • 6月14日から1カ月間限定で価格を1万円値下げするキャンペーンをスタート。

Surface RTの発売が遅れたり理由として、日本マイクロソフトは米国市場での販売動向をみた上でそのノウハウを日本で活用しようとしたことと、製品供給が安定化するまで待ったこと、夏商戦に合わせたことを挙げている。

2013年第1四半期、Surface RTの出荷台数は20万台

しかし、これらはいずれも取って付けたような理由であり、米国などより5カ月遅れた理由としては説得力に大きく欠けている。本音では日本では発売したくなかったのであろう。米国のIDCが5月に発表した数字によると、1月から3月の第1四半期に出荷されたSurfaceシリーズは90万台であり、その内の70万台がSurface PRO、Surface RTは20万台でしかなかったとしている。日本マイクロソフトがSurface RTの発売を決定したのが3月初旬だとすると、この数字はほぼ掴んでいたはずである。Microsoftのメーカー別順位はAmazonに続いて5位であるが、同期間のAmazonの出荷台数は180万台である。Appleの1,950万台やSamsungの880万台には遠く及ばないにしても、Surfaceシリーズ合計でもAmazonの半分でしかない。

日本のみ独自仕様でSurface PROを発売

同じようにSurface PROについてもまとめてみた。

  • 2013年2月9日、米国とカナダでWindows 8を搭載したSurface PROを発売。
  • 2013年2月末、販売地域を英国、ドイツ、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、中国、香港の7カ国・地域に広げることを発表。同日、日本でSurface RTを発売することを発表したが、Surface PROについては触れられず。
  • 4月23日、販売地域を新たに18カ国追加することを発表。これにより、Surface PROの販売地域は合計で27カ国となる。
  • 5月29日、日本マイクロソフトは6月7日にSurface PROの日本発売を行うことを発表した。発表の6日前にはMicrosoft CEOのSteve Ballmer氏が記者会見を行っており、このタイミングでSurface PROの取扱方法が最終決定したのは間違いない。
  • 国内投入に当たり、日本マイクロソフトは二つの日本独自仕様を用意した。一つはOffice Home and Business 2013の標準搭載。もう一つは256GB版の投入であった。

4月23日に24カ国を追加したが、これでSurface PROを発売することになった国は米国、カナダ、中国を含めて27カ国となった。この時点でSurface RTの発売国(予定を含む)は29カ国あり、その中のメキシコと日本が抜けて27カ国となっていたのである。メキシコが抜けている意味はよく分からないが、日本が未発売というのはかなり異常な状況であったことは間違いない。

Surface RTの値下げは今後も続く・・・・

日本マイクロソフトは、Surface RTをOfficeが使用できるタブレット端末としてアッピールしようとした。しかも他の国では禁止されている商用利用も可能となっている。しかし、Windows RT用のアプリは数がそろっておらず、iPadやAndroid端末との優位性はOfficeが使えることしかない。問題は・・・・価格である。そこで渡りに舟となったのは、円安の進行を理由にしたAppleのiPadの値上げであった。1万円の値下げは1カ月間の期間限定としているが、Surface RTを見捨てない限りは期間延長することは間違いない。

Surface PROはデバイスメーカーへの突破口

日本マイクロソフトは、Surface PROを称してタブレットとしても使用できるPCとした。それに対してSurface RTは、PCとしても使えるタブレットとしている。実際、ネットではSurfaceはiPad対抗タブレット、Surface PROはMacBook Air対抗ノートPCという図式で語られるのが主流となっている。しかし、筆者の持論はSurface PROが対抗しているのはWindows搭載ノートPCであり、Suface PROでWindows搭載ノートPCからの客離れを防御しようとしているのである。そして・・・・こちらが本題なのだが、Microsoftのデバイスメーカーに脱皮する突破口としようとしている製品である。 

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