米調査会社のIDCは、タブレット端末の世界出荷実績を四半期ごとにレポートしている。それによると、2012年の年間出荷台数は、1億2,260万台であったことになる。iPadの2012年の出荷台数は6,570万台であることから、Appleのシェアは54%であった。以下、IDCのレポートの数字をベースに、一部筆者の推定を加えて算出してみた。
Apple1社で過半数のシェアを占めている
2012年のタブレット端末は1億2,260万台
2012年のタブレット端末の世界出荷を1億2,260万台と書いたが、これはIDCのプレスリリースの何処にも書かれていない。IDCは四半期ごとのタブレット端末の出荷台数を発表しているが、年間の数字は公表していない。1億2,260万台という数字は、筆者が4期分の数字を集計して出したものである。インターネット上では様々な統計数字が得られるが、一つのページでまとまった情報が得られることは稀である。市場調査会社の場合、一部の情報をこだしにしながら、最終的には有料のレポートを購入させるというのが常套手段となっている。
メーカーシェアを算出してみた
IDCの四半期ごとの数字は、タブレット端末のメーカー別の出荷数となっている。従って、メーカーシェアは公表されているが、年間の数字となると簡単には出てこない。第2四半期から第4四半期はメーカー別の出荷数が明示されているが、第1四半期は具体的な数字は発表されていないのである。下記の表は、第1四半期の数字を筆者が推計して作成したものである。
■タブレット端末集荷台数:世界:万台
メーカー | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | シェア |
Apple | 1,180 | 1,700 | 1,400 | 2,290 | 6,570 | 54% |
Samsung | 100 | 240 | 510 | 790 | 1,640 | 13% |
Amazon | 70 | 130 | 250 | 600 | 1,050 | 9% |
ASUS | - | 90 | 240 | 310 | 640 | 5% |
others | 390 | 340 | 370 | 1,260 | 2,360 | 19% |
total | 1,740 | 2,500 | 2,770 | 5,250 | 12,260 | 100% |
IDC発表数字をベースに一部推定
2012年はNexus 7のASUS、Nexus 10のSamsung、Kidle FireのAmazonがiPadを追いかけたが、Appleに次いで2位につけたSamsungでさえ13%しかなく、Appleの独壇場の状況は大きく変わらなかった。AppleのiPadは、タブレット端末全体の過半数を占めている。
2013年にAndroidがiOSを抜いてトップに~IDCの予測
IDCは2013年3月12日(米国時間)、2013年にAndroidがiOSを抜き、タブレット端末のOS別シェアでトップに立つとの予測を発表した。IDCによると、iOSのシェアは2012年の53.8%から2013年は46%と約8ポイント低下すると予測している。それに対してAndroidは、2012年の42.7%から6ポイント上昇して48.8%となってiOSを追い抜くと予測する。iOSはApple1社であるのに対し、Android陣営は多数のメーカーが参入している。そこでのOS別のシェアに何の意味があるのかよく分からないが、OSを搭載するタブレット端末のメーカーが多ければ多いほどそのシェアが高まるのは当然のことである。スマートフォンに見られるごとく、Appleが市場を切り開いてシェアを拡大させ、その後にその他大勢のメーカーが市場の裾野を広げるという図式がタブレット端末でも起こっているのである。
Windows搭載タブレット端末は?
IDCはWindows 8を搭載したタブレット端末の2012年のシェアは1%であったことを明らかにしているが、Windows RTについては何も触れていない。先日の記事でBloombergがWindows RTの販売台数が100万台であったと発表しているが、これを2012年の台数に持っていったとしても、0.8%にしかならない。合計で1.8%となる。ここでのWindows 8搭載タブレット端末はMicrosoftが2月9日に投入したSurface Proは含んでいない。パソコンメーカーが投入したタブレット端末である。しかし、それが1%ということは単純にみると123万台であったことを意味している。IDCはWindows RTには悲観的であり、Windows 8に絞って推進することを推奨している。このあたりは筆者の意見と一致するところである。