GALAPAGOSという名前は評価できる
シャープは2010年12月10日、GALAPAGOS(ガラパゴス)というユニークな製品名を採用したタブレット端末を2機種発売した。10.8型の液晶ディスプレイを搭載したホームモデルと、5.5型液晶を搭載したモバイルモデルの2機種であり、いずれも仕様上はマルチタッチに対応していた。搭載OSは仕様書上では明記されなかったが、9月に開催された記者発表会の質疑応答の中でAndroidであることを明らかにしていた。価格は、モバイルモデルが39,800円、ホームモデルが54,800円。
GALAPAGOSは、タブレット端末としての機能上の問題は別として、ネーミングについては評価されて良いと思われる。GALAPAGOSは日本の携帯電話が特異な状況下に置かれていることを否定的な観点から使用されている言葉だが、それを逆手にとってAppleの独走態勢にあるタブレット端末の市場に打って出る強い姿勢が感じられる。
GALAPAGOSは電子書籍リーダーとしてスタート
GALAPAGOSは多機能端末であり、様々なコンテンツサービスを受けることができる。ただし、発売時点ではAndroid Market(現在はGoogle Play)は利用できず、プレインストールされたアプリは電子書籍配信サービスしかなかった。多機能端末でありながら、当面は電子書籍リーダーとしてしか利用出来ないものであった。サービスはCCCと提携、合弁会社のTSUTAYA GALAPAGOSが行う。端末発売日の12月10日、約2万冊の電子書籍でスタートした。
GALAPAGOSにはシャープの焦りが感じられる
GALAPAGOSには発売当初から3つの疑問を感じていた。それは
- タブレットサイズのマルチタッチに対応していないAndroidの搭載
- Android Marketが利用できず、当面は多機能端末ではない
- 電子書籍リーダーとしは価格的に高すぎる
いずれも理由は一つしかない。シャープがやろうとしたことを実現できるOSがまだ存在しないにもかかわらず、取り敢えず発売することを目的化したシャープの焦りである。当時はiPadの電子書籍リーダーとしての機能が注目されており、出版業界を中心に電子書籍の配信サービスをAppleやAmazon、Googleよりも先に立ち上げることが急務とされていた。