総務省は、携帯電話の『第5世代通信規格(5G)』を活用したサービスの開発に来年度から乗り出す。6月6日、読売新聞が伝えている。5Gは2020年の東京オリンピックまでに実用化すると聞いていたが、5Gの前の4Gはどうなっているのだろう。現在普及しているLTEは3.9Gで4Gの一歩手前の技術と理解していたが、LTEを4Gに繰り上げることで5Gにつなげようとしているのだろうか・・・・調べてみた。
3Gは2001年から2015年の15年間続いたことになり、4Gは2020年までの5年しかないことになる
LTEは4Gとの考え方もあるが、正確には3.9G
4Gは、正確にはLTE-AdvancedというLTEの拡張規格のことらしい。しかし、一部のキャリアはLTEについても4Gと称しており、現在の携帯電話が何世代なのかが分かりにくくなっている。標準化団体である国際電気通信連合 (ITU) は2010年12月にLTEを4Gと呼ぶことを許可しており、4Gのスタートはキャリアの都合に任された格好になっている。しかし、4Gの技術をLTE-Advancedに限定したとすると、日本ではドコモが2015年3月に開始した『PREMIUM 4G』がそれに当たる。『PREMIUM 4G』は、ドコモがもつLTE回線を2つ束ねることで通常の倍のスピードを実現している。ドコモの場合はスピードの異なる複数の回線の組み合わせが可能であり、最大では262.5Mbpsを実現する。
2015年に3Gから4Gへの移行が始まった
KDDIやソフトバンクはLTEに4Gを冠しており、ドコモに先んじて4Gサービスを導入していることになっていた。従って、ドコモが『PREMIUM 4G』で記者発表を行ったのに対し、KDDIやソフトバンクはLTE-Advancedについて特にアナウンスを行っていない。また、昨年9月に発売されたiPhone 6s/6s PlusはLTE-Advancedに対応していることから、ドコモは『PREMIUM 4G』で262.5Mbpsのスピードが出ることを前面に打ち出していた。尚、KDDIもソフトバンクもキャリアリゲーションには対応しているが、KDDIは最大110Mbps(iPhone 6s/6s Plusの場合)、ソフトバンクは187.5Mbpsとドコモより見劣りしている。
3G⇒4Gで10倍、4G⇒5Gで100倍のスピードアップ
ドコモの3Gサービスは、FOMAという名称で2001年から提供されてきた。当初のスピードは384kbpsであったが、2006年にはFOMAハイスピードで3.6Mbpsとほぼ10倍にアップさせた。FOMAハイスピードは2008年に7.2Mbps、2011年6月に14Mbpsとしており、当初の384kbpsからすると実に36倍にもアップしている。尚、現在主流となっているLTEはの実用化されている下りの最大速度は150Mbpsであり、3Gの最大速度のほぼ10倍である。5Gの規格はまだ固まっていないが、最大速度はLTEの約10倍となることが予想されている。その場合、速度は15Gbpsとなり、FOMAの開始当初と比べるとなんと4万倍のスピードとなる。