ガラーケーユーザーをターゲットにしたiPhone SE

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iPhoneの新製品が発売されるたびに繰り返されてきたMNPユーザー獲得競争だが、今回のiPhone SEからは異変が起こっている。従来はMNPでの転入者優遇がメインであったが、iPhone SEからはガラケーからの機種変更が優遇されるようになった。MNPやスマホからiPhone SEへの機種変更は1万円程度の自己負担が発生するが、ガラケーからの機種変更では2年間で数百円の負担で済む。これが今まではまったく逆であった。

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iPhoneの高価格化を止めて高品質/低価格化路線に変更したApple

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iPhone SE

『実質ゼロ円』とは言えないが感覚的には『実質ゼロ円』

ガラケーからiPhoneに買い換えた場合、3キャリア共に自己負担が発生するが、その額はSBが432円、ドコモが648円、KDDIが720円でしかない。それも2年間の負担額であり、月額にすると18円~30円と微々たるものである。『実質ゼロ円』と打ち出せば嘘となるが、感覚的には『実質ゼロ円』と変わりはない。従来は新規契約とMNPについては『実質ゼロ円』が適用され、iPhoneの端末代は支払う必要はなかった。今回からはその対象がガラケーからの機種変のみとなり、iPhoneのターゲットが大きく変わることになる。

MNP優遇をせざるを得なかったこれまでの報奨金制度

端末代金割引の原資は、キャリアから販売店に支払われる報奨金である。この報奨金は契約増に対して支払われるものであり、新規契約とMNPのみがその対象となる。機種変は契約増につながらないことから、原則的には報奨金の対象とはならない。キャリアは新規契約とMNPの客を狙い撃ちするしかないが、新規契約は学生層に限られてしまう。従ってキャリアはMNPをメインターゲットにするしかなく、MNPでは『実質ゼロ円』が当たり前の状況が続いてきた。更にSBの独占であったAppleのiPhoneは、2011年からKDDI、2013年からはドコモが扱い始めている。ドコモが参入した2013年秋以降は3社三つ巴の戦いとなっており、2014年明けの極端なキャッシュバック戦争を引き起こすこととなった。

MNPではなくガラケーからの買い替えを推進

極度のMNP優遇策は報奨金の扱いから必然的に生まれたともいえるのだが、総務省はその是正に本格的に取り組むこととなった。それが25日に発表された総務省のガイドラインに盛り込まれているわけだが、特にMNPでの端末購入補助の見直しが強調されている。但し、『携帯電話の通信方式の変更若しくは周波数帯の移行を伴う場合』は『端末購入補助を行うことができる』と明記しており、ガラケーから機種変更の大幅値下げは容認している。端的に言うと、MNPユーザーを取り合いするのを止めて、これからはガラケーからスマホに買い換えるユーザーを優遇しろ・・ということになる。

iPhoneの大画面化/高価格化は行き詰っている

2014年1月から3月にかけての狂乱キャッシュバックは影を潜めたが、今ではiPhoneユーザーの一部は2年毎にMNPすることが当たり前となっている。3キャリアで同じユーザーを取り合いしていることになり、全体で見ればiPhoneユーザーの拡大に直結しているわけではない。また、昨年のiPhone 6s/6s Plusは販売台数が全世界的に伸び悩んでおり、これまでのiPhoneの大画面化と高価格化が壁に当たっていることを証明した。iPhone SEはiPhoneの低価格化製品であり、世界的なターゲットはAndroidスマホである。日本の場合はAdroidスマホに加え、ガラケーもその中に入るだろう。

IPhone SEを購入するのはiPhone 5Sユーザー

3キャリアはガラケーユーザーをそのターゲットにすることになったが、それが目論見どおりになる否かは分からない。2013年に発売されたiPhone 5sの場合、機種変更では10,368円(ドコモ)から約14,000円〔KDDI/SB〕が発生した。それがIphone SEではほぼ『実質ゼロ円』となる訳だが、料金プランには変更がない。毎月の維持費が安いからガラケーもままだったのであり、端末代金が『実質ゼロ円』になったからといって大挙してiPhone SEに買い換えることはないだろう。但し、2年前にiPhone 5sを購入した人たちは、その大半がiPhone SEに乗り換えるだろう。2年間で1万円程度の自己負担が発生するが、それ以上の金額でiPhone 5sを下取りしてくれるはずである。

これからのポイントは3キャリアの下取りプログラム

ここまで書いてiPhone 5sのドコモの下取り価格を調べてみたのだが、キャンペーンの期間が『2016年3月1日~2016年3月31日』になっている。iPhone SEの発売日は3月31日であり、発売の翌日以降はどうなるのか不明である。また、下取り価格がドコモから購入した端末の場合は15,000円(良品)だが、他社で買った端末だと7,000円(良品)と安くなっている。前は逆だったような気がするのだが・・・念のためKDDIを見てみると、こちらも期間はドコモと同じになっている。価格は、23,000円前後で自社購入か他者購入かで大きな違いはない。しかし、以前はこちらも他者購入の方が高かったような気がする。そういえば総務省が策定したガイドラインは、適用開始が4月1日でその中には端末の下取り価格も是正の対象となっていた。3キャリアは狂乱キャッシュバックが沈静化した後、下取りプログラムで実質的な値引きを行ってきた。今後はこの下取りプログラムが隠れたMNPの切り札となるようだ。

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