1カ月を2カ月にしただけのキャリアの2年縛りの見直し

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今年1月の決算説明会の席上、ドコモの加藤社長が携帯電話の2年縛りをこの3月に見直すことを明らかにした。現時点でその具体的な発表はされていないが、加藤社長は無料で解約できる『更新期間』をこれまでの1カ月から2カ月に延長することを明らかにしていた。待てよ・・・・それは1年前に出ていた案と同じじゃないか。夏には拘束期間を2年から1年にする案や2年後は自由に解約できる案などが出ていたはずなのに。結局、1年前の案に戻ってしまったらしい。

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昨年末の総務省のスマホ料金引き下げ提言を受け、キャリア各社が今春に新設する低料金コースが出揃った。総務省は『月額5,000円以下』となる低料...
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更新期間を1カ月から2カ月にしたのはキャリアの『強調的談合』か?

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2年縛りのイメージ

端末の『実質ゼロ円』と共にユーザーにはメリットがあった

『2年縛り』というのは携帯電話キャリアが行っている販売方法であり、2年間は料金が優遇されるが、その期間内に解約すると約1万円の違約金が発生する。25ヵ月後の1カ月間だけは違約金は発生しないが、意思表示しない場合は自動的に契約が更新されてしまうということが問題視されていた。昨年4月に総務省が『2年縛り』の見直しに取り組む姿勢を見せた時、3キャリアは更新月の事前案内を行うことや、更新期間を2カ月にすることなどを表明していた。また、更に進んだ見直し案も提案され、2年経過後は何時でも無料で解約可能な案が実現するかのような状況であった。一方で2年間の契約で実質的に端末代金をゼロ円とする施策も行われており、ユーザーにとっては『2年縛り』が必ずしもデメリットとは受け取られていなかったことが背景にある。つまり、『実質ゼロ円』が実現する2年は仕方がない、というのが大半のユーザーの考え方だったと言ってよいだろう。

既存の販売体系を維持してMVNOの拡充を図る

筆者も『2年縛り』は止むを得ない販売策であり、2年経過後は自由に解約できるとするのがこの問題の落とし所だと思っていた。キャリアは去年の5月に『SIMロック解除の義務化』にも応じていることから、2年後は自由にMVNOや他のキャリアに乗り換えることが可能になっていた。しかし、『2年縛り』の見直しが1年前の段階に後戻りした理由は、総務省の引いてきたレールを安倍首相と高市総務相が引き剥がそうとしたからに他ならない。総務省はこの間、MVNOの拡大・拡充に努めてきた。現在の携帯端末販売はキャリアとそれに付随する携帯電話販売店から成り立っており、そこを抜本的に解体することは困難と判断し、それらを維持したままで携帯料金の多様化を実現させようとしてきたのである。

二人のトップに水を差された総務省

安倍首相と高市総務相は携帯電話料金を安くすることを求めたわけだが、これが本当に実現するとMVNOは必要ないことになる。しかし、首相と自分の省の親分の意向に逆らえるわけがなく、急遽有識者会議でこれまでの流れには反するテーマで話し合いがもたれることになった。その結果でてきたのが、当たり障りのない『低料金コースの新設』なのだった。取りあえずこれでお茶を濁したことになるが、この後安倍首相や高市総務相が何を言い出すか分からない。『2年縛り』の見直しを1歩も2歩も進めた場合、それと矛盾することを言い出したら元に戻れなくなる。だから『2年縛り』の見直しの内容を大きく後退させたのであろう。

産経の記事にしか出てこない『強調的談合』

総務省は1月に開いた有識者会議で『2年縛り』の見直しの内容をキャリアから聞いたようだが、会議は非公開で行われた。また、その中身については殆どのメディアが取り上げてない中、『携帯各社の「2年縛り」見直し 収益優先で抜本改革に二の足』と題して記事にしたのは産経新聞であった。産経新聞は以前から自民党の機関紙と目されていたが、第2次安倍内閣発足後はネトウヨ御用達の姿勢を更に強めている。今回の記事でもキャリアが抜本的改革の先送りで足並みをそろえたことを高市総務相が『強調的談合』と評したことに触れているが、この発言は産経の記者が高市総務相から直接聞いたものと思われる。マスコミに対する高圧的な態度を堅持する中、素直に言い分を聞いてくれるのは産経新聞だけと分かっているのだろう。

ピークに合わせたドコモとずらしたKDDIとソフトバンク

ともあれ、『2年縛り』の見直しは3キャリアの『強調的談合』で終わるようだが、3月に実施するとしていた見直しがまだ具体化していない。これは見直しで新たな料金プランが策定されるのではなく違約金の発生条件の変更であり、システムの変更が実現次第実施されるのであろう。3月は携帯電話の契約数が大きく伸びる月であるが、2年前の契約者が更新月のなるのは来月の4月である。一方、ドコモ同様の見直しをするKDDIは5月実施を明らかにしており、ソフトバンクもその後を追うようである。ドコモと異なり、この2社はピークを外しての『2年縛り』の見直しとなるようだ。

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