役割を終えて死語となったソフトバンクの純増No.1

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今年の始めまではあれだけ大騒ぎしていた携帯電話の純増数争いだが、毎月の発表から四半期ごとの発表に変えたことで余程注意しないとどうなっているのか見逃すようになってしまった。契約数の発表はTCA(一般社団法人電気通信事業者協会)のサイトでも掲示しているが、以前のように前月実績との差数の表示などはなくなってしまった。また、キャリア各社の四半期決算では数字が発表されているが、プレゼンテーションで数字を声高に打ち出すスタイルはなくなったようである。

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契約数増の主役はiPhoneからMVNOへ

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SoftBank/docomo/au

純増No.1でもプレゼンでは触れなかったソフトバンク

純増数が四半期毎に変わった最初の純増数は、8月8日のソフトバンクの2014年度4-6月期決算報告で出揃った。それによると、下記のようにソフトバンクがトップとなっていた。

  1. ソフトバンク : 557,000
  2. au : 494,000
  3. docomo : 460,800

しかし、これまでならばいに一番に「純増No.1」を強調してきたソフトバンクだが、この時は孫社長はプレゼンでは触れることがなく、数字は決算短信の中に記されただけであった。また、記者からの「つい数カ月前まで純増No.1と言っていたが、方針を変えたのか」の問いに対しては、「純増数は形骸化していた」と回答している。その具体的な例として、みまもりケータイやフォトビジョン(デジタルフォトフレーム)などの契約数を加えていたことを挙げている。しかし、それは3~4年前から指摘されていたことであり、”今更言われても・・・”という気にしかならない。

純増No.1を追うことのメリットがデメリットに変わった

ともあれ、孫社長は「形骸化していた純増数」争いをやめ、「形式よりも着実にネットワークを改善して、着実にお客さまに満足してもらえるサービスを、競争を激しくやっていく」という結論に導いている。つまり、今後は顧客満足度を第一に考えることを表明したわけだが、逆に言えばこれまでは顧客が満足するか否かはどうでも良かったと言っていることになる。そもそも「形骸化していた純増数」争いはソフトバンクが仕掛けたものであり、これまでは企業の実態ではなくイメージを向上させるのに大きな力を発揮してきたとされている。しかし、iPhoneをキャリア3社が扱う体制となり、純増No.1を追うことのコスト面でのデメリットが大きくなった。つまり、純増No.1を追うことの役割は終了したことになり、発表を四半期毎に変更させたのもソフトバンクであった。少なくとも純増No.1という言葉は、ソフトバンクの社内では死語となっている。

今後の契約数増の主役はMVNO

四半期毎となった2回目は、11月4日に3キャリアの数字が出揃った。下記の通り、今回はドコモがトップでソフトバンクは2位のauとはわずかな差ながらも3位であった。

  1. docomo : 729,000
  2. au : 580,000
  3. ソフトバンク : 565,000

ドコモが1位となった要因がMVNOにあるのは間違いないが、ソフトバンクはそれを予想していたことは確実である。iPhoneで純増数を増やすためにはMNP乞食と呼ばれるユーザーにキャッシュや下取り金を積み上げるしか方法はなく、いずれも過大なコストが必要となる。それを止めた現在、契約数増の主役となるのはMVNOでしかありえない。MVNO事業者に回線を提供しているのはほぼドコモのみという状況であり、MVNOへの流入が増えることはドコモの契約数が増加することを意味している。純増No.1を追求すること放棄しない限り、ソフトバンクは負け戦を続けざるを得なくなる。それを止めてしまえばどこが1位になろうがどうでも良く、うちは「顧客満足度を第一」に取り組んでいますと言うだけで良い。

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