ファブレット化したiPhoneが侵食するiPadの市場

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iPhone 6とiPhone 6 Plusが、発売3日で1,000万台を超えたことをAppleが発表した。AppleはiPhoneの発売3日後の数字を例年発表しており、2011年のiPhone 4sは400万台、2012年のiPhone 5は500万台、2013年のiPhone 5sと5cの合計は900万台といずれも前年をオーバーさせてきた。一方、Appleのもう一つのヒット商品であるiPadであるが、こちらは2012年発売の第4世代iPadとiPad miniが300万台突破と報じられた後、2014年のiPad AirとiPad mini Retina Display Modelの時は何の発表も行われなかった。もっとも、この時はiPad AirとiPad miniは別々に発売されており、これまでの発表方法を踏襲できなかったというやむを得ない事情があった。

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AppleはiPhone 6 PlusでiPhoneのファブレット化を大きく前進させた

iphone6plus

iPhone 6 Plus

Appleは発売日をわざとずらした?

iPad AirとiPad mini Retina Display Modelを別々に発売したことから、従来の発売後3日間の販売台数の発表ができなかった・・・・と書いたが、私はAppleが発売後3日間の販売台数を発表したくないから発売日をわざとずらしたと考えている。2012年秋に発売した第4世代のiPadとiPad miniの販売実績が予想を下回ったことから、2013年のiPad AirとiPad mini Retina Display Modelの発売後3日間の販売台数が300万台を超えそうもないことが前もって予想されたのだと思われる。iPad mini Retina Display Modelのパネルの調達不安が事前に流れていたが、これはAppleが意図的に流したとも考えられる。iPad mini Retina Display Modelの発売日は事前に発表されなかったのだが、11月1日にiPad Airが発売された11日後には発売されている。

iPadの市場を侵食したiPad mini?

Appleは四半期ごとに主要製品の出荷数を発表しており、iPhoneは常に前年同期比100%以上を継続している。しかし、iPadの場合は2013年1-3月期に前年同期比が100を切ったほか、2014年は1-3月期と4-5月と続けて前年を割っている。iPhoneは2007年の初発売から7年が経過しているが、iPadは2010年の初発売から3年で成長に陰りが出たことになる。そして今年に入り、iPadの市場は明らかに衰退しつつある。この最大の理由は、ユーザーがスマホとタブレットの2台持ちを避けているところにある・・・と私は考えている。1台のスマホでタブレットの役割も持つ・・・・というニーズはSamsungがGalaxy Noteシリーズで切り開いたものだが、国内ではSony などが追従してそれなりの実績を挙げてきた。AppleはそのニーズをiPad miniで掴もうとしたのだが、iPad miniが売れた分だけ普通サイズのiPadの販売数が減る結果としかならなかった。

iPadでの縮小をiPhoneで取り戻す?

下の表は、歴代iPhoneのディスプレイの変遷をピックアップしたものである。Appleは、初代から4年間はディスプレイサイズを3.5インチに止めていた。しかし、2012年に0.5インチ拡大させ、それを2年間維持してきた。その間、iPadの市場衰退というマイナス要因が明らかとなったが今回、更にiPhoneのディスプレイを拡大するという戦略に踏み切った。iPadにとってはマイナス要因になるかもしれないが、iPhoneを更に飛躍させることでトータルとして市場の覇者として残ることを選択したものであろう。

歴代iPhoneのディスプレイ
  発売 画面サイズ 解像度 ppi
iPhone 2007/06 3.5インチ 480×320px 163ppi
iPhone 3G 2008/07
iPhone 3GS 2009/06
iPhone 4 2010/06 960×640px 326ppi
iPhone 4S 2011/10
iPhone 5 2012/09 4.0インチ 1136×640px
iPhone 5s/5c 2013/09
iPhone 6 2014/09 4.7インチ 1334×750px
iPhone 6 Plus 5.5インチ 1920×1080px 401ppi

今度の新製品はiPadにとっては正念場となる?

iPhone 6とiPhone 6 Plusの話題が盛り上がる中、影が薄くなった感のあるiPadの新製品の話題がそろそろ出てき始めた。米国のメディアの幾つかがiPadの新製品が10月に発売になると伝えているが、果たしてどうなのだろう。Appleは2013年10-12月期に2,600万台のiPadを出荷しており、同程度のボリュームのディスプレイを調達するためには既に発注されていなければならない。昨年は夏頃からiPadのディスプレイに関する噂やリーク情報が乱れ飛んでいたが、今年はiPhoneだけが目立ってiPad関連ではほとんど目にすることはなかった。しかし、例年通りこの年末に新製品が発売されるとすると、iPadについては今年が正念場になるのではなかろうか。Tim Cook CEOは「タブレット市場の将来について、きわめて楽観的だ」と述べているようだが、前年比を割るようになった製品に活を入れることは、非常に難しいというのが私が知る現実のビジネスである。

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