MNP防御から攻めに転じたドコモiPhone 6の料金プラン

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ソフトバンクとKDDIより2日遅れてiPhone 6/iPhone 6 Plusの料金体系をNTTドコモが発表したが、マスコミ各社は3社が横並びの価格体系となったことを普通に報じている。しかし、ドコモはiPhone 5s/5cの時は他社と異なり、機種変更でも実質ゼロ円を適用していた。しかし、今回はそれを見送って他社と横並びで実質価格1万数千円を設定しており、普通に横並びとなったものではない。iPhone 5s/5cでの機種変更での実質ゼロ円は、ソフトバンクとKDDIへのドコモのMNP流出防止策である。しかし、それが防止策に留まらず、その後の過剰なキャッシュバック戦争の引き金となったのは明らかである。

この辺の事情については以下のような記事を書いている。

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iPhone 6に引き継がれた機種変更時の優遇策

iphone6

iPhone 6

総務省が禁じた機種変更への奨励金

ドコモがiPhone 5s/5cで参入してくるまで、ソフトバンクとKDDIは新規とMNPについてはiPhoneの最低容量モデルについて実質ゼロ円としていたが、機種変更については実質負担額を設定していた。昨年秋にドコモがiPhoneに参入した際も、ソフトバンクとKDDIはドコモからMNPによる転入をかなり見込んでいたはずである。これまでに獲得したドコモからの転入者の多くがドコモに戻ってしまったとしても、それを上回る転入者があれば実質的に勝者となりえたのだ。しかし、ドコモが機種変更にも実質ゼロ円を適用したことから、不毛なキャッシュバック戦争に突き進まざるを得なかった。これまで機種変更に対して実質ゼロ円を適用してこなかった理由は、それが端末販売に対する奨励金になるからである。総務省は2007年に端末販売に対する奨励金を廃止し、その後は契約獲得に対する奨励金のみ市か認めていない。それが新規とMNPの実質ゼロ円の原資となっているのだ。

ソフトバンクとKDDIの手の内を見たNTTドコモ

iPhoneをめぐる初戦はAppleとMNP乞食の勝利に終わり、3キャリアはいずれも敗者といわざるを得ないまま終戦となった。そして今回のiPhoneをめぐる攻防戦を迎えたわけだが、今回のポイントはソフトバンクとKDDIのMNP防御策にあった。昨秋まではドコモユーザーが争奪戦の的となっていたが、今回は3社のユーザーの三つ巴の争奪戦となることは火を見るよりも明らかなことであった。iPhone 5c/5sではドコモは総務省が禁じていた機種変更での実質ゼロ円を持ち出したが、ソフトバンクとKDDIがどういう手でくるのかというのはドコモにとっては最大の問題であった。ドコモはソフトバンクとKDDIの発表の2日後に自社の料金プランを発表したが、そこには他社のプランを見てからでないと自社のプランを打ち出せない・・・・というジレンマがあったことは明らかである。

ソフトバンクとKDDIのMNP転出防止とドコモの転入優遇

ソフトバンクとKDDIが打ち出したMNP流出防御策は・・・・・昨年ドコモが採った機種変更ゼロ円以上の優遇策であった。機種変更に際し、ユーザーの持つ古い機種のiPhoneを下取りするという施策である。2社の間で端末料金に利用できるかできないか、製品容量別に金額の違いもある。しかし、その辺を端折ってiPhone 5sからiPhone 6への機種変更でまとめると、2社共に約26,000が還元される。16GBの場合は両社とも自己負担額は14,520円であり、それを約1万円上回る特典となっている。一方、ソフトバンクとKDDIのユーザーを取り込もうとするドコモは、「iPhone下取りプログラム」で4万円のキャッシュバック・・・・・ではなくてドコモポイントが提供される。更に元々はドコモユーザーであった場合、それにプラスしておかえりボーナス」の10,800円が端末代金として割り引かれる。この辺の金額は、ドコモが先に発表されたソフトバンクとKDDIの数字を2日間かけて綿密に検討した結果としてでてきたものだろう。

防御に徹するソフトバンクとKDDI-攻めに徹するドコモ

ここで注目されるのは、ソフトバンクとKDDIの下取りの対象となるのは、既存の自社ユーザーのみであって新規及びMNPの顧客は含まれていないことである。また、ドコモの場合は逆にMNPの顧客のみが対象であり、機種変更のユーザーは含まれていないことである。ソフトバンクとKDDIはMNP流出の防戦に必死となり、ドコモはこれまでの鬱憤を晴らすかのようにソフトバンクとKDDIを攻め立てる・・・という構図となっている。これは私の予測だが、防止策を採ってもとらなくても、iPhoneの新製品が出るたびに出て行くユーザーは止めることはできない、とドコモは腹をくくったのであろう。また、今まで残っているガラケーユーザーは、スマートフォンに移行しないでそのままガラケーを持ち続ける・・・と判断したのであろう。であるならば、防止策を捨ててMNP転入に絞って攻めに徹することにしたのであろう。

いつの間にか消えたMNP転入・転出数

ところで、半年前までは大騒ぎしていた携帯電話の契約者数発表の問題はどうなったのだろう。月次発表をやめて四半期ごとの発表に変更するとしていたが、7月にはその発表があったのだろうか。気になっていたので7月に注意していたのだが、それらしきことには気付かなかった。今、電気通信事業者協会(TCA)のサイトを見てみると、第1四半期(2014年6月)の契約者数が出ている。しかし、以前はあった前月(前期)との増減の数字はなくなっており、iモードなどの数字も消えている。キャリア別に発表すことも無くなったことから、MNPの転入・転出数も表に出なきていない。契約増やMNP転入増の数字は株価に即影響したといわれており、一定のiPhoneユーザーの取り合いとなった現状では数字発表はマイナス要因にしかならない。そのマイナス要因を一気に受ける立場に代わるソフトバンクが最初に言い出したことらしいが、意図したとおりに数字がまったく目立たないものになってしまった。

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