KDDIはVoLTE導入して3Gと決別、LTEに全面移行

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KDDIの田中社長は4月30日に行われた同社の決算発表会の席上、導入を予定しているVoLTEはフォールバックのない仕様とすることを明らかにした。VoLTEはLTE回線のパケット通信を利用した音声通話の方式であるが、自分と相手の両方がLTEエリアにいる必要があり、どちらかが3Gエリアにいる場合は従来の3Gでの通話方式にフォールバック(Fall Back)される仕組みを用意している。しかし、KDDIは3月にLTEの実人口カバー率が99%となったと発表しており、WoLTEをLTEエリアだけで実現することが可能となったとしている。

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CDMA2000方式の3Gを早く捨てたいKDDI

kddi-99%

2014年3月に実人口カバー率99%達成

LTEはパケット通信専用で音声通話はできない

VoLTEとはVoice over LTEを略したものであり、LTE回線で通話を行う技術を指している。現在のLTEに対応したスマートフォンの通話は、従来の3G携帯電話と同じ方式を使用している。つまり、現在はLTEを通話には利用しておらず、データのパケット通信にしか利用していない。従って、VoLTEを導入しない限り、キャリアは半永久的にLTEと3Gの両方の設備を抱え続けなければならない。VoLTEは音声通話をパケット通信で行うもので、仕組みとしてはNTT東西が提供しているひかり電話と良く似ている。

着うたフル独走をもたらしたKDDIの3G

KDDIが採用した3GはCDMA2000という方式なのだが、サービス名称をCDMA 1Xとして2002年4月にスタートさせた。2003年11月には上位サービスとなるCDMA 1X WINもスタートさせ、同時にフル楽曲の配信である着うたフルのサービスも開始した。KDDIの着うたフルは瞬く間にダウンロード数の伸ばして行き、2006年にドコモが参入するまでKDDIの独占状態が続くことになった。ドコモの参入がKDDIより2年半も遅れたのは、両社の通信方式の回線速度の違いにあった。KDDIのCDMA 1X WINの回線速度は2.4Mbps(下り)であるのに対し、ドコモのFOMAは6分の1の384kbpsしかなかった。KDDIのダウンロード時間が約5秒で終わるのに対し、ドコモのスピードだと約30秒かかる計算であった。従って、ドコモはFOMAをバージョンアップさせたFOMAハイスピードを導入した2006年6月まで、着うたフルへの参入を待たなければならなかった。FOMAハイスピードは3.6Mbps(下り)であり、1曲のダウンロード時間は約3秒となった。KDDIと対等に渡り合える速度となったことから、着うたフルでのKDDI独走状態は終わりを告げることとなった。

CDMA2000は通話とパケット通信が同時にできない

iPhone 3Gが発売された2008年7月以降、日本でもガラケーからスマートフォンへの移行が急速に進んだ。iPhone 3Gはソフトバンクのみの発売だったが、2011年11月発売のiPhone 4SからはKDDIも加わることになった。KDDIがiPhoneの発売に加わったことで、KDDIの通信方式に大きな欠陥があることが浮かび上がった。CDMA2000という方式は、音声通話とパケット通信が同時には行えない方式なのであった。この問題はガラケー時代はさほど注目されなかったが、パケット通信を常時利用するスマートフォンのユーザーにとっては、使い勝手が落ちることは間違いない。尚、ドコモやソフトバンクが使用しているW-CDMA方式の場合は、音声通話とパケット通信を並行して処理できる。

SRVCCとCSフォールバックの違い

KDDIの田中社長は「フォールバック」という言葉を使用したが、実際には「SRVCC(Single Radio Voice Call Continuity:単一無線音声通信継続)」というのが正解らしい。LTEネットワークと3Gネットワーク間での通話を途切れずに継続させる技術であり、LTEネットワーク内でしか通話しないならば不要となる。一方、「ファールバック」とはCSFB(Circuit Switched FallBack)を指しており、日本語ではCSフォールバックと呼ばれることが多い。こちらは現在のスマートフォンには必須の技術であり、パケット通信と音声通話を切り替える技術である。これはVoLTE対応端末同士の通話では不要となるが、相手がVoLTE対応で無い場合は3G通話に切り替える必要がある。つまり、KDDIの端末がすべてVoLTE対応にならない限り、外すことはできない技術ということになる。この辺のことを詳しく説明するとややこしくなることから、KDDIの田中社長は「フォールバック」という比較的知られている言葉で説明したのであろう。——-(この項を書くのにほぼ1日かかってしまった)

KDDIの新料金体系は先行2社と横並びにはならない?

KDDIはCDMA2000を早く捨てたいという事情があることから、すべての端末をできるだけ早くVoLTE対応にする必要がある。スマートフォンユーザーの場合は時間の問題といえるが、ガラケーユーザーには手こずる事だろう。ガラケーユーザーにはLTEは最も必要ないものであり、VoLTEの高品質な通話にも魅力を感じないであろう。このようなユーザーにVoLTE対応端末を買わせるとすると、現在のガラケーをVoLTE対応とするしかない。また、現在のガラケー向けの料金体系も残すしかない。ドコモやソフトバンクが新しい料金体系を打ち出す中、KDDIのみが沈黙を守っている。但し、年内のVoLTE導入は明言しており、その時に同時に打ち出すものと思われる。ドコモやソフトバンクとはネットワーク戦略が異なることから、この2社と横並びとはならないことも考えられる。

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