キャッシュバック戦争で儲けたのはMNP乞食とAppleだけ

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キャッシュバック5万円なんて当たり前・・・・家族揃ってMNPすれば数十万円にもなる・・・・ドコモも高額キャッシュバックで参戦・・・・と泥沼化したMNPキャッシュバック戦争が突然終焉して2ヶ月経った。あの戦争はどうして始まり、何故泥沼化したのか。3キャリアが揃ってiPhoneを取り扱いだしたことが直接の原因ではあるが、MNPキャッシュバック戦争は必然的に発生せざるを得なかったという実情が見えてきた。

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MNPキャッシュバック戦争はこうして泥沼化した

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iPhone発売5年後に3キャリアが発売

iPhoneの国内初発売は2008年7月であったが、ドコモの発売が確実とされた中でソフトバンクに逆転されてしまった。ソフトバンクは国内唯一のiPhone取扱キャリアの立場を最大限に活用し、契約数の大幅な拡大に成功した。また、2年遅れて参入したKDDIは、iPhoneを武器にしてMNPの転入者数では常にトップの地位を確保してきた。3キャリアの中で唯一iPhoneを扱えなかったドコモは苦戦が続き、MNPによる転出数は極めて高い数字で推移してきた。それがiPhoneの国内発売開始後5年たった昨年9月、ドコモもようやくiPhoneを扱えるようになったのである。Appleの新製品iPhone 5S/5cは、9月20日にドコモを加えた3キャリアから発売された。

ドコモの一人負けが続いた2年間

KDDIのiPhone参入でドコモのひとり負け状態が固定化する中、ドコモのiPhone参入の噂がまことしやかに取りざたされてきた。しかし、実際の参入は、KDDIから2年遅れたのであった。ドコモのiPhone取扱開始が遅れた最大の原因は、ドコモの扱うスマートフォンの50%とされるiPhoneのノルマにあった。それより低い数字で折り合いが付いたのか否かは不明だが、ドコモとAppleの間で何がしかのノルマが決まったことは間違いない。iPhoneのノルマは当然ソフトバンクやKDDIにも課せられていたのだが、これまでは契約数トップのドコモを草刈場とすることでノルマ達成はそれほど難しくは無かったと思われる。また、ドコモがiPhoneの取扱を始めたとしても、MNP転出を防御する手立てが限られていることから、ソフトバンクやKDDIはそれほど深刻な問題とは捉えていなかったと思われる。

スマートフォンへの乗り換えは2013年に頭打ち

MNPキャッシュバック戦争の問題に入る前に、日本の携帯電話の特殊性に触れておきたい。日本独自の進化をしたとしてガラケーと呼ばれている日本の携帯電話だが、iPhoneの登場によってガラケーからスマートフォンへの乗換えが始まった。iPhone以前のスマートフォンはガラケーと大きな違いは無かったのだが、iPhoneはガラケーにはない特徴を持っていた。大きめで全面が液晶となっており、出先でインターネット情報を閲覧するにはとても便利な端末であった。従って、iPhone以前のスマートフォンには見向きもしなかったガラケーユーザーのiPhoneへの乗り換えが続き、その動きがiPhoneをまねたAndroidスマホへと広がっていった。しかし、情報端末としての機能を必要としないユーザーも多く、日本におけるスマートフォンへの乗り換え需要は2013年で頭打ちになったとされている。そこに3キャリアがiPhoneを取り扱うという状況が生まれたのであった。

新規・MNPに有利な奨励金の仕組みを2007年に導入

日本でのスマートフォンの売り方は、端末代金を毎月の通信料で割り引く方法を採用している。この場合、新規やMNPには手厚くなっているが、機種変更に対しては冷遇と言って良い扱いとなっている。ソフトバンクのiPhone 5s(16GB)を例にとると、新規・MNPだと端末代金の実質負担額はゼロ円だが、機種変更の場合は14,640円が必要となる。これは新規契約者や他キャリアからの乗り換えユーザーを優遇し、以前からの自社ユーザーを軽視するというおかしな施策となっている。何故このようなことになったのかと言うと、総務省が2007年にそういう仕組みに変更したからである。それまでは契約に伴う奨励金と端末販売に伴う奨励金の2種類があったのだが、総務省は端末販売の奨励金を廃止したのであった。つまり、機種変更では、端末価格を大幅に安くすることができなくなってしまったのである。

ドコモは有効なMNP防止策を採用

2007年に導入された奨励金の仕組みの場合、機種変更では端末価格の大幅な値引きはできないはずであった。しかし、ドコモはiPhone 5s/5cでこれまでの慣例を放棄したのであった。iPhone 5s(16GB)の機種変更の場合、ソフトバンクとKDDIの実質負担額はほぼ同額の約14,000円となっている。しかし、ドコモの場合は、新規やMNPと同様に実質負担額はゼロ円であった。32GBや64GBの実質負担額も新規・MNPと同額であり、ドコモは以前からのドコモユーザーを新規・MNP同様に優遇したのである。つまり、ソフトバンクやKDDIにMNPしても何のメリットも無いことから、かなり有効なMNP防止策であったということができる。

3つ巴のキャッシュバック戦争に突入

これまでソフトバンクやKDDIの草刈場となっていたドコモのガラケーユーザーだが、ドコモが採ったMNP防止策で草刈場ではなくなってしまった。ここでソフトバンクとKDDIに残された道は、キャッシュバックの金額のつり上げしかなかったのである。しかし、相手はこれまでのMNP優遇策でもしぶとくドコモのガラケーにしがみついていたユーザーであり、そう簡単にはなびいてこなかった。iPhoneのノルマもあり、なんとしてもなびかせるにはキャッシュバックの金額を更に積み上げるしかない・・・・こうして2月から3月にかけての三つ巴のキャッシュバック戦争が繰り広げられたのであった。

儲けたのはMNP乞食とAppleのみ

2月から3月にかけてのMNP争奪戦で大量のMNP利用者が出た訳だが、恐らくその殆どがMNP乞食と自ら称する人たちで占められていたのではなかろうか。だとすると、この戦争で儲けるのはMNP乞食と・・・・・・Appleだけである。キャリアは損はしないまでも、これまで黙って我慢していた既存のユーザーの不満が高まる恐れがある。総務省がこのまま放っておくはずもなく、何とかしなければ・・・・と思っていたところに総務省の担当者から電話が入った・・・・・その電話をきっかけにして、3月末での終焉が暗黙のうち3キャリアの了解事項となったのであろう。

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