MNP乞食の元凶は総務省の販売奨励金禁止

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消費税が5%から8%に上がった4月1日、携帯ショップの店頭から「一括ゼロ円」や「●万円キャッシュバック」という表示が一斉に消えてしまった。しかし、あの過激なキャッシュバック戦争は一体何だったのだろう。下の記事でキャリアをキャッシュバック戦争に追い込んだのは、Appleが設定したiPhoneの販売ノルマだと書いた。しかし、キャッシュバックの対象はMNP転入者だけに限られたことから、多くのMNP乞食を生むことになった。その原因は、Appleのノルマとは別にキャリア側に事情にあると思われる。

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キャッシュバックしか採る道がなかったキャリア

10000yen

キャッシュバックを用意している写真?

スマホへの乗り換えには更なるインセンティブが必要

スマホを購入する場合、新規と機種変、それにMNPがある。日本の携帯電話の契約数は既に人口を超えていることから、新規の数字は多くを望めなくなっている。従って、これまでのスマホの購入者は、その殆どが機種変やMNP利用者となっている。更に、日本の場合はiPhoneによって始めてスマホの市場が生まれたといって良く、スマホの購入者はガラケーからの乗り換えユーザーが大多数となっていた。スマホの市場はiPhoneが登場した2008年から拡大し続け、昨年末にはスマホ利用者がガラケー利用者を超えたとされている。しかし、まだ半数近くのガラケー利用者がいる訳だが、ガラケーからスマホに移行する気がない人も多く、逆にスマホからガラケーに戻る動きや、通話専用にガラケーを買い足す動きもでている。つまり、ガラケー利用者をスマホに向かわせるためには、これまで以上のインセンティブを与えることが必要となってきたのであった。

ドコモは機種変での「実質ゼロ円」導入

iPhoneの場合、昨年秋まではソフトバンクとKDDIしか扱っておらず、ドコモがMNPでの転出者を数多く生み出す草刈場となっていた。しかし、ドコモがiPhoneの販売に乗り出したことから、三つ巴のユーザー分捕り合戦が始まったのである。昨年秋に各社のiPhone販売価格が出揃った時、一つ気になる部分があった。細かいところでの価格の違いはあったが、全体の体系としてはほぼ共通していたにもかかわらず、ドコモのみ違う部分があったのだ。それは、機種変・・・ドコモユーザーがiPhoneに買い換える場合に「実質ゼロ円」となることであった。ソフトバンクやKDDIは割引はあるものの、15GBで16,640円の自己負担額が設定されていた。特にそのことを指摘した記事を見逃したのかもしれないが、深く考えないでそのままにしていた。しかし、このことがその後のキャッシュバック戦争を過剰にさせた原因であったのだ。

総務省が機種変の値引きを禁止

ソフトバンクとKDDIにすると、ドコモのユーザーはドコモのiPhone参入以降も広大な草刈場として残るはずであった。自分たち同様、機種変ではドコモも一定額の自己負担額を設定するはず・・・・いや、設定しなければいけないはずであった。何故なら、総務省がそうしろと言ってきたからに他ならない。総務省は2007年にそれまでの販売奨励金を禁止し、新たな報奨金制度を導入した。これだけでは何のことやら分からないと思うが、言い換えると端末販売に絡む奨励金を禁止し、契約に伴う報奨金だけを認めることとしたのであった。これが何に影響したのかというと、機種変の際の端末価格である。総務省は機種変の際の値引きを禁止したのである。ソフトバンクとKDDIが機種変の際の自己負担分を残したのは、これがその理由であった。

ドコモのMNP防止策がキャッシュバックの高騰を呼ぶ

ドコモにすれば、せっかくこれまで残ってくれていたユーザーにドコモのiPhoneを買ってもらおうとしたのだろうが、ソフトバンクやKDDIにすればMNPでドコモにユーザーを奪い返されるだけでMNPでの転入を多くは見込めないことになる。既にMNPでは「一括ゼロ円」を摘要しており、無料でiPhoneを手に入れて月額料金の割り引いている。これ以上の条件として提供できるものは、キャッシュバックしかなかったのである。そして、ドコモがキャッシュバック戦争に踏み切った時、キャッシュバック戦争が泥沼化したのであった。仮に、2007年に端末の販売奨励金を禁止していなかったとすると、他社からのMNP転入者に使う報奨金はMNP転出防止のために機種変ユーザーに使われたことだろう。Appleにとって新規か機種変、MNPの何であろうとiPhoneが売れればよいのである。また、MNPだけが優遇されて不満を抱えた既存ユーザーは、心置きなくそのキャリアのiPhoneを手にすることができたのだ。

スマホ時代になってMNPの環境が出来上がった

MNPは2006年に導入されたのだが、当初はその利用者はあまり多くなかったらしい。番号は持運べてもメールアドレスは変えざるを得ず、所謂キャリアメールが使い慣れた人にとってはよほどの事がない限りメールアドレスを変えることはない。また、ガラケー時代はキャリアによる端末の違いも少なく、MNPする程の魅力ある端末もあまり見当たらなかった。その状況を革命的に変えたのが、iPhoneを代表とするスマホの登場であった。iPhoneに限ってみると、2008年にiPhoneを扱いだしたのはソフトバンクだけであり、KDDIが加わったのは3年後の2011年であった。ドコモユーザーでiPhoneを持ちたい人は、そのどちらかにMNPするしかなかったのである。キャリアメールの問題は残るが、スマホはガラケーと異なって通常のメールが使用できる。仕事で使っているメールやパソコンで使用しているメールが利用でき、キャリアメールを捨てる決心さえすればMNPの障害とはならない。

端末の販売奨励金を復活させたらどうか

恐らく、このままキャッシュバック戦争は終焉すると思われる。するとこれまでキャッシュバックの原資となっていた資金の向かい先が問題となるだろうが、それは基本的には通信回線料金の低減に使用すべきだと考える。また、私見ながら一つ加えたいのは、端末の販売奨励金の復活である。これがあることで端末購入費用を(見かけ上)低減することが可能であり、新しい端末の購入がしやすくなる。端末を3円で寝かしたり転売で利ざやを稼ぐ、更に言えばキャッシュバックで儲けようとするMNP乞食相手の商売をやめ、私のような潜在的なスマホユーザーを相手にするしか道はないのではないだろうか。

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