官僚組織の掟を破った総務省は何をしたのか

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新入学シーズンを迎えてMNP争奪戦が華々しい今日この頃だが、MNPによるキャッシュバック戦争が16日(日曜)で終了するという噂がネット上で駆け巡ったらしい。監督官庁の総務省が指導に入ったとの話だが、そのことを伝える記事が総務省のことを「官僚組織の掟を破った」としているのは何故だろう。

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2007年に端末販売奨励金を禁止した総務省

soumusyou

総務省

2007年に総務省がした過ちとは何か

「官僚組織の掟を破った」とタイトルに表示しているiPhone Maniaの記事を見ると、「7年ほど前、携帯電話端末の無料配布を規制し、現在の競争環境に至るきっかけを作った総務省としては、今回の指導はある意味で自分たちの方針の間違いを認めることにつながります。官僚組織は、自身の過ちを認めることを極度に嫌う傾向がありますが、それでも過熱するキャッシュバックに待ったをかける必要があると判断したのでしょう。」と書いている。しかし、7年ほど前に総務省が何をしたのかについては触れられていない。他の記事を見ても同様であり、その多くはiPhone Maniaなどのタイトルをそのまま流用しているだけに過ぎなかった。

2006年から2007年にかけて大きな変化が

更に調べていくと、どうも2007年に総務省の肝煎りで携帯電話の販売方法を大きく変えたことを指しているようである。そういえば2006年9月にMNPの導入があり、2007年8月には私のような長期契約者の料金を安くするファミ割MAX50が開始された。以前から長期保有者と頻繁に端末を買い換えるユーザーとの不公平さが問題となり、それを是正するために新たな端末購入方法が始まったことを思い出した。しかし、今はその頃よりもっとひどい状態となっており、それを是正するのに何故その時の措置が「誤り」と認めることになるのだろうか。益々訳が分からなくなった。

端末価格と通信料金を明確に分ける・・・・?

2007年当時のニュースを調べると、「移動電話の端末価格と通信料金の分離,総務省が事業者5社に要請」という記事が見つかった。それによると、『総務省は「モバイルビジネス活性化プラン」を公表し、端末価格と通信料金が一体になっている現在の販売モデルを見直し、端末価格と通信料金を明確に分けた新しい料金プランを2008年度をメドに導入すべき、と提言した』となっている。でも、現実には端末代金を通信料金で支払うことは厳然として継続しており、この時の総務省の要請が「誤り」であったことを示している訳ではない。逆に総務省の要請を守っていないキャリアの誤りを明らかにしているに過ぎない。更に迷路に入り込んでしまった。

端末代金減額に使われる販売奨励金

端末代金を割り引く、もしくはゼロ円とする原資は今も昔もキャリアが販売店に支払う販売奨励金である。2007年の総務省の要請により、販売奨励金は廃止されたという情報と、廃止ではなく減額されたという情報の両方がある。また、販売奨励金には端末販売奨励金と回線契約奨励金の2種類がある、という情報も見つけたが、その具体的な支払い方法などについての情報は見つからなかった。ここで思いついたのは、現在は端末販売奨励金はなくなり、回線契約奨励金のみが残っているのではなかろうか、ということである。とすれば同一キャリア内での機種変更では端末代金の割引が少なく、新規やMNPの場合はふんだんに賄えられるという仕組みが明らかとなる。

端末販売奨励金は廃止されていた

上記の問題に絞って検索すると、見つかりました。「携帯電話がなくなる/著者:本田雅一」の中の2P分がネットで公開されているが、その中に『総務省は端末の販売奨励金を禁止した。通信回線獲得の報奨金はあるものの・・・・以下略・・・』という文章がある。これまで調べたこととこの文章を合わせて考えると、恐らく総務省は販売奨励金(端末と回線契約)を廃止し、通信回線獲得の報奨金のみを認めたのであろう。これが総務省の「誤り」の実態だと思われる。スマートフォン時代になったことから、スマホへの機種変はLTE回線への新規契約が伴う。そこで機種変での端末代金を実質ゼロ円とする原資が生まれ、それ以上の原資が新規に使われる。そして・・・比較にならないほどの金額がMNPに回すことが可能となるのであった。

上の青字にした部分だが、ドコモがiPhone発売に際して機種変でも「実質ゼロ円」を導入した。その原資はどこから来たのか・・・と考えた時、多分そうだろうという憶測で書いたもの。後日、下の記事を書いた時に、機種変でも「実質ゼロ円」をドコモが導入したことがキャッシュバック戦争の発端・・・という事実を知った。

総務省は1日も早く現状を是正すべき

ここまで来てようやく2007年に総務省がやったことは「誤り」だという理由が分かった。しかし、総務省の肩を持つ気はないが、2007年当時の判断としてはやむを得なかったのではなかろうか。当時はiPhone発売前であり、現在のようなスマートフォン全盛の状況を予測することは不可能であったと言い切ることができる。また、ガラケー一色に塗りつぶされた状況が、短期間で崩壊してスマートフォンに雪崩を打つことは誰が予想できただろうか。総務省は過去の「過ち」を潔く認め、現在の異常な状態を1日も早く是正することに努めるべきである。

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