iPhone向けキャリアメールのプッシュ対応実態

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

昨日「ドコモのiPhoneはプッシュ通知に対応済み」という記事を書いたが、iPhoneとプッシュ型のメールの問題はかなり複雑なようである。日本の携帯電話の場合はキャリアが用意したキャリアメールが広く使われており、iPhoneの取扱に伴ってキャリアメールへの対応に結構苦労しているようだ。

広告
広告336

KDDIのキャリアメールだけがiPhoneのプッシュ受信に対応

sp-mode

docomo sp mode

BlackBerryが採用したプッシュ型のメール

欧米のスマートフォンの市場を切り開いてきたのは、端末BlackBerryで大躍進したカナダのRIM(Resarch In Motion:現在は社名もBlackBerryに変更)であった。BlackBerryはメール機能を最大限に強化した端末であり、プッシュ型のメールシステムを提供していた。欧米では日本と異なって端末へのメール機能搭載は一般的ではなく、それがBlackBerry大躍進の原動力となったのは間違いない。そしてスマートフォンに進出したAppleは、必然的にプッシュ型のメールに取り組まざるを得なかった。AppleのiPhoneがプッシュ型のメールシステムとなったのは、2代目となる2008年発売のiPhone 3Gからであった。そしてAppleの後を追うGoogleは、端末用OSであるAndroidにプッシュ型のメール機能を搭載したのであった。

キャリアメールのプッシュ対応が最大の課題

スマートフォンはすべてプッシュ型のメールを標準搭載することになったが、日本の場合は一つ大きな問題を抱えていた。それは、それまで利用していたキャリアメールの問題である。日本では3Gの当初からキャリアメールが利用されており、スマートフォンでもそれをそのまま使いたいという根強いニーズが存在していた。しかし、キャリアメールはMNPすると使用できなくなることから、iPhoneの国内発売当初は大きな課題とはならなかった。国内キャリアでiPhoneを2008年から販売したのは、3キャリアの中で最も契約者が少ないソフトバンクであったからである。従って、ソフトバンクはキャリアメールをプッシュ型としたのは、実はかなり遅くて昨年末の12月10日であった。但し、全ユーザーに行き届くのは、今月末までかかるとのことである。

ドコモは擬似的なプッシュ型メールを採用

2011年からiPhoneの取扱を開始したKDDIだが、2012年の3月にはキャリアメールをプッシュ型に変更した。それまでは15分間隔で端末側がメールサーバーから取りにいく仕様となっていた。昨年iPhoneの販売に参入したドコモの場合、従来使用していたキャリアメールのアドレスが利用できるサービスは、SPモードメールとして昨年の10月1日から提供している。しかし、その仕様はKDDIの当初のものと同じく、指定した時間間隔でサーバーにとりにいく仕様であった。しかし、ドコモは12月13日に新たにドコモメールというサービスをiPhone向けに提供開始している。

iPhoneに対応したドコモメールとSPモードメールの違い

ドコモメールではメールが届いたことをリアルタイムに通知する「新着メールお知らせ」が可能となっており、擬似的なプッシュ型メールを実現している。この仕組みは、17日からはSPモードでも利用できるようになっている。

ドコモのiPhoneはプッシュ通知に対応済み

プッシュ受信とプッシュ通知

ここでおきな迷路に入り込んでしまったようだ。プッシュ型のメールを調べれば調べるほど何が何だか分からなくなるのである。そして昨日一日がかりで考えて出した結論は、プッシュ型のメールには「プッシュ受信」と「プッシュ通知」の2種類があるということである。3キャリアのプッシュ対応で見ると、KDDIが2012年3月に実施したものが「プッシュ受信」である。KDDIは、この仕組みを「リアルタイム受信」と表現している。これに対し、ソフトバンクとドコモが採用したのが「プッシュ通知」であり、擬似的なプッシュ型のメールとなる。ドコモが名付けたとおり、「新着メールお知らせ」サービスでしかない。

ドコモは土管屋になることを自ら選択?

前掲の「ドコモのiPhoneはプッシュ通知に対応済み」という記事でキャリアの対応の違いが通信回線の方式にあると書いたが、それは誤りであった。KDDIはMicrosoftのExchangeを採用しており、それで「プッシュ受信」を実現した。ソフトバンクとドコモはExchangeを採用していないことから、「プッシュ通知」でお茶を濁そうとしていることになる。ドコモはiモードを導入してプッシュ型のメールをいち早く展開したわけだが、ここにおいてプッシュ型の最大の利点であるリアルタイム受信を採用しなかったことは、自らのビジネスの核心的な部分を自ら放棄したことになる。ドコモは土管屋になりたくないと盛んに主張しているようだが、こうなると自分で土管屋になる道を選んだと言うしかないだろう。

広告
広告336
広告336

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする