SIMフリーiPhoneが作るMVNOの新しい世界

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Appleは11月22日、直販サイトのApple StoreでSIMフリーのiPhone 5s/5cの販売を開始した。SIMフリー版のiPhoneは海外では前から発売されていたが、国内では今回が初めてとなる。この端末を購入すると、好きなキャリアと契約して利用することが可能となる。但し、キャリアが提供している端末の割引キャンペーンは利用できないことから、端末の代金は割高となる。

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AppleがSIMフリーiPhoneを国内発売

nano-sim

nano SIM

端末販売とSIMロック

SIMとはSubscriber Identity Module Cardの頭文字をとったものであり、日本では第3世代(3G)携帯電話から使用されだした識別カードである。キャリアと携帯電話の契約を行うとアクティベーションという作業が必要となるが、それは具体的にはSIMカードに電話番号情報や契約者の情報などを入力して端末が使用できるようにすることである。海外では端末を恵帯電は販売店から購入してキャリアに持ち込み、SIMカードをアクティベートすることが一般的に行われてきた。日本ではキャリアが端末代金を毎月の支払いで割引販売する手法がとられてきたことから、端末をSIMロックして他社への乗換えを防止してきた。

海外のSIMフリーiPhoneでドコモ利用

iPhoneは2008年からソフトバンクが国内販売してきたが、当時のソフトバンクの通信回線は繋がりにくさで有名であった。しかし、ソフトバンクはiPhneをSIMロックして販売したことから、他キャリアのSIMカードは利用することはできなかった。しかし、Appleは海外ではSIMフリー版のiPhoneを発売しており、キャリアの長期間の縛りを嫌うユーザー向けに販売していた。従って、国内でソフトバンクと契約したくないユーザーは、海外のSIMフリー版iPhoneを手に入れ、キャリアと端末購入を伴わない新規契約か機種変更を行うことでソフトバンク以外でのiPhone利用を実現させていた。尚、iPhoneがKDDIの通信回線に対応したのは2011年のiPhne 4からであることから、この場合のキャリアとはドコモのみを指している。

SIMロック解除は進んでいない

総務省は2010年6月、「SIMロック解除に関するガイドライン」を発表した。その内容は「2011年度以降新たに発売される端末のうち、対応可能なものからSIMロック解除を実施する」というものであり、強制力があるものではない。事実、ドコモは2011年4月からSIMロックを解除するサービスを実施しているが、当初からSIMフリーとした端末の販売は行っていない。また、ソフトバンクはSIMロック解除機能を搭載した機種を3機種発売しているが、それ以外の機種についてのSIMロック解除には対応していない。ドコモの場合、3,150円の有料ではあるが一部の例外を除いて機種は限定していない(iPhoneはSIMロック解除対象外)。

ソフトバンクがSIMロック解除しなかった理由

ソフトバンクがiPhoneのSIMロック解除に対応してこなかったことから、ドコモユーザーの選択肢は先に述べた海外で確保する方法しかなかった。SIMロックを解除しても端末の代金の残額は一括返済か最後まで支払い続ける必要があり、ソフトバンクの収入減になるわけではない。また、2年縛りの違約金も支払わなければならない。しかし、もしもソフトバンクがiPhoneのSIMロック解除を認めていた場合、かなりのユーザーがドコモに移っていたことが予想される。iPhone販売に費やすソフトバンクの販促費はかなりの額が見込まれ、2年間の縛りがあることでようやくそれを回収できるほどと思われる。総務省や世間から何を言われようと、ソフトバンクがiPhoneのSIMロック解除に動けなかった理由はそこにあるのは間違いない。

ようやくMVNO陣営の出番が回ってきた

Appleが国内でSIMフリー版iPhoneの発売に踏み切ったことから、今後はMVNO陣営の動きが注目の的となる。私は今使っているフィーチャーフォンをiPhoneなどのスマートフォンに買い換える必要性がまったくないが、毎月の使用料の高さが大きなネックとなっていることも事実である。MVNO陣営がiPhone向けに格安の料金体系を打ち出してくることは間違いなく、キャリアの端末代金値引き額との勝負となってくる。MVNO陣営は端末代金を月額使用料に加算する必要がなく、回線提供事業者への使用料に自らの経費を加算するだけの料金を設定するだけで良い。これまで国内ではSIMフリー版iPhoneは手に入れにくかったが、Appleが直に販売しだしたことで一般ユーザーが手にすることが容易になったのである。

どっちに転んでもAppleは儲け続けることになる

MVNOはMobile Virtual Network Operatorの頭文字をとったものであり、日本語では仮想移動体通信事業者と呼ばれている。MVNO陣営がiPhone向けに格安の料金体系を打ちだしてきた場合、iPhoneをSIMフリーとするようキャリアへの圧力が高まるだろう。仮に発売後一定期間経ってからであったとしても、導入すれば契約者が逃げていくことに繋がる。それを防止するためには、ユーザーを引きとめられる新たな料金体系を持ち出すしかない。それは2年ごとにキャリアを替えるユーザーを作り出す販売施策を、今後は既存のユーザーを重視する販売施策に転換することに繋がるだろう。しかし、いずれにしてもAppleだけは儲け続けることになるのは間違いない。

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