敗訴したクリックホイールはマルチタッチの原点となる技術

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1審、2審共にApple敗訴となったクリックホイールの特許訴訟だが、最高裁でAppleの上告が退けられ、これでAppleの敗訴が確定した。クリックホイールはAppleのiPod中央部に配置された円形の操作盤のことで、2004年に発売されたiPod miniに初めて搭載された。その後、第4世代iPodやiPod miniの後継機となるiPod nanoにも搭載され、クリックホイールはiPodの代名詞的となっていた。クリックホイールには静電容量方式のタッチセンサーが組み込まれており、後のiPhoneやiPadで採用されたマルチタッチの原点となる操作方法である。

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クリックホイールの中央部にはタッチセンサーが組み込まれており、静電容量方式のセンサーを採用している

ipod-nano

クリックホイールを搭載したiPod nano

iPodへのクリックホイール搭載は2004年から

2001年11月17日(米国発売は10月24日)に国内発売されたiPodは、スクロールホイールと呼ばれる操作盤を搭載していた。iPodは片手で持ち、持った手で全ての操作が行えることを最大限に追求している。スクロールホイールは機械的に回転する仕組みであったが、翌2002年から採用したタッチホイールにはタッチセンサーを組み込んで機械的な部分をなくしている。2004年に発売したiPad mini(米国は1月、日本は7月発売)は、従来のiPodが1.8インチHDDであったのに対して1インチのHDDを搭載し、サイズと重さを大きく低下させていた。それに伴い、操作方法もタッチホイールからクリックホイールに変更したものである。今回、勝訴した男性は1998年にクリックホイールの技術を開発、同年にAppleに売り込みをかけたものの、条件が折り合わずに交渉は決裂していた。その6年後、Appleは独自開発したものとして、クリックホイールを搭載したiPod miniの発売に踏み切ったことになる。

ユニークな操作方法を実現するためにOSも自社開発

AppleはiPod miniを発売した3年後の2007年、欧米で全面ディスプレイとなるiPhoneを発売した。全面ディスプレイとしたことからディスプレイ側にはホームボタンのみが下部に配置され、操作は指の動きで行うマルチタッチを採用した。微妙な複数の指の動きを感知するため、採用されたセンサーはクリックホイールに用いられたは静電容量方式のものであった。Appleが画面や機能の切り替えだけを求めていた場合、タッチセンサーは従来から使われている抵抗膜方式に落ち着いていたと思われる。しかし、Appleは指でスクロールや拡大/縮小を可能とするため、新たな操作方式の開発を行うこととした。そしてそれが可能となるように、OS自体を自社開発したのである。初代iPhoneに搭載されたOSはiPhone OSという名称だったが、2010年6月以降はiOSという名称になっている。この2010年4月(米国、日本は5月発売)には初代iPadを発売しており、iPhone OS搭載機器が広がりつつあった。

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