遅すぎるクラウド端末向けWindowsの無料化

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Microsoftは4月2日、画面サイズが9インチ以下のスマホやタブレット端末向けのWindows OSを無料化することを発表した。Microsoftはこれまで、スマホ用のWindows Phoneをメーカーに5~15ドルのライセンス料で提供してきた。しかし、無料で提供されているGoogleのAndroidに大きく差をつけられており、従来の戦略を大転換して無料化に踏み切ることとなった。無償化でGoogleとの差を詰めようとしている訳だが、Microsoftのシェアは2013年は3.3%(IDCの調査)しかない。その決断は、少々遅すぎたと言わざるを得ない。

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圧倒的なアプリの数の差を詰めるのは不可能?

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初期のスマートフォンは通話できるPDA

スマートフォンの定義は時と共に変遷しており、一言で言い表すことは非常に難しい。しかし、初期のスマートフォンの多くが採用したOSは、MicrosoftのWindows Mobileであった。最初のバージョンであるWindows Mobile 2003が発売されるまではPpcket PCと呼ばれていたように、当時のスマートフォンは通話ができるPDA(Personal Data Assistance)とも言うべき製品であった。国内で始めて発売されたスマートフォンは、2005年12月に発売されたWILLCOMのW-ZERO3(シャープ製)であるが、OSはWindows Mobile 5.0であった。その後、2008年までに国内発売されたスマートフォンの殆どは、Windows Mobile搭載端末であった。

メール機能を強化したBlackBerry

しかし、スマートフォンを代表する製品として大きな市場を獲得したのは、メール機能を強化したBlackBerryであった。BlackBerryはプッシュ型のメールが可能であることから、2004年頃から欧米を中心に大きくシェアを広げていった。プッシュ型のメールは日本の携帯電話ではおなじみの機能であり、スマートフォンが欧米でどうして大ヒットしたのか当時は良く理解できなかった。しかし、日本のキャリアはiPhoneなどでキャリアメール(アドレス)を使えるようにすることに苦労しており、ドコモやソフトバンクは擬似的なプッシュ型の採用でお茶を濁している。そこで気が付いたのが、スマートフォンの最大の肝はプッシュ型のメールにある・・・ということであった。

BlackBerryからiPhoneへ

スマートフォンの代表として飛ぶ鳥を落とす勢いであったBlackBerryをその座から引き摺り下ろしたのは、他ならぬAppleであった。Appleは全面ディスプレイを採用して物理的なキーボードを取り外し、操作を指先のジェスチャーで行うマルチタッチを採用した。AppleのiPhoneは、スマートフォンをインターネットの情報端末とし、更に様々なアプリを利用することでゲーム機や音楽プレーヤー、デジタルカメラに変身させたのである。そして現在は、スマートフォンの代表選手はAppleのiPhoneであることは誰もが認める事実となった。後発のAndroidも2010年にはマルチタッチの対応させ、基本的にはiPhoneの後を追いかけている。

1年の遅れは致命的

Microsoftも当初はWindows Mobileでマルチタッチに対応しようとしたが、うまく行かないのでOSを最初から作り直すこととした。Windows Phoneとして登場したのが2010年11月、実にiPhoneの初発売から3年半が経過していた。また、Androidよりも1年遅く、多くのメーカーはWindows Phoneの登場を待たずにAndroidを採用していた。そもそも、Androidは無償で利用できるが、Windows Phoneは有償である。iPhoneに対抗するためには多様なアプリは必須であり、1年の遅れはアプリの開発者にとっては致命的な時間のロスとなった。まずiPhone向けのアプリを開発し、そしてAndoroid向けに作る。その後Windows Phone向け・・・・・・を新たに開発するより、新しいアプリの開発に向かう方がより多く稼げるのは確実なことであった。

iPhoneとAndroidのアプリは共に100万種類以上

App StoreとGoogle Playにあるアプリの数は、2013年末に共に100万種類を超えている。対してMicrosoftのアプリは、パソコン/タブレット向けが14.5万種類、スマートフォン向けが12.5万種類にとどまっている。この差が詰まる日がくることは、私には予想することができない。そもそも、日本ではWindows Phoneを搭載した製品は、2011年8月発売の東芝製スマートフォン以外には存在しない。今から2年半前の話である。日本ではWindows Phoneを発売しても売れることはまず無いが、世界的には可能性は残っている。発展途上国向けに、格安のスマートフォンで勝負する方法である。しかし、MicrosoftはNokiaを傘下に収めたが、「デバイス&サービスカンパニー」という戦略は今後も続けていくのだろうか。今回のクラウド端末向けOSの無料化を見ると、その軸足がぶれているような気がしてならない。

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