人事異動に見るドコモとTizenとの関係

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ドコモでiPhone導入に反対していたN取締役は、同時にドコモが関わっていた新OSのTizenの推進責任者でもあった。N取締役はマーケティング部長を務めていたが、今年の6月の人事異動で関西支社長に左遷されている。9月にはAppleのiPhoneをドコモが扱うことになり、国内のスマートフォンの勢力図が大きく変化することとなった。と同時に、ドコモのTizenに対する方針の変更が取り沙汰されている。

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Taizen亡き後のドコモの戦略は?

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栄転としたメディアもあるが、左遷は明らか

N取締役は左遷されたと書いたが、それを栄転としているメディアがある。執行役員マーケティング部長から常務執行役員関西支社長への異動であることから、うっかりすると栄転ととられるのもやむを得ないかもしれない。しかし、N部長の正式な職名は、「取締役」執行役員から常務執行役員関西支社長への変更となっている。執行役員としては平から役付きの常務に上がっているが、そもそも取締役を解任されているのである。平取りであったとしても、取締役の方が執行役員より上席になるのは間違いない。事実、ドコモのプレスリリースで記載された新役員表を見ると、平取締役の下に常務執行役員が続いている。

ドコモはTaizenから身を引く構えを見せている?

N取締役は、ドコモ社内のiPhone導入反対派の最左翼に位置していたとされている。そして社内ではマーケティング部長の責にあり、同時にTizen Associationのチェアマンを務めていた。Tizenはスマートフォンの次期OSとしてドコモが大きな期待と共に推進していたものであり、その中核となる部分に自社の取締役を据えていた訳である。ドコモのTizenへの期待を担当者の肩書きで証明していたことになるが、N取締役の後任は平の執行役員であった。ドコモ内の肩書きは、マーケティング部戦略アライアンス担当部長というものである(最新の記事ではプロダクト部技術企画担当部長となっている)。執行役員ではあるがラインの部長職ではないこの人事は、ドコモのTizenへの取り組み方が一歩後退したと捕らえられてもやむを得ないだろう。

iモードの夢よ再び・・・・・

当初、年内にはドコモのTizen搭載スマートフォンが発売されることになっていた。製造はSamsungとされていたが、現在は来年に発売延期されたことが確実となっている。その原因はドコモ側の対応サービスの遅れと伝えられているが、ここでもドコモのやる気が薄れていることを感じさせてくれる。そもそもドコモがTIZENに期待したのは、かつてのiモードのようにキャリアがサービスの主導権を握ることであった。AppleのiPhoneが出現するまで、日本だけではあったがキャリアは土管屋ではない立場を堅持することができた。しかし、iPhoneのシェアが増大し、GoogleもAppleと同じモデルで追従することとなったことから、日本のキャリアの土管屋への転落が始まったのである。再度イニシアティブを取り戻すための切り札が、Tizenであった。

Tizenから手を引くとして、次のドコモの手は何か?

日本の携帯電話の契約者は頭打となっており、他のキャリアからユーザーを奪い取ることが最大の戦略となっている。そこでは他を引き離してトップに位置するドコモが集中的に狙われることは当然であり、ドコモがiPhoneを持っていなかったことがそれに拍車をかける結果となった。ドコモが iPhoneを有した今も基本的な構造は変わっておらず、ドコモは大きな契約者増が見込めない中での売上増大と利益率の向上を図らなければならない。回線を提供するだけの土管屋では埒が明かないのは明らかであり、土管の中を流れるコンテンツから収益を得ることが必然となる。Tizenを導入してOSレベルでユーザーの囲い込みをしようとしたドコモだが、Tizenから手を引くとすると、今後はどのような戦略で進もうとしているのだろうか。 

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