Microsoftとマルチタッチ

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26日に全世界で発売されたMicrosoftのWindows 8は、賛否両論の話題を振りまきながら好調な滑り出しとなったようである。米MicrosoftのSteve Ballmer CEOは29日(米国時間、サンフランシスコで開催されたWindows Phone 8搭載端末の発表イベントで「これまでのところ、ウィンドウズ7を大幅に上回る需要がみられ、満足している」と語ったことをロイターが伝えている。

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Modern UIでAppleのマルチタッチに対抗

Modern UI

Windows 8は、スマートフォン用に作られたWindows Phone 7に搭載されたMicrosoft独自のUI(User Interface)であるModern UIを踏襲している。Modern UIは今年の8月まではMetro UIと呼ばれていたが、商標権の関係から変更されたものである。Modern UIが登場する背景には、AppleがiPhoneに搭載したマルチタッチが大きな影響を与えている。

マルチタッチに対応したiOS

iOSは、2007年6月に初代iPhoneに搭載されたときはOS X(テン) iPhoneという名称であった。それがiPhone OSとなり、2010年6月のバージョン4からはiOSに変更して現在に至っている。Appleは自らがOSの開発も行なう唯一のパソコンメーカーであり、iPhoneの企画が持ち上がった時点からハードとOSの開発を同時進行させてきた。
iPhoneの最大の特徴は、マルチタッチというこれまでになかった斬新な操作方法を取り入れたところにある。パソコンはキーボードやマウス入力が前提となっており、それがマルチタッチとなることはUIの大変換を意味している。iOSはパソコンのMacが搭載しているOS Xをベースにしているが、かなりの部分が1から作り直したものと想像される。

Androidはマルチタッチ対応にてこずる

Androidは、Googleが中心となって開発したオープンなOSである。2007年11月にGoogleや米Qualcomm、独T-Mobileなどによって規格団体Open Handset Alliance(OHA)が設立され、2008年10月に搭載スマートフォンが発売された。iPhoneが発売されたのは2007年6月であり、GoogleがAndroid開発を決意した最大の契機がiPhoneであったことは間違いない。
しかし、Androidを始めて搭載した T-Mobile G1は、マルチタッチに対応していなかった。Androidがマルチタッチに対応したのは、2010年にGoogleブランドで発売したNexus Oneからであった。Nexus Oneは1月に発売されたが、マルチタッチ機能はOFFにした状態で発売された。その後、2月にマルチタッチ機能をONとするアップデートを行なった。
マルチタッチに対応することは、技術的にはそれほど難しいものではないと思われる。問題はマルチタッチ関連の特許をAppleが既に取得しており、それを回避することに時間をとられたものと考えられる。Wikipediaによると、マルチタッチにはネイティブに対応しており「Appleによる特許訴訟を避けるため、2010年2月までは初期的にはカーネルレベルで無効化されていた」という記述がある。

Windows Mobileはマルチタッチ対応をあきらめる

スマートフォンの市場は、カナダのRIM(Research In Motion)が開発したBlackBerryが切り開いてきた。RIMやNokiaなどは自社OSを持っており、自社のスマートフォンに独占的に搭載することができた。しかし、ほとんどの端末メーカーはMicrosoftのスマートフォン用OSを使うほかなく、iPhoneが発売された2007年当時はMaicrosoftのスマートフォン用OSであるWindows Mobileは一定のシェアを有していた。特に日本の場合、RIMやNokiaのシェアは低く、スマートフォンにおいてはWindows Mobileのほぼ独占状態であった。
しかし、AppleのiPhone登場で状況は劇的に変化することとなった。スマートフォンはiPhoneのような全面ディスプレイが標準となり、操作はキーボードでなく指先でタッチするのが当たり前となったのである。Windows Mobileはキーボードやマウスで操作することを前提としたWindowsをベースに開発されたものであり、それをマルチタッチに対応させるのは技術的に相当苦労したことが予想される。

aspen

マルチタッチに対応したWindows Mobile 6.5を搭載したSony Ericson製のAspen

Windows Mobileがマルチタッチに対応したのは、AndroidがNexus Oneで対応させたのと同じ2010年2月であった。Sony Ericson製のAspenは、マルチタッチに対応したWindows Mobile 6.5.3を搭載していた。しかし、 物理的なQWERTYキーボードも付いており、iPhoneレベルのマルチタッチではなかったものと思われる。その辺が曖昧になるのは、MicrosoftはAspen発売直後に新しいスマートフォン用のOSを開発することを発表したからである。新しいOSはWindows Phoneと名づけられ、Windows Mobileとはまったく別に1から作り直すOSであった。

最後のWindows Mobile搭載端末

2010年6月、Windows Mobile搭載スマートフォンとしては国内最後の端末となるSC-01BとIS02が発売された。SC-01BはNTTドコモ、IS02はKDDIが発売したが、いずれも東芝の製品であった。NTTドコモのSC-01Bの場合、プレスリリースで最初に打ち出した製品特徴は

静電式タッチパネル対応大画面約4.1インチ有機ELディスプレイ&スライド型QWERTYキー搭載

というものであり、マルチタッチ対応は明文化していなかった。また、それよりもQWERTYキーを搭載していることを強調しており、スマートフォンをPDAとして使用するユーザーをターゲットにした製品であった。

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