ARM買収でIoTを事業の柱にしたいソフトバンク

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昨日から下記の過去記事がアクセス数を伸ばしている。一昨日までのアクセス数はほぼゼロであったが、昨日だけで百を超えるアクセスを集めた。昼頃気が付いたので『ARM』で検索すると、ARMをソフトバンクが買収するというニュースがトップにでてきた。買収金額は3.3兆円とのこと・・・これはARMの年間売上高のほぼ25倍の金額になる。ソフトバンク・・・いや孫正義さんは一体何を考えているのだろうか。

スマートフォンの9割に使われているARMのCPU
Microsoftのタブレット端末Surfaceは、IntelのCPU向けのSurface ProとARM系のCPU向けのSurface R...
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モバイル機器の85%を押さえたARMが次に狙うのが巨大なIoTの市場

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ARM

3.3兆円は売上高の25倍の金額

ARMの売上高は2013年に1,000億円を超えたばかりであり、2015年は1,350億円であった。3.3兆円はその約25倍であり、数字だけ見るとかなり無謀な投資になる。ARMによると、モバイル市場(スマートフォン、タブレット、ノートパソコン)におけるARM系CPUのシェアは、2015年には85%に達したという。しかし、ARMはCPUを製品化しているわけではなく、CPUの設計を行っているだけである。ARMの売上は、メーカーからのライセンス料と製品化した個数に応じたロイヤリティからなっている。一方、代表的なARM系CPUメーカーであるQualcommは、年間売上高が約3兆円となっている。従って、モバイル市場で圧倒的なシェアを有してはいるが、売上高はかなり見劣りする金額になる。但し、利益率は逆に高く、2015年の場合は利益率が35%に達している。

ビッグデータの入り口と出口を確保

ARM買収発表に際し、孫正義社長は『2040年には(ネットにつながる機器を)1人1,000個持つ時代が来る』と発言している。IoT時代になるとCPUの需要が急拡大することは間違いなく、単価が安くなっても市場規模が現在の数百倍となることは確実だろう。一方、インターネットに接続するインフラは既に手にしており、IoT機器の心臓部を機能させるアーキテクチャを有することでビッグデータの入り口と出口部分を抑えたことになる。近年、サーバー分野にもARMアーキテクチャが広がり始めており、ビッグデータの中枢部分も手中に収める可能性もある。ARMを取得することにより、孫正義社長は今までに無い大きな夢を見るチャンスを手に入れたことは間違いない。

投資家としての能力はあるが経営者としては・・・・

孫正義社長の投資家としての能力は、米国Yahoo!を皮切りに中国ネット通販のアリババ集団に至るまで、誰もが認めることだろう。しかし、経営者としての能力は、投資家のそれと同じレベルとは必ずしも認められていない。ソフトバンクのモバイル事業は、iPhoneの販売権を唯一勝ち取ったことが大きな力となった。しかし、キャリア3社がiPhoneを扱うようになった今、他の2社との差別化要因は失ってしまった。また、2012年に買収した米国のスプリントは、未だに回復の兆しが見えてこない。ソフトバンクはこの6月以降、アリババ集団やフィンランドのゲーム大手スーパーセル、ガンホー・オンライン・エンターテイメントなどの保有株を立て続けに売却して2兆円以上を現金化した。しかし、それをスプリントのテコ入れには使わず、今回のARM買収に回すという選択を行った。スプリントを今後どうするのかは分からないが、今後もソフトバンクのお荷物となり続けるのは間違いない。

当面、ARMの経営体制に変更は無い!?

ソフトバンクがARMを買収した後も、ARMの経営体制に変化は無いとされている。ARMはソフトバンクの完全子会社となり、ロンドン株式市場への上場は停止される。ARMの経営陣は株式市場の動向を気にする必要はなくなるが、逆に孫正義社長の意向を無視できなくなる。仮にARMの経営に色気を見せるようになった場合、ARMの現経営陣にとっては悪夢となる可能性もある。古くは現SBIの北尾吉孝CEOの例があり、近くはつい最近のニケシュ・アローラの例もある。招聘した人と仲違いし、自分の周りには自分の言うことを聞くイエスマンしかいないというソフトバンクの体質は、今後も大きく変わることは無いだろう。しかし、考えてみれば海外、特に米国の企業はほぼ全てが同じような体制で経営されており、彼らにとってはそれが当たり前のことかもしれない。持ち株が高く売れたことから、それだけで満足しているのだろう。

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