2)PlaysForeSureの放棄

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PlaysForSureプログラム

playsforsure

PlaysForSure Logo

Microsoftは2004年10月、Windows MediaとそのDRMを採用するPortable Device(PD)、および音楽配信サービスの互換性を保証するPlaysForSureプログラムを開始した。Appleが「iTunes Store/iTunes/iPod」という1つの組み合わせしか提供していないのに対し、PlaysForSureでは複数の組み合わせの中からユーザーが自由に選択できることができる。それが最高のユーザビリティを与えるものとして強調、Appleに対抗しようとしたのである。

複数のハードとサービスの組み合わせが可能

PlaysForSureプログラムでMicrosoftに認定されるとた。認定が得られたPDや音楽配信はPlaysForSureのロゴが使用できる。Appleの場合、「iPod/iTunes/iTunes Store(iTS)」という1つの組み合わせしか選択できない。MicrosoftのWM DRMに対応したPDや音楽配信は多くの企業が提供している。ユーザーは複数の組み合わせの中からより自分にあったものの組み合わせを選択できるという利便性があることをアッピール、Appleに対抗する戦略を前面に打ち出した。PlaysForSureには、東芝、Samsung、Creative、Napster、Yahoo!、MTVなどの数多くの企業が賛同、各社から発売されたPDにPlaysForSureのロゴがつけられた。

期待されたサブスクリプション方式

Microsoftは、PlaysForSureプログラムと同時にWM DRM 10をリリースした。WM DRM 10はPDへの転送を可能とするサブスクリプション方式の音楽配信サービスが可能であり、Appleにはないものであった。従ってNapsterやRhapsodyが採用し、Napster To GoやRhapsody To Goなどの会員期間中無制限のダウンロードとPDへの転送が可能なサービスを展開した。しかし、一定程度の会員獲得を実現したものの、Appleの従量課金によるダウンロード販売による売上げ金額との差は開く一方であった。また、Apple同様の従量課金制の配信サービスは、大きく水を明けられたままの状況が続いた。

一方でサービスとソフトの統合も進める

Microsoftは2004年10月から2006年前半にかけて、幅広い企業との間でPlaysForSureプログラムを推進してきた。しかし、その成果は現実のものとはならず、ますますAppleに引き離されていった。この間、Microsoftは、PlaysForSureの限界に気付いたものと思われる。AppleのiTSは音楽管理ソフトiTunesに組み込まれたサービスであり、iTunesは音楽CDや音楽配信から入手した音楽や映像を管理し、AV機器にストリーミングできるほか、iPodにスムーズに転送することができる。これらの動作がシームレスに行えるのは、「サービス/ソフト/ハード」が統合されていることが最大の理由である。しかし、ソフトウェア開発企業であるMicrosoftは、ハードの分野に進出するわけには行かない。そこでMicrosoftは、まず特定企業のサービスと自社のソフトを統合する道を選ぼうとした。

WMP 11に組み込まれたURGE

urge-logo

URGE Logo

2006年5月、MTV NetworksはMicrosoftのWMP 11β版のリリースと同時に音楽配信サービスURGE(アージュ)を開始した。URGEはiTSと同じ200万曲を用意、サブスクリプション方式と1曲ごとのダウンロードも可能なサービスであった。URGE用のプラグインソフトを追加するとWMP 11にURGEが統合され、WMP 11の一部であるかのようにURGEを利用することができた。MicrosoftはMTV Networksと提携することで「サービス/ソフト」の統合を図ろうとしたのである。
しかし、MicrosoftはMTV Networksとの提携を進めながら、その一歩先にいく選択も行なっていた。MTV Networksとは「サービス/ソフト」の統合であったが、Apple同様の「サービス/ソフト/ハード」を全て自社で統合しようとしていたのであった。Microsoftが自社でPDを発売するのではないかという噂は以前からあったが、URGE開始2カ月後の7月にはZune発売を正式に認めたのである。

自らがサービスとソフトとハードを統合

AppleのiTunes StoreはiPodに最適化されたサービスであり、それを可能にしているのがiTunesというソフトウェアである。従って、Appleに正面から対抗するには自らがAppleと同様の仕組みを提供せざるを得ない。その決心を固めたMicrosoftは、自らZuneというPDを2006年11月に発売し、同時にZune向けの音楽配信サービスZune Marketplaceをスタートさせた。

PlaysForSureを自ら放棄

ZuneとZune MarketplaceはPlayeForeSureには対応しておらず、WM DRM対応の音楽配信からダウンロードした楽曲は利用できない。Zune MarketplaceへはZune用に開発されたZuneソフトウェアからのみアクセス可能であり、ダウンロードした楽曲はZuneでしか聴くことはできない。Appleの「iTunes Store/iTunes/iPod」という単一の組み合わせ同様、「Zune Marketplace/Zuneソフトウェア/Zune」という単一の組み合わせをユーザーに提供するものである。このことはAppleの取組みが正しかったことをMicrosoft自身が認めたことになり、自らPlaysForeSureを放棄したことを意味している。

Zune

2006年11月に米国発売されたZuneは、2008年5月の段階で累計で200万台販売されたとされている。しかし、同期間のiPodの販売台数は6,300万台であり、米国だけでなく全世界の数字だということを割り引いてもZuneが到底及びつかないほどの差であることは明らかである。Zuneはその後も新製品が発売されたが、端末の主戦場はスマートフォンに移っており、Zuneは今では忘れ去られた存在になっている。

zune2008

2008年に発売されたZuneの新製品

 

⇒(3)主要配信サービス 1)CONNECT

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