1)配信方式とDRM

広告
広告respo

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

AppleのiTunes Music Store(現在はiTunes Store)と競合した音楽配信サービスは、DRMが必須とされた時期にはそのほとんどがMicrosoftのWindows Medis DRM(WM DRM)を採用していた。従ってMicrosoftは、Appleに対抗する勢力を後ろからバックアップする立場であった。しかし、Appleに対抗しうる勢力がなかなか育たない中、MicrosoftはAppleの前面に立ち、自らがPortable Device(PD)を発売するところまで踏み込むこととなった。

WM DRM 9

DRM

DRMのイメージ

当初はライセンス料が無料

Microsoftはコンテンツの作成から配信、再生まで、すべて自社の技術で統合されたデジタルコンテンツ配信システムWindows Media Technologies(WMT)をApple以外のほとんどの音楽配信サービスに提供してきた。多くの音楽配信サービスがWMTを採用した理由は二つある。一つは、再生用のプレーヤーソフトのWindows Media Player(WMP)が広範に普及していたことである。もう一つの理由は、DRM自体のライセンス料を徴収しなかったことにある。WMTサーバーソフトはMicrosoftの主力サーバーソフトに標準で添付しており、追加のライセンス料は発生しなかった。また、WMTクライアントソフトも同社のWebサイトから無料で配布されていた。WMPもWebサイトで無償配布されているほか、WindowsXPには最初からバンドルされているなど、WMTのコンポーネントのほとんどは無償で利用できたのであった。ただ、WM DRM 10で可能となったPotable Device(PD)の機能を搭載する場合は、搭載台数に応じたライセンス料が必要であった。

pressplayに採用されたWM DRM 7

米国の音楽配信黎明期は、5大メジャーが二つのグループに分かれて主導権争いを行なったが、MicrosoftのDRMはUMGの親会社とSMEが提携したpressplayで採用された。当時はSonyのATRAC形式をWMTがサポートしており、Sony方式での音楽配信も可能となっていた。
pressplayの配信プラットフォームを使用した音楽配信サービスは、2001年12月からスタートした。サブスクリプション方式を採用したもので、月額会費に応じてダウンロード数が決められていた。開始当初はPDへの転送を認めておらず、パソコンで聴くことを強制する使い勝手の悪いサービスであった。PD転送を認めなかったのは、当時のMicrosoftのDRMは2001年9月にリリースされたWM DRM 7であり、PD転送後の楽曲の管理はできないものであった。PDへの転送を許した場合、その後は自由にコピーが可能となってしまったのである。
その後、PDへの転送制限を緩める改定を行なったが、制限そのものは残っていた。また、ダウンロード曲数の増加オプションなども導入したが、大きな成果を得るまでには至らなかった。

PD転送後の楽曲が管理できるWM DRM 9

Microsoftは2003年1月、PDをサポートしたWM DRM 9をリリースした。しかし、当時のpressplayは崩壊状態にあり、新バージョンに対応したサービスを展開できる状況ではなかった。そこに出現したのが、AppleのiTunes Music Store(iTMS)であった。AppleはiTMS開設に当たり、iPodに転送した楽曲の管理が可能な独自DRMであるFairplayを用意していた。iTMSは、従量課金制のダウンロード販売のサービスであった。更に、iTMSからダウンロードした楽曲は無制限にiPodへ転送でき、それまでのpressplayやMusicNetのサービスとは大きく異なっていた。従って、この後に登場する音楽配信サービスは、ほとんどがiTMS同様の従量課金制のダウンロード販売であった。そしてそれらのサービスが採用したDRMは、WM DRM 9であったことは言うまでもない。

WM DRM 10

2003年から2004年にかけて、様々な音楽配信サービスが生まれた。そしてそれらのほとんどは、RealOne Rhapsodyなどの一部を除いて従量課金制のダウンロードサービスであった。採用したDRMは、全てがMicrosoftのWM DRMであった。この当時のWM DRMのシェアは、サービス数においては約80%弱と圧倒していた。しかし、ダウンロード数においてはApple1社で80%程度を占めていたと言われている。

PDへの転送可能なサブスクリプション方式

WM DRM 9において転送した楽曲の管理は可能となったが、それは他のPDへの転送を禁止する程度の管理であり、サブスクリプション方式には対応していなかった。また、それはAppleのFairplayも同じであることから、Appleの対抗勢力は、ダウンロードした楽曲をPDに転送可能なサブスクリプション方式でiTMSに対抗しようとした。Microsoftがその要請に応えて開発したのが、2004年10月にリリースしたWM DRM 10であった。

DRMと配信方式
 DRM PD転送後の楽曲管理
 サブスクリプション方式 従量課金方式
WM DRM 7(2000年7月リリース) × ×
WM DRM 9(2003年1月リリース)
-AppleのFairplayとほぼ同一機能-
×
WM DRM 10(2004年10月リリース)

WM DRM 10の特徴を単純化すると、PDに時計を載せたことになる。会員期間中か否かを確認するため一定期間が過ぎた楽曲についてはパソコンへの接続を要求し 、確認が取れれば聴ける期間を延長することになる。WM DRM 10を採用して会員期間中は無制限にダウンロードしてPDに転送できるサービスを展開したのは、NapsterとRhapsodyであった。NapsterのNapster To Goは2005年2月、RhapsodyのRhapsody To Goは同年4月にサービスを開始した。

⇒PlaysForSureの放棄

広告
広告336
広告336

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする