2)pressplayとMusicNet

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iPod G1

メジャーがサービスを立ち上げる直前に発売されたAppleのiPod

pressplayに対抗してMusicNet設立

2000年に一斉にスタートした5大メジャーの音楽配信だが、そのダウンロード数は業界関係者だけがダウンロードしているとしか思えないような惨めな状態が続いた。そこで5大メジャーは、今度は共同で音楽配信を行うという試みを開始した。

Pressplayは音楽配信プラットフォーム

pressplayは、フランスのメディア企業でUMGを傘下に置くVivendi Universalと、米SMEが共同で音楽事業を展開するために設立した企業。2001年2月の発表時点ではDuetとされていたが、社名で既に他社を排除することを表明したものであり、すぐにpressplayに改められた。
pressplayは音楽配信のプラットフォームを提供する企業であり、自身が音楽配信サービスを事業として行なうわけではない。音楽配信サービスを提供しようという企業に対して配信の仕組みを提供しようというものである。pressplayのプラットフォーム採用に名乗りをあげたサービス提供者は、Yahoo!とMSN Music、MP3.com、Roxioの4者であった。Roxioは破産したNapsterの資産を購入して参入してきた企業。
pressplayはMicrosoftと提携、音楽配信システムとしてWMT(Windows Media Technologies)を採用した。当時のWNTはソニーのAtrac3もサポートしており、pressplayに参加したSMEのニーズにも応えたものであった。サービス開始はMP3.com以外が 2001年12月、 MP3.comも1カ月遅れの2002年1月にはサービスを開始した。

メジャー3社とRealNetworksが提携したMusicNet

MusicNetは2001年4月、pressplayの後を追って米AOL Time Warner、独Bertelsmann、英EMI Groupのメジャー3社の親会社と、米RealNetworks社の4社で設立された。資本金はRealNetworksが40%、残りの3社が20%ずつ保有する。経営権は何処にも属さず、独立した企業として運営される。MusicNetはRealNetworksの技術をベースにした音楽配信プラットフォームを構築、それを音楽配信サービスを行なう企業にライセンス供与する。MusicNetに参加表明したサービスは、RealNetworksのRealOne MusicとMusicNet on AOLの2サービスであった。RealOne Musicは計画通り2001年12月にサービス開始したが、AOLのサービスは2002年1月にAOL Presents MusicNet 1.0 β版としてスタートした。MusicNet on AOLのサービスは、2003年2月にスタートした。

MusicNet系3社はPressplayにも楽曲提供

MusicNetは当面はグループ内のメジャーレーベル3社の楽曲ライセンスを受けるが、pressplay側のUMGやSMEの楽曲の提供を受けることも目指していた。しかし、pressplay側の2社からの楽曲提供は、MusicNet側の3社すべてがpressplayに楽曲提供することを明らかにした後であった。2001年10月、まずEMIがpressplayにも楽曲を提供することを表明。2002年10月にBMG、翌11月にWMGが続き、その後にpressplay側の2社からのMusicNetへの楽曲提供が表明された。つまり、pressplayとMusicNetが5大メジャー全ての楽曲を集めたサービスとなったのは、両者のサービスがスタートして約1年後のことであった。

■楽曲の相互提供開始時期

陣営

メジャー

年月

動向

MusicNet EMI

‘01/10

サービス開始直前にpressplayへの楽曲提供開始
BMG

‘02/10

サービス開始の10カ月後、pressplayへの楽曲提供開始
WMG

‘02/11

BMGに続いてpressplayに楽曲提供開始
pressplay UMG/SME

‘02/11

WMGの発表を受けて2社同時にMusicNetへの楽曲提供開始

pressplayとMusicNetのサービス

所有権を維持したままのサブスクリプション方式

両者が提供した音楽配信サービスは、サブスクリプション方式と呼ばれるものであった。サブスクリプション方式とは定期購読制やレンタル方式と訳されているもので、 会員期間はコースに応じたサービスを受けられるが、会員で無くなるとすべてが利用できなくなるサービス形態である。楽曲をダウンロードできるコースの場合、会員でなくなるとダウンロードした楽曲がすべて聴けなくなる。下の表は、pressplayの開始当初のサービスメニューである。

 Pressplayのサービス
コース  サービス内容 会費
 パソコン  ストリーミング  ダウンロード CD焼付  PD転送
ベーシック 1  300曲  30曲  ×  × $9.95
シルバー 1  500曲  50曲 10曲  ×  $14.95
 ゴールド 1  750曲  75曲 15曲 ×  $19.95
プラチナ 1  1,000曲 100曲  20曲 ×  $24.95

pressplayとMusicNetがサブスクリプション方式を採用したのは、楽曲の所有権を維持しておきたいというメジャーの意向をストレートに反映させたからである。サブスクリプション方式に対立するサービスは、従量課金制である。利用した楽曲数に応じて課金が発生する仕組みであるが、ダウンロードした楽曲はユーザーの手元に永久的に残ることになる。

CD焼付とPD転送に厳しい制限

pressplayの開始当初のサービスメニューで特徴的なのは、CDへの焼付曲数に厳しい制限を設けていることと、PD(portable Dvice)への転送を一切認めていないことである。CD焼付の場合は、音楽CD自体が無制限に複製可能であることから、一定の範囲内で認めていた。しかし、PDへの転送を一切認めなかったのは、当時のDRMではPDへの転送曲数は管理できたが、転送した後は何の管理も行なえなかったからである。pressplayはWM DRMを採用していたが、WM DRMがPDをサポートしたのは2003年1月にリリースしたWM DRM 9からであった。

サービスメニュー改定

pressplayやMusicNetの音楽配信サービスは、開始当初から不評であった。その為、pressplayは2002年8月にはサービスメニューの改定を行なった。その内容は下記の通り。

コース サービス内容 会費/月
パソコン ストリーミング ダウンロード CD焼付 PD転送
Unlimited 2 無制限 × × $9.95
Unlimited Plus 2 無制限 合計10曲 $17.95
Annual Plus 2 無制限 合計120曲 $179.4/年

3コース用意したが、すべてのコースでストリーミングとダウンロードが無制限となった。しかし、相変わらずPDへの転送制限は厳しいものがあり、従来のCD焼付回数以内にPD転送回数も収めようとしたものであった。したがってユーザーの不評を抑えるものならないことは明らかであり、別途追加料金を取るオプションを用意した。

コース サービス内容 会費/月
CD焼付 PD転送
5曲追加 合計5曲 $5.95
10曲追加 合計10曲 $9.95
20曲追加 合計20曲 $18.95

オプションを利用すると1曲当たり1ドル前後でダウンロードが可能となる。しかし、本来のサービスである3コースのいずれかの会員でなければならず、一番安いUnlimited会員の場合でも別途9.95ドル必要となる。月間料金が合計15.9ドルでダウンロード可能曲数が5曲であることから、1曲当たりは3ドルを超すことになる。この改定により、pressplayの会員が急増する結果とならなかったのは明らかである。

⇒3)メジャーの本業回帰

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