1)デジタルハブ構想

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Macをデジタルハブに

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Digital Hub

Appleはデジタル機器メーカーとなることを宣言

Appleは2001年1月9日、サンフランシスコで開催したMacWorld Conference and Expoの基調講演において「Macをデジタルハブとした新しいデジタルライフスタイルの提案」を行った。デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、携帯電話、MP3プレーヤーなど、様々なデジタル機器の中心にAppleのMacを据え置き、デジタルデータをより手軽に扱えるソフトウェアを開発・提供するほか、自らが使い勝手の良いデジタル機器を開発するというものである。

Appleの姿を明確にしたSteve Jobs

基調講演においてCEOのジョブス氏は、「デジタルハブを使った新しいライフスタイル、デジタルライフスタイルを提案する場合、ハードを提供するだけでもダメだし、ソフトを提供するだけでもダメだ。ハードとそれにマッチしたOS、そのOSにマッチしたアプリケーション、そのアプリケーションの威力を世界規模に広げるインターネットへの接続性、そして、その新しいライフスタイルを世に訴えかけるマーケティング力、これらすべてが備わって初めて新ライフスタイルの提案ができる」と発言している。

Macをデジタルハブとする初期の構想

「デジタルハブ構想」に基づく最初の製品は、2001年11月に発売したiPodである。AppleはデジタルコンテンツをiTunesというソフトウェアを介してiPodとシンクロ(同期)させる仕組みを作り上げ、その中心にMacが位置していた。iPodは当初はMac専用の携帯デジタルプレーヤーであり、Windowsに対応したのは音楽配信サービスiTunes Music Store開設後の2003年5月であった。

iTunesが全ての出発点

2001年1月、iTunesがリリースされる

AppleがiPodを発売したのは、2001年の11月であった。1インチの小型HDDを搭載した携帯デジタルプレーヤーであり、一般にはMP3プレーヤーと呼ばれていた。MP3プレーヤーの最初の製品は、1998年に韓国SEAHAN社が米国で発売したmpmanと言われている。その後、1998年11月に米国Diamond Multimedia社がRio PMP300を発売すると、米レコード協会(RIAA)は販売差し止めの提訴を行なった。最終的には差し止め請求は棄却され、Diamond Multimedia社が勝訴する結果となった。

iPodはデジタルハブ構想から生まれた

その後、数多くの企業が携帯デジタルプレーヤーに進出したが、AppleのiPodはそれらの製品とは明確に異なっている。Appleは2001年1月に開催したMacWorld Conference and Expoで「 デジタルハブ構想」を発表しており、その中核に位置するMacに搭載するソフトウェアiTunesのリリースを行なっている。
iPodは「デジタルハブ構想」から生み出された第一弾となる製品であったが、そのアイデアは2001年1月には既に具体化しつつあったと言うことができる。

メジャーレーベルの要請で開発したFairPlay

AppleはiPod発売と同時に音楽配信サービスを提供することを計画しており、メジャーレーベルに対して働きかけを行なっていたとされている。iPodを発売した2001年11月は、メジャーレーベルがplassplayとMusicNetに分かれて自らのイニシアティブによる音楽配信サービスを展開しようとしていた時期であり、Appleの提案を受け入れられる状況ではなかった。
Appleがメジャーレーベルに提案していた音楽配信サービスは、音楽をiPodに入れて外に持ち出すこと、すなわちPDへの転送を前提とした音楽のダウンロード販売であった。しかし、当時のDRMはPDに転送するところまでは管理できるが、転送した後のPDまではサポートしていなかった。メジャーレーベルはAppleにiPodがDRMをサポートすることを必須条件としたことから、Appleは独自のDRMであるFairPlayの開発に勢力をつぎ込まざるを得なかった。

WM DRM 9

Appleは2003年4月にiTunes Music Store(iTMS)を米国で開設したが、メジャーがAppleの提案を受け入れてiTMS開設を認めた背景には、MicrosoftのDRMのバージョンアップが有る。それまでのWM DRMは携帯端末をサポートしていなかったが、2003年1月にリリースされたWM DRM 9からは携帯端末をサポートしていた。これにより、メジャー主導で音楽配信を行う必要が大きく薄れることとなった。

WM DRM 7はパソコン内のみ管理

Microsoftは2003年1月、携帯端末やCD-Rに転送や焼付した楽曲をコントロール可能にしたWM DRM 9をリリースした。それまでのWM DRM 7では、パソコンから携帯端末への転送回数やCD-Rへの焼付け回数は設定できたが、転送や焼付けされた楽曲はDRMの保護下にないデジタル音楽であった。したがって、メジャーは配信プラットフォームを自らが提供することでDRMの保護下にないデジタル音楽の普及を抑えようとしていた。
MusicNetはRealNetworksのRealSystem iQをベースにして構築された配信プラットフォームで、DRMもRealNetworksが開発していたが、WM DRM同様、パソコンの外にある機器にまでは対応していなかった。

PD転送を制限する根拠がなくなった

MicrosoftのWM DRM 9でパソコン外の機器までコントロールできるようになったことから、パソコン以外の機器に楽曲を転送することを禁止、もしくは制限する根拠はなくなった。したがって携帯端末に自由に転送できる音楽配信がにわかにクローズアップされることになった。メジャーが音楽配信事業を自ら推進することをあきらめて本業に回帰する機運が強まる中、携帯端末へのセキュアな転送が可能なDRMの出現がメジャーに音楽配信を第3者に委ねる方針に転換させた。Appleの参入は、WM DRM 9リリース3カ月後の2003年4月であった。

⇒2)iTMSのスタート 

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