4)コンテンツの充実

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Appleとメジャーの抗争

Appleは2007年5月、他の音楽配信サービスに先駆けてDRMフリーの音楽配信をスタートさせた。しかし、楽曲提供に応じたのはEMIのみであり、他のメジャーレーベルは2009年まで応じなかった。この背景には、メジャーレーベルとAppleの間に一律価格についての対立が存在していた。

AppleがEMIの楽曲でDRMフリー開始

AppleのCEO Steve Jobs氏は2007年2月、「AppleがDRMを採用しているのは、世界のメジャーレコード会社にiTSに参加してもらう上で必要な条件であった」とした上で、レコード各社にDRMを放棄するよう呼びかけた。この呼びかけに早速応じたのがEMIであった。EMIはかねてから音楽配信サービスへの楽曲提供に積極的であった。CDからのリッピングが自由に可能な状況下で、DRMフリーの楽曲を配信することのデメリットとメリットを秤にかけた上で、メリット=ダウンロード数の更なる増加を期待したものである。iTSのDRMフリーの配信は、iTunes Plusというサービス名称で2007年5月31日に全世界でスタートした。

Apple以外にはメジャー全社が楽曲提供

2007年9月、AmazonはDRMフリーの音楽配信Amazon MP3を開始した。以前から音楽配信進出が噂されていたAmazonだが、iTS開始後4年間も具体化することはなかった。それがiTunes Plus開始4カ月後にDRMフリーでようやく音楽配信に参入してきた。それもEMIだけでなく、4大メジャーすべてを取り揃えていた。
その後2008年に入ってNapsterやRealNetworksのRhapsodyもDRMフリーの音楽配信をスタートさせたが、4大メジャーはそれらにも楽曲の提供を行った。しかし、Appleに楽曲を提供しているのは依然としてEMIのみ、という状況に変化はなかった。

メジャーはiTSの一律価格が不満

4大メジャーはiTSでの一律価格制に大きな不満を持っていた。したがって、Appleとの2年契約が終了する2006年6月以降、4大メジャーはAppleに対して一律価格制を廃止することを強く求めていた。また、UMGはMicrosoftからPDのZuneの販売に対してライセンス料(Zune税と呼ばれていた)を取る契約を結んだが、同じものをAppleに支払うよう強く要求していた。しかし、Appleの同意を得られることはなく、4大メジャーは様々な圧力をかけることでAppleに翻意を促すこととなった。その最大のものがDRMフリー楽曲を提供しないというサボタージュ策であった

相互に折れ合う形で交渉成立

Appleは2009年1月6日(米国時間)、サンフランシスコで開催中のMacworld Conference & Expo 2009でiTSから配信する楽曲をすべてDRMフリーとすることを発表、即日実行に移された。また、4月からはこれまでの一律価格が廃止され、楽曲によって69セント、99セント、1.29ドルの3段階の価格体系とすることも発表された。Appleがメジャーの主張を受け入れることでiTS開始以来続いていた対立点を解消、全曲DRMフリー化が実現したものである。
一律価格制の廃止は、米国では2009年4月8日(米国時間)に実行された。尚、日本では2005年8月のiTMS日本上陸時に一律価格制が争点となっており、当初から一律価格制は採用していない。また、DRMフリーについては、2012年2月までEMIミュージックジャパンの楽曲のみで展開されていた。

drmfree

Macworld Conference & Expo 2009

映像コンテンツの拡充

TV番組の充実

2005年10月にスタートさせたの動画配信は、中心となっているコンテンツはミュージックビデオであった。それ以外はWalt Disney傘下のABCのTV番組と、同じくWalt Disney傘下のPixarのショートフィルムのみであった。AppleのCEOであるSteve JobsはWalt Disneyの取締役を兼ねており、その伝で何とか形をつけたものの、Appleにとっては不本意なスタートであったことは間違いない。
その後NBCが加わったが、2007年には取引条件が折り合わずNBCのTV番組の配信は中止せざるを得なくなった。ようやく米国の4大テレビが出揃ったのは、2008年10月のことである。CBS/Fox/ABC/NBCの4大テレビネットワークが放映中の人気TV番組をそろえ、HD画質での提供を開始した。iTSではこの時点で70チャンネル以上、3万エピソードを超える番組を提供していた。価格はSD(標準画質)映像で1話につき1.99ドル、4大ネットワークのHD映像はSD映像より1ドル高い2.99ドルとなっている。

劇場用映画の充実

TV番組と共に重要なコンテンツとなるのは劇場用映画である。2006年9月に劇場用映画の配信を開始したが、これもWalt Disney系のスタジオの作品だけであった。ハリウッドのメジャースタジオの作品をすべて取り揃えたのは、2008年1月になってからである。劇場用映画をレンタルするiTunes Movie Rentalsをスタートさせた。
iTunes Movie Rentalsでは、20世紀Fox、Walt Disney、Warner Bros.、Paramount Pictures、Universal Studios、Sony Pictures、MGM、Lions Gate、New Line Cinema各社の新作が3.99ドル、旧作が2.99ドル(HD画質の場合はプラス1ドル)で最長30日間レンタルされる。但し、視聴を始めた場合は24時間以内に視聴を終了する必要がある。24時間以内であれば何度でも繰り返し視聴できる。

⇒2.Apple対抗サービス (1)RhapsodyとNapster 1)Rhapsody

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