1)KDDIが着うたでリード

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着メロが大ブレーク

着メロのみが市場拡大

レコード各社が始めたパソコン向け配信、ダウンロード数はそこそこだったがコスト負担に汲々としていたKIOSK配信、大手企業が鳴り物入りで参入していたPHS配信など、全てが期待通りの成果を上げることができなかった。しかし、そのような中で唯一、市場が急拡大していたのが着メロであった。

2000年に250億円であった着メロの市場は、2001年には約3倍の740億円、2002年には前年30%増の960億円に達していた。既に言及したとおり、各社が様々な期待を持って音楽配信事業に乗り出した時期と丁度重なっている。

着メロはレコード会社の許諾不要

着メロは楽曲のさわりの部分のメロディを携帯電話の着信音とするもので、当時のデータ容量は10kB程度でしかなかった。PDC方式の9.6bpsのスピードでも10秒程度でダウンロードできることから、通信費の負担も大きくはない。また、音源は素人でも作ることが可能であり、レコード会社の許諾も必要ない。
しかし、着メロのベースとなっているのは、CDとして発売されてヒットした楽曲がほとんどである。CD化された音源を使用していないことからレコード会社には一銭も入らないが、ヒットさせたことに対する対価がまったくないことは、レコード会社にしてみれば気に入らないことこの上もない。

レーベルモバイルで着メロ参入

2001年6月、SMEとエイベックス、ビクターの3社が出資してレーベルモバイルを設立した。翌月には東芝EMIとユニバーサルミュージックも出資に加わった。当初は、有力アーティストの新曲がどこよりも早く手に入れられるなど、レコード会社直営を前面に出して着メロを手がけていたが、他の着メロ事業者との決定的な差別化までには至らなかった。

CD音源を一部利用した着うた

レコード会社の許諾が必要な着うた

そこでレコード会社が採った方法は、CD音源をそのまま着メロとして利用させようというものであった。この方法であれば、レコード会社以外が自由に配信することはできなくなる。CD音源を使用する場合はレコード会社の許諾が必要となり、原盤使用料も発生する。2002年12月、レーベルモバイルはKDDIと提携してCD音源の一部を着メロとして利用する着うたのサービスを開始した。

いち早く取り組んだKDDI

着うたのサービスが可能となったのは、KDDIがいち早く3Gのサービスに取り組んでいたからであった。KDDIは2002年4月に3GサービスCDMA 1Xをスタートさせ、契約者増の切り札にしようと模索していた。そこに飛び込んできたのがレーベルモバイルの着うたというアイデアであった。

日立A5303H

初めて着うたに対応した日立A5303H

NTTドコモのトラウマ

3Gへの取組はNTTドコモのほうが早く、正式サービスのスタートは2001年10月であった。NTTドコモはFOMAというサービス名で展開していたが、その回線スピードは384kbps(下り)であり、KDDIの144kbps(同)より2.7倍早かった。その分、ダウンロード時間もKDDIより少ない時間しかかからなかった。しかし、NTTドコモはレーベルモバイルの誘いに乗ることはなかった。その理由は不明だが、2001年に華々しくスタートさせたPHS音楽配信が大失敗に終わったことがトラウマになっていたことは間違いないだろう。NTTドコモのPHS音楽配信M-Stage musicは開始当初から破綻していたが、サービスを正式に終了させたのはKDDIが着うたを開始した翌年の2003年9月であった。

■KDDIとNTTドコモの回線比較

キャリア  回線方式 回線速度(下り) ダウンロード時間 (500KB)
KDDI CDMA 1X 144kbps 約30秒
NTTドコモ FOMA(W-CDMA) 384kbps 約10秒

著作権法上、レコード会社が保有する権利は著作隣接権であり、レコード会社が録音した音楽CDは対象となるが、メロディを別に作成した場合はそれを作成したところが著作隣接権を所有することになる。「着メロ」と「着うた」を比較したのが下の表である。

■著作隣接権/著作権と着メロ

  音源 著作隣接権 著作権
着メロ MIDIなどで新たに作成 着メロの音源製作者 作詞家、作曲家
着うた 音楽CDから一部を切り取り レコード会社、歌手、実演家

着うたで3者がWIN-WINに

レーベルモバイルなどのプロバイダーは、KDDIの提供するEZwebのネットワークを利用してKDDIの携帯電話端末でダウンロードする。コンテンツの利用料は通話料と共にKDDIが回収、KDDIは課金手数料を差し引いてプロバイダーに支払う。KDDIは、その手数料とユーザーからのパケット通信料が収入となる。
また、着メロや着うたのサービスを提供することで自社の携帯電話契約の増加を見込むことができる。PHS音楽配信の場合は、多くの企業が収益を取り合う構図が鮮明であったが、着うたの場合はコンテンツホルダー、コンテンツプロバイダー、キャリアの3者が共にWIN-WINの関係となるビジネスモデルとなった。

ボーダフォンとNTTドコモもサービス開始

KDDIの「着うた」のダウンロード数は、開始4ヵ月後の2003年3月には400万ダウンロードとなった。1曲丸ごとの音楽配信ではないとはいえ、数万のレベルであった音楽配信が月間で100万に達するというのは、レコード会社にとっては初めての経験であった。
2003年12月にはボーダフォン(現在:ソフトバンク)、2004年2月にはNTTドコモも着うたサービスを開始した。NTTドコモは「着うた/着モーション」と名付けていた。圧縮方式は、KDDIやソフトバンクは当初はMP3であったが、後に3社ともにAACに変更した。

⇒iモードがガラケーの元凶

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