1)Sony主導の音楽配信

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世界初のbitmusic

自社のカタログを自社で配信

日本で、いや世界で初めて合法的な音楽配信を開始したのは、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)であった。当時、5大メジャー(現在は4大メジャー)も音楽配信サービスの立ち上げを画策していたが、日本のSMEは1999年12月に自社の音楽を配信するbitmusicを開設した。5大メジャーの音楽配信は最も早かった米SMEが2000年の4月であり、日本のほうが4カ月早かった。

network walkman

Network Walkman

SMEのbitmusicは、コンテンツホルダー自らが配信プラットフォームを構築し自社の配信サイトから有料配信するもので、音楽CDのようにCDの小売店を経由しないいわゆる中抜きのビジネスであった。日本ではこの方式での音楽配信が可能であったが、米国ではCDを販売する小売店の意向を無視できず、メジャーが展開した音楽配信は小売店となるプロバイダーサイトからの配信であった。また、bitmusicのようなモデルでは初期投資と運用コストに大きな資金が必要となることから、資金力のあるところでないと参入することはできない。事実、SMEと同様の音楽配信を展開したのは、当時急成長していたエイベックスだけであった。当時のDRMは発達しておらず、DRMはメモリーカードのメモリースティック用に開発されたものを利用していた。メモリースティックに楽曲を転送し、SonyのWALKMANで聴くことが可能であった。

SonyとMicrosoftのコラボレイト

圧縮方式はソニー独自のATRAC形式を採用したが、プレーヤーソフトはMicrosoftのWMP (Windows Media Player)を採用した。米SonyはMicrosoftと提携しており、MicrosoftがATRACをサポート、WMT(Windows Media Technologies)方式で構築されたものである。
しかし、2000年2月にはIBMが開発したEMMS(The Electronic Media Management System)方式も採用した。日本のSonyは1999年4月にIBMと提携しており、EMMS方式による音楽配信の構築を進めていた。Sony側の開発主体はソニーコミュニケーションネットワーク(SCN、現在はSo-net)が務め、後にLabel Gateの配信プラットフォームに受け継がれた。そのためSMEは、WMT方式と同時にレーベルゲートのEMMS方式もASP利用することとなった。

2002年に自社開発のシステムに全面移行

WMT方式の配信は、MicrosoftのATRACサポート終了と共に2002年6月に終了した。また、Sonyが新たな配信システムであるMAGIQLIPを実用化した段階で、EMMSの配信も終了させた。

■bitmusicが採用した配信システム

配信システム DRM  圧縮方式  概要
 WMT OpenMG ATRAC3 1999年12月のサービス開始時、2002年6月で終了
 EMMS OpenMG 2000年2月に追加、2002年8月で終了
 MAGIQLIP  OpenMG X 2002年8月にシステムを全面改訂、全てがソニーオリジナルに

Sony主導のLabel Gate

Sony主導でレーベルゲート設立

IBMのEMMS方式で音楽配信プラットフォームを構築したSCNは2000年5月、大手レコード会社の出資を受けてレーベルゲートを設立した。出資に応じたのはエイベックス、キングレコード、SME、徳間ジャパン、BMGファンハウス(現在はSMEに吸収された)、フォーライフ、ポニーキャニオンを中心とする10社。資本金は5,000万円でスタートした。
大手レコード会社では、コロムビアやビクター、テイチク、ユニバーサルミュージックなどが設立時には出資しなかったが、1年後には出資に応じている。また、東芝EMI(現:EMIミュージックジャパン)やワーナーミュージック、クラウンなどは出資に応じず、配信プラットフォームLabel Gateの利用も行わなかった。これらの企業は、レーベルゲートがSony主導の音楽配信であるとして及び腰になっていたものである。

当初の配信サービスはウォークマン向けのみ

事実、レーベルゲートが提供したのはATRAC方式の配信プラットフォームであり、パソコンでダウンロードした楽曲を転送できる携帯端末はSonyのウォークマンしかなかった。大手レコード会社の親会社は家電企業が多く、Sonyとはライバル関係にある。BMGファンハウスは日本ビクターの資本が入っていたが、当時は米BMGの100%出資となっていた。従って、設立当初から出資に応じたところでSony以外の家電系レコード会社は入っておらず、ビクターやテイチク、コロムビアは翌年資本参加した。ユニバーサルミュージックは、2001年に親会社のVivendi Universalが米SMEと提携してpressplayを運営していた。

Lable(レコード会社)に至るGate(門)

レーベルゲートはレコード各社に配信プラットフォームを提供、レコード会社は楽曲をホスティングし、自社の配信サイトから音楽配信を行う。また、レーベルゲートは各社の音楽配信サイトにユーザーを導くポータルサイトLabel Gateを開設した。Label Gateは「Lable(レコード会社)に至るGate(門)」という意味を込めていた。
レコード各社はエイベックスの@MUSICを皮切りに次々と音楽配信サイトを構築、Label Gateを利用したサービスを開始した。

■Label Gate参加レコード会社

レコード会社 配信サイト 備考 開始年月
 SME bitmusic 別途WMT(ATRAC)方式も独自構築・運用 2000/02
エイベックス @MUSIC 別途WMT(WMA)方式も独自構築・運用 2000/04
キングレコード K Music Arcstar MUSICでも配信 2000/07
徳間ジャパン em-colle! 2000/07
ポニーキャニオン can-d.com 2000/07
ビクター na@h! 2001/04
フォーライフ PARADISEMUSIC - 2001/04
ユニバーサルミュージック Music to U - 2001/12

⇒2)Sony対抗サービス

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