2)新サービスも低迷

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MOOCS

着うたフルが大躍進する中、インターネット音楽配信もそれなりに努力を続けていた。メモリーカードのSDカード向けの音楽配信であるMOOCSもその一つであった。MOOCSは、2005年10月31日にニフティがスタートさせたSDメモリーカード向けの音楽配信サービスである。

メモリーカードの標準となったSDカード

ニフティがMOOCSを開始した当時、携帯電話端末のカメラ搭載は標準となっており、ほとんどの端末がメモリーカードスロットを搭載していた。対応メモリーカードは、ソニー・エリクソンや一部の海外メーカーを除いて、SDメモリーカードで占められていた。SDメモリーカードにはSD-Audioという音声フォーマットが定められており、DRMにも対応している。そもそも、SDとはSecre Digitalの頭文字であり、1999年にSanDiskと松下電器(当時、現在はパナソニック)、東芝の3社が共同開発したものである。

ソフトは松下電器のSD-jukeboxがベース

SD-Audioの圧縮方式はMP3とAACに対応しているが、MOOCSはAACを採用した。パソコンでの再生には無償配布されるたMOOCS PLAYERを使用する。MOOCS PLAYERは松下電器のSD-Jukeboxをベースにしており、ダウンロードした楽曲をSD規格のメモリーカードに転送、SD-Audioに対応したPDで聴くことができる。SD-Audioに対応した携帯デジタルプレーヤーは、松下電器がD-snap Audioとして2005年春から積極的に販売していた。また、SD-Audioに対応した携帯電話は、松下電器やシャープ、NECなどが販売していた。

2006年3月にSDカード搭載端末は700万台

発表時にニフティは、2005年9月時点でAD-Audio対応の携帯電話は120万台あり、2006年3月には携帯デジタルプレーヤーを加えて700万台を突破する見込みであることを明らかにしていた。AppleのiTunes Music StoreはiPod向けの音楽配信であり、iPodの販売台数に比例してダウンロード数を拡大してきた。MOOCSにとっては、SDメモリーカードを搭載した携帯電話端末が大量にあることが最大の優位点であった。

ダウンロード数は伸びず、2008年2月末で終了

デジタルカメラや携帯電話へのSDカード搭載は標準となり、SDカードは予想通りに使用領域を拡大してきた。しかし、着うたフルのユーザーを取り込むことができず、SDカードを利用した松下電器のD-snap Audioの販売台数もジリ貧状況となり、MOOCSからのダウンロードは大きく伸びることはなかった。したがって、ニフティは2008年2月末で音楽配信サービスを終了させ、音楽情報サイトにリニューアルした。

mora win

mora win

mora win

Music Dropからmora winへ

mora winは、レーベルゲートが開設したWM DRMに対応した音楽配信サービス。2004年10月にMusicDropとしてMicrosoftのプレーヤーソフトWMP内でスタートしていたものを、2006年9月にWebブラウザ上のサービスとしてリニューアルした。同時に動画配信も開始し、WM DRM方式に対応した代表的な音楽配信サービスとなった。

SMEも楽曲提供

SMEはAppleのiTunes Music Storeを始めとして音楽配信サービスのほとんどに楽曲提供していないが、mora winには楽曲提供に応じている。レーベルゲートは2000年にSCN(現:So-Net)とレコード各社の共同出資で発足したが、2003年10月にはSMEの出資比率が66%になっており、mora win開設時は筆頭株主となっていた。レコード会社の立場からすると販売チャンネルは多いにこしたことはなく、レーベルゲートがSMEの子会社になった時点で決まっていた方針だと思われる。
また、レーベルゲートがWM DRMに対応したmora winを提供することでSonyはMicrosoftと提携することになるが、WM DRM対応の音楽配信サービスはAppleのiTunes Storeに対抗することにつながり、SonyとMicrosoftにとっては共通の利益にかなう行為である。

WMP常駐サービス”Type 1 Music Store”

レーベルゲートは2007年10月、Microsoftとの提携関係を更に強化させた。MicrosoftがリリースしたプレーヤーソフトWMP 11内に常駐するサービスとして、”Type 1 Music Store”を開設したのである。これはレーベルゲートが2004年10月にMusicDropとして開設したサービスと同じ形態であり、様々な組み合わせを優位性としてアッピールしたPlaysForSureを自らが放棄したものであった。米国では2006年5月にMTV NetworksのURGE(アージュ)と一体化させており、その日本版が”Type 1 Music Store”ということになる。

携帯電話との融合サービスに傾注

MOOCSやmora winなどのパソコン向けのインターネット音楽配信は、いずれもダウンロード数を伸ばすことはできなかった。したがって、着うたフルの興隆はその後も続き、日本の音楽配信の9割は携帯電話向けという状況が長く続くこととなった。
しかし、着うたフルの音質の低さに対する懸念は根強く残っており、携帯電話キャリアは携帯電話向けのインターネット音楽配信に取り組みだしていた。着うたをリードしていたKDDIはレーベルゲートとATRAC方式で提携しており、NTTドコモは出資したタワーレコードの子会社のナップスタージャパンと提携した。残されたソフトバンクは、レーベルゲートとWM DRM方式での提携を選択した。レーベルゲートは2008年5月、WM DRM方式の”mora win for S!ミュージックコネクト”をスタートさせた。
尚、ソフトバンクは2008年7月からAppleのiPhoneを取り扱っており、「S!ミュージックコネクト」のサービスは開始して1年を待たずに2009年3月末で終了させている。Appleの意向を勘案したことは確実と思われる(もしくはAppleとの契約に違反している?)。

⇒(3)PCとケータイの融合 1)KDDIのLISMO

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