SonyがXbox Musicに楽曲提供しない理由

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日本でのスタートが遅れていたMicrosoftのXbox Musicだが、ようやく20日に開始された。Xbox MusicはMicrosoft自身が提供する音楽配信サービスで、2012年10月に米国などの15カ国でスタートさせていた。その後、提供国は23カ国まで増加させたが、その中には日本は入っていなかった。11月28日に開始時期と楽曲提供レコード会社などを明確にしないまま、近日開始として発表していた。

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ハードとコンテンツの融合というまやかし

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日本版Xbox Music

日本ではダウンロード型のみ提供

日本版Xbox Musicは、Windows 8.1及びWindows RT 8.1を搭載したパソコン及びタブレット端末で利用できる音楽配信サービス。ダウンロード型のサービスであり、楽曲データはビットレート320kbpsのMP3ファイルでDRMフリーで配信される。価格は、1曲当たり150円から250円。海外ではダウンロード以外に無料のストリーミングによるラジオ型、有料のサブスクリプション型のサービスも提供しているが、日本版ではダウンロード型のみが提供される。

楽曲提供に応じたレコード9社

11月の発表時には不明だった提供レコード会社は、以下の9レコード会社。その中にはSonyの子会社であるSMEの名前は入っていない。

  • エイベックス・マーケティング株式会社
  • キングレコード株式会社
  • 株式会社テイチクエンタテインメント
  • 株式会社徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 日本コロムビア株式会社
  • ビクターエンタテインメント株式会社
  • 株式会社 フォーライフ ミュージックエンタテイメント
  • ユニバーサル ミュージック合同会社
  • 株式会社ワーナーミュージック・ジャパン

この中に入っていないSME以外の主なレコード会社は、ポニーキャニオンとクラウン、徳間ジャパンぐらいである。かつては5大メージャー系の国内子会社としてEMIミュージックジャパンとBMGジャパンがあったが、EMIミュージックジャパンはユニバーサルミュージックに、BMGジャパンはSMEに吸収合併されている。従って、5大メジャー時代で言えば3社が楽曲提供に応じて2社が応じていないということになる。

日本でもDRMフリー化

SMEが楽曲提供に応じていない理由が分からない。SMEはAppleの日本版iTSへの楽曲提供も行っていなかったが、2012年11月に方針転換して楽曲提供に応じている。iTSの日本進出時には配信ルール(CD焼付回数やPD転送回数など)が自社の方針と異なるとしていたが、moraは既に10月にDRMを捨ててDRMフリー化していた。自社の配信サービスにはDRMフリーで提供していながら、iTSに楽曲提供しないことはどう理屈をこねても筋が通らない。従って日本版iTSへの楽曲提供に応じたわけだが、日本版Xbox Musicへの提供拒否の理由がDRMフリーであるはずはない。

SMEが楽曲提供に応じない理由は一つもない。

SMEの立場から考えると、Xbox Musicに楽曲を提供しない理由は何一つ思い浮かばない。日本のSMEの音楽配信サービスも、当初はMicrosoftと技術的な提携関係にあった。また、SME傘下となったレーベルゲートは、WM DRM方式の音楽配信サービスであるmora winの提供を行っていた。そもそも、レコード会社としての異本的なスタンスからすると、楽曲の販売ルートは広ければ広いほど良いはずである。最初に述べたごとく、SMEが楽曲提供に応じない理由はどう考えても出てこない。

だとすると、理由は親会社のSonyか?

Xbox Musicに楽曲を提供しない理由は、SMEには一つもない。とすると、その理由は親会社のSonyにあるとしか考えられない。SMEは一時は株式を上場したこともあったが、親会社の意向に沿わない独立心を嫌うSonyが株を買い取って100%出資の子会社に戻した経緯がある。それを実施したのは2000年1月であるが、その直前の1999年12月にはSMEが日本初の音楽配信サービスbitmusicを開始している。これは偶然ではなく、明らかに音楽配信におけるイニシアティブをSMEから取り上げ、Sonyの元に取り込むことが子会社化の狙いであったのである。

ハードとコンテンツの融合・・・・の嘘

SonyにとってXbox Musicの何処が不満なのか、これも良く分からない。一つ思いつくのは、Xbox MusicをSonyのスマートフォンXperiaやAndroid搭載Walkmanでは利用できないことである。米国のXbox MusicはiOSやAndroid向けのアプリを用意しているが、日本版Xbox Musicは開始時点では用意していない。しかし、もしそれが理由だとすると、音楽ファンを軽んずる行為といわざるを得ない。Sonyの目指すハードとコンテンツの融合は、ハード会社の都合の良いようにコンテンツをもてあそぶことになる。コンテンツホルダーとしてのSonyの使命は、あらゆるハードでコンテンツを利用できるようにすることである。

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