Sony Music主導で始まったMusicDrop

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MusicDropは、MicrosoftのWM DRM向けに提供された音楽配信サービスである。提供したのは、それまでSonyのATRAC方式のみで音楽配信を行っていたレーベルゲートである。レーベルゲートはレコード会社によるレコード会社のための音楽配信プラットフォームとして発足した(とされていた)が、実質的にはSonyによるSonyのための音楽配信サービスであった。

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レーベルゲートの方針転換を促したiTunes Music Store

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レーベルゲートはSonyのための音楽配信プラットフォーム

レーベルゲートはSonyの子会社であるSCN(ソニーコミュニケーションネットワーク:現Sonet)がレコード各社に出資を呼びかけ、2000年4月に発足した会社である。レーベルゲートが構築したプラットフォームを利用し、当初は多くのレコード会社が自社ブランドの音楽配信サービスを運営してきた。しかし、用意された配信はATRAC方式のみしかなく、ダウンロードした楽曲はSonyのWalkmanにしか転送できなかった。従って、レーベルゲートのプラットフォームで配信サービスを提供するレコード会社がいた一方、MicrosoftのWM DRMに対応していたNTTコミュニケーションズの配信プラットフォームを利用するところもあった。

Apple対抗音楽配信サービス立ち上げが急務に

レコード各社は2000年から2001年にかけて次々に音楽配信サービスを立ち上げたが、そのいずれもまともなダウンロード実績を残すことはできなかった。従って、レーベルゲートもWM DRM方式に対応する余力はなく、またレコード各社もそれを強く要求するすることもなかった。そのような状況を大きく変える契機となったのは、2003年4月に米国でスタートしたAppleのiPod向け音楽配信サービスiTunes Music Store(iTMS)であった。iTMSはスタート当初からダウンロード数を伸ばし続け、音楽配信サービスがビジネスとなりうることをはっきりと証明したのであった。そのAppleが米国に次ぐ音楽市場である日本に進出してくるのは火を見るより明らかであり、レコード各社はその対応を強く迫られていた。

自社ブランドで展開していた日本の音楽配信

レコード会社はコンテンツホルダーであり、Appleはそのコンテンツを配信するプロバイダーである。その常識からすればAppleの日本上陸に「対抗」すると言うのはおかしく聞こえるかもしれないが、当時の日本の音楽配信はiTMSのようなミュージックストア型のではなく、レコード会社自身が自社のブランドで展開する音楽配信サービスであった。従って、それまでのサービスとiTMSのサービスは、並存することができない性格のものだったのである。ビジネスとしてどちらが正しいのかは、議論するまでもなく明らかであった。日本の音楽配信は泣かず飛ばずの状態が続いていたが、大きくダウンロード数の伸ばしたのはiTMSであった。日本の音楽配信サービスは、ミュージックストア型への転換が急務となったのである。

2004年10月にMusicDrop開始

2004年4月、それまでのレコード各社の独立した音楽配信サービスを一本化してミュージックストア型としたmoraがスタートした。ミュージックストア型となった以上、できるだけ多くのメディアに対応させるのは当たり前のこととなる。Appleの方式には参入できないが、携帯デジタルプレーヤーとしてiPodに次ぐ勢力であるWM DRM対応は当然の課題として浮かび上がってきた。そして、それを担ったのはSony方式を展開してきたレーベルゲートであった。Sony方式とともにWM DRM方式にも対応することとなったのである。レーベルゲートは2004年10月、Microsoftと提携してMusicDropのサービスを開始した。

レーベルゲートはSMEの支配下に

前述の通り、レーベルゲートはSCNとレコード各社の共同出資で発足したが、資本の大半はSCNが出資していた。しかし、2003年10月にはSCNからSony Musicに資本を移転し、Sony Musicの出資比率は66%にまで増大していた。言うまでもなくSonyMusicはレコード会社であり、自分の持つ楽曲をあらゆるメディアで提供するのが使命である。そこが支配権を持つレーベルゲートとなった以上、「レコード会社のために」対応メディアを広げることが使命の一つとなったのであった。

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