音楽CD生産が14年ぶりにプラスに

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音楽CDの生産実績は1998年をピークに減少を続けており、2011年は1998年の半分以下の金額にまで低下している。それが今年の場合、11月時点で昨年の数字を上回っていることが判明した。これは生産枚数のことではあるが、金額においても12月を入れれば前年を超えることが確実な状況となっている。

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返品がない音楽配信⇒販売ルート拡大が可能

生産実績であり販売実績とは異なっている

日本レコード協会(RIAJ)は、毎月加盟各社からの生産実績の報告を受けている。それを集計したものをプレスリリースしているが、詳細データはRIAJのHPに統計資料として掲載されている。これが日本の音楽市場の数字として活用されてきた。しかし、注意しなければならないのは、この数字は生産枚数であって販売枚数ではないという点である。生産したものの、小売店に出荷されないものの数字が含まれている。

riaj

RIAJ HP

音楽CDには返品が制度化されている

家電製品などの場合、メーカーから小売店に出荷した数字を集計することが一般的である。先日記事にしたJEITAの数字もその一つである。

JEITAの民生用電子機器統計

RIAJが出荷時席ではなく生産実績を集計しているのは、一般の製品ではみられない返品という制度がレコード産業には昔から存在していることが理由である。音楽CDは再販商品であり、再販売価格(仕入れた商品を客に売る際の価格)をメーカーが指定することが法的に認められている。つまり、小売店は仕入れすぎた商品を値引きして販売することができないことから、売れ残った商品をメーカーが引き取ることが常態化されてきた。つまり、一般の商品は出荷実績がメーカーの実質的な販売実績となるが、音楽CDの場合は返品分が反映していない数字となってしまうのである。

レコード業界のグロスを追及する体質

音楽CDが再販の対象となるかならないかについては、過去に公正取引委員会とのやり取りがあった。再販商品とはされたが、一定期間経過後は再販対象から外す時限再販の制度などが取り入れられた。返品受け入れについても昔より厳しくなっており、昔ほどのラフな商売は姿を消したものと思われる。しかし、出してみなければ売れるかどうかは分からない・・・・というレコード商売の本質は変わっておらず、返品を除外したネットよりも返品をある程度見込んだグロスを追求する体質は依然として残っている。

音楽配信では返品が発生しない

音楽配信の場合、小売店に複数の在庫をもたせる必要はない。また、CDショップのように全国の主要な町に配置する必要もない。音源は一度エンコードすればそれをコピーして使用できる。つまり、音楽CDでは必要悪であった返品がなくなるのである。音楽CDより利益率が高い商売が行えることになる。

SMEは楽曲の供給源に徹すべきだった

日本の音楽配信をリードしてきたのは、良くも悪くもSonyとその子会社であるSMEであった。SMEが行ってきたのは、これまで一貫して小売店を外す「中抜き」であった。SonyやSMEは、1999年から自前の「店舗=音楽配信プラットフォーム」を構築することに勢力を傾けてきた。また、自らの音源を第三者には提供せず、常に自らの支配下に置いてきたのである。このことが、日本の音楽配信をガラパゴス化してきた最大の原因であることは間違いない。音楽配信の発展を試みる第三者に、より多くのダウンロード数やサブスクリプションの会員数を増やすインセンティブを与えていたならば、日本の音楽配信は今とは違った発展をしてきたことと思われる。

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