SMEがiTSに楽曲提供・・遅い!

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SMEは11月7日、AppleのiTunes Store(iTS)への邦楽曲の提供を開始した。iTSの日本での開始は2005年8月であったことから、開始以来7年間も楽曲提供を拒否していたことになる。尚、洋楽については今年の2月から提供を行なっている。

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Sonyの音楽配信は日本のみ成功

Appleとの最大の争点は配信ルール

SMEがiTMSに楽曲を提供してこなかったのは、iTSの配信方法がSMEのポリシーにそぐわないとしていたからである。iTSが日本上陸する際に、レコード会社と争点になったのは2点あった。

⇒日本の音楽配信・iTMSの日本上陸

それはiTSのサービスの①一律価格と②配信ルールであった。Appleは、米国でiTSをスタートさせた当初はシングル1曲を一律0.99ドルで販売しており、日本でもそれを実現させようとした。しかし、日本のレコード会社から総反発され、Appleが撤回したといういきさつがあった。

②配信ルールは、Appleの主張とそれまでに国内で行なっていた配信サービスのルールに以下のような違いがあった。

Apple主張のルール:利用PC台数=5台 CD焼付回数=無制限 PD転送回数=無制限

moraなどのルール:利用PC台数=1台 CD焼付回数=不可    PD転送回数=3回まで

配信ルールについてはiTSのキモとも言うべき事項であり、Appleが引き下がることは決してなかった。したがって、SMEなどが楽曲提供に応じないまま、Appleが見切り発車したのが205年の8月であった。

自社のハードとサービスで囲い込む

この間、SMEはmoraや mora winなどの自社系のインターネット音楽配信や、SMEも出資している携帯電話向け音楽配信サービスを提供してきたレーベルモバイル(現在はレコチョク)などには楽曲提供に応じたが、その他のサービスに提供するすることはなかった。
Sonyは音楽や劇場用の映画などのコンテンツを所有するハードメーカーである。ハードとコンテンツの融合を標榜してきたが、それは実質的にユーザーを自社のハードとサービスに囲い込もうとするものであった。しかし、音楽の分野でそれが可能だったのは日本のみであり、世界的には2008年の段階で失敗に終わっている。

携帯電話向けからスマホ向けに

日本の音楽配信は、2008年まで携帯電話向けの着うたや着うたフルが全体の9割に」達していた。インターネット配信をmoraとiTSが分け合っていたとすれば、iTSのシェアは5%程度しかないことになる。それはmoraにも当てはまることだが、要は日本では着うたや着うたフルを売っていればそれで良し、という状況が続いていたのである。

スマホで環境が大きく変化

それが大きく変化することになったのは、携帯電話がスマホに転換したことによる。着うたや着うたフルは、ガラケーと呼ばれる日本の特異な携帯電話サービスの中で生まれた代表選手である。iモードなどのキャリアが構築した専用ネットワーク内のサービスであり、日本でしか広まらなかった仕組みであった。スマホはOS開発企業が配信サービスを提供しており、その分野にキャリアが入り込む余地は無くなったのである。

moraはスマホ向けのサービスに転換

これまで最大の音楽携帯プレーヤーであった携帯電話が大きく減少し、それに代わるスマホが大きく拡大したことは、音楽配信サービスの最大のターゲットがスマホになったということになる。そこで問題になるのは、スマホにおいてはワールドワイドのルールが標準となることである。レコードメーカーがスマホへのDRM搭載を求めても、米国を中心にDRMフリーの音楽配信が当たり前になっている以上、日本向けの端末のみにDRMを搭載するのには難色を示すのは当然であろう。すなわち、スマホ向けの音楽配信サービスは、当然のこととしてDRMフリーにならざるを得ない。moraが10月1日に再スタートさせたサービスは、DRMフリーの音楽配信であった。

居直るか、楽曲提供するか

10月1から11月6日までの状況は、自社の音楽配信にはDRMフリーの楽曲を配信しながら、AppleのiTSには依然として楽曲提供に応じていないというものである。このことは、iTS日本上陸のとき、もっともらしく「配信ルールが認められない」などと言っていたのがまやかしであり、本音は「自社所有の楽曲で他社にもうけさせる必要はない」ということがあからさまになったことを意味している。ここを突かれた場合、SMEができるのは「その通り」と居直るか、さもなくばiTSへの楽曲提供に応じるかの二者択一しか道は無かったのである。

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