かつて存在したCCCDは憲法違反のCDだった

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かつて、大手レコード会社はCCCDという製品を発売していた。CCCDは『Copy Control CD』の頭文字をとったもので、パソコンでリッピングできないようにした音楽CDのことである。これは最近のはやり言葉で言えば憲法に違反したCDであり、まともな考え方ならばでてこない商品である。音楽CDの規格はレッドブックという仕様書に明確に定められており、CCCDはそれから逸脱した各社各様の独自仕様であった。

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かつてCCCDに積極的だったレコード会社が今は聴き放題サービスの当事者として関与!?

cccd

CCCD Image

CD発売当初はデジタル化は想定できなかった

音楽CDはDVDなどに収められた映像と異なり、生のデジタルデータを取り出すことができる。これをリッピングというが、パソコンに標準で付いているソフトで誰もが自由に携帯プレーヤーなどにコピーできる。音楽CDの技術的仕様を定めたレッドブックはデジタルコピーを禁止しておらず、違法ダウンロードされた音源は全てが音楽CDそのものというのが実態であった。音楽CDが商品化されたのは1982年のことであるが、当時はパソコンの補助記憶装置はHDDではなかった。フロッピーディスク、それも5インチの時代であり、容量も1MB程度しかなかった。音楽データは5分の曲で約53MBであることから、1982年当時は音楽をデジタル化することは到底考えられなかった。

エイベックスやSMEが率先してCCCDを導入

デジタル音楽を目の当たりにすることができたのは、1998年のMP3プレーヤーの出現時であった。音楽をMP3というフォーマットで圧縮することにより、楽曲データの容量は元の10分の1程度・・・約5MBに縮小することが可能となっていた。1998年に発売されたRio PMP300というMP3プレーヤーは32MBの内蔵メモリーを持っており、5~7曲を収録することができた。2001年に発売されたiPodは5GBのHDDを搭載しており、約1,000曲の収録が可能であった。そして2002年3月、エイベックスが国内で最初にCCCDを発売した。翌2003年1月にはSMEがそれに続き、東芝EMI(当時)やビクターエンタテインメント(当時)、ワーナーミュージック・ジャパンなどが追従した。尚、BMGファンハウスは2002年7月にキンモクセイアルバムでCCCD導入予定だったが、最終的には見送ったとのこと。当時は既に是移籍していなかったことから、その辺の事情はよく分からない。

SMEは2000年1月にソニーの完全子会社に

音楽CD開発当時、音楽をデジタル化して取り出すことは予想できなかった。しかし、だからと言って音楽CDをCCCDとして発売することが許される訳ではない。レッドブックに則っていないのでさすがに『Compact disc』との表示はしていないが、レーベルゲートCDやセキュアCDなどの商品名であたかも音楽CDに順ずるかのような表示を行っていた。別仕様でありながら、メーカーの都合で実質的にレッドブックの内容を改変したことになる。なんだか昨年の安保法案の解釈改憲問題を髣髴させるが・・・・というよりも、だからCCCD問題を記事にする気になったのだが・・・・ともあれ、レッドブックを策定したのはソニーとフィリップスだが、そのソニーが率先してレッドブック違反を行うのは許されるべきではない。SMEは1991年11月に上場企業となったが、2000年1月に上場を廃止してソニーの完全子会社となっている。

コンテンツホルダーとディストリビューター

エイベックスやSMEは現在、AWAやLINE MUSICなどの聴き放題サービスに積極的に係っている。その2社は揃ってCCCD導入に積極的だったのだが、自分のCDから派生する売上をなんとしても自分のところに取り込むという考え方なのだろう。しかし、ダウンロードにしろ聴き放題サービスにしろ、コンテンツホルダーとディストリビューターの立場は常に利害が一致するとは限らない。コンテンツホルダーがディストリビューターを兼ねた場合、基本的にはコンテンツホルダーの利害を優先することになる。その時、配信事業はビジネスとして成功することはおぼつかないだろう。国産のサービスで成功したのは、ガラケー時代の着うたサービスであった。しかし、この場合のディストリビューターはキャリアであり、レコチョクはコンテンツホルダーを取りまとめたにすぎない。つまり、日本においても、コンテンツホルダーがディストリビューターとなったサービスで成功した例は一つも無いと言うことができる。

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