3,000万人の有料会員でSpotifyの赤字体質は?

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Spotifyの有料会員数が3,000万人となったらしい。Spotifyから公式に発表があったわけではないが、CEOのDaniel Ek氏が3月21日にTwitterでつぶやいた。下記の記事を書いた私の予測が完全に外れたわけだが、事実だとすると失ったAppleユーザー以上の会員を増やしたことになる。しかし、有料会員が3,000万人となったことでSpotifyの赤字体質は改善されたのだろうか・・・・12月がSpotifyの決算月だが、その内容については何の発表も行われていない。

Spotifyの有料会員数は2,000万割れが確実?
AppleがApple Music開始を発表した1日後の6月10日(米国時間)、Spotifyは有料会員数が2,000万人、アクティブユーザ...
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フリーミアムモデルのSpotifyは生き残ることができるのか?

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有料会員が3,000万人でも莫大な資金不足

Fobes Japanは3月27日、『赤字続くストリーミング業界 Spotifyは年間2億ドルの損失』という記事を公開しているが、ここで出てきた数字は2014年のものである。Spotifyの2014年の売上は13億ドル(約450億円)であったが、2億ドル(約223億円)近い損失を計上していた。Spotifyは2015年6月に有料会員数が2,000万人を突破したことを発表しているが、同じ頃にゴールドマン・サックスから5億ドルの資金を調達している。つまり、2015年も赤字となることを見越していたことを示しており、有料会員2,000万人でも赤字体質は改善されないとSpotifyは予測していたことになる。また、3月29日(米国時間)にはWall Street Journalが新たに10億ドル(約1,120億円)を借り入れたことを伝えており、有料会員が3,000万人になってもSpotifyの資金は大きく不足していることが明らかとなった。

融資する側に有利な借金に賭けるSpotify

10億ドルの調達先は、UBER(ウーバー)やAirbnb(エアビーアンドビー)を支援するTPGと、SpaceX等を支援するDragoneer。UBERはスマホを使った配車サービスであり、Airbnbは一般の人の部屋に宿泊することを斡旋するサービスである。また、SpaceXは、宇宙開発事業を行っている米国の企業である。Spotifyのこれまでの資金調達は、ゴールドマン・サックスやAccel Partners、KPCB、Founders Fund、Northzone、コカ・コーラなどの企業や個人の投資家からの出資であった。また、またユニバーサルミュージックやソニーミュージック、ワーナーミュージックの3大メジャーレーベルもSpotifyの株式を所有している。しかし、今回は転換社債の発行であり、デッド・ファイナンスと呼ばれる負債に計上される借入金である。出資に対しては利子の支払などは発生しないが、今回は年利5%が発生する。また、半年毎に1%が上乗せされることから、IPOが遅れれば遅れるほど負担が増加することになる。1年以内にIPOした場合でもSpotify株を20%のディスカウント価格で渡さねばならず、Spotifyにとっては大きな賭けとなる。

今回の資金調達は一時しのぎでしかない?

しかし、Spotifyは今回確保した10億ドルをなんに使うつもりなのだろう。有料会員を3,000万人にしたことで赤字体質を解消したのであれば良いが、それなら不利な条件で10億ドルもかき集める必要はない。新たな買収やグローバル展開の加速等が予想されているが、基本的には従来の戦略を踏襲したものでしかない。Spotifyはフリーミアムモデルの代表選手だが、同様のEvernoteやDropboxの経営も順調ではない言われている。音楽の場合は無料の再生にも楽曲使用料が発生することから、他のフリーミアムモデル以上に黒字化は難しい。今回の資金調達で一息つくことになったSpotifyだが、苦難の道がこれからも続くことになるだろう。

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