ハイレゾとは「CD超」なのか、それとも「CD以上」なのか

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

先日の記事でDeezerというフランス発祥の配信サービスが米国に上陸し、CDクオリティのストリーミング配信を行うことをお知らせした。元記事には「High-Quality Streams」とあったが、Deezerは自社のBlogでは「High-Resolution Streaming」と表現している。気になったので調べてみると、米国ではCDクオリティの音質はハイレゾに含まれていた。米国の業界団体がこの6月にハイレゾを定義しており、「CD以上の音質で録音されたマスターから作成されたロスレスオーディオ」としている。

  • 高音質ストリーミング配信でAppleの先を行くDeezer

広告
広告336

米国ではCDクオリティの音質であってもハイレゾとなる

hi-res-sony

Hi-Res(Sony)

日本ではハイレゾの範囲に差がある2種類の定義

ハイレゾの定義は、日本ではJEITAとオーディオ協会の2種類がある。JEITAとは電子情報技術産業協会というIT関連の企業の業界団体であり、オーディオ協会はオーディオ及びビジュアル関連企業の業界団体である。JEITAは今年の3月に発表し、日本オーディオ協会は6月に発表した。JEITAはハイレゾを「CDクオリティを超えるもの」としており、オーディオ協会は具体的に「96kHz/24bit以上」とハードルを少し上げている。尚、CDクオリティは、具体的に「サンプリング周波数/量子化ビット数」で示すと「44.1kHz/16bit」となる。JEITAの定義の場合、サンプリング周波数と量子化ビット数のどちらかがCDクオリティ以上であればハイレゾとなる。両者の違いを具体的なメディアで示すと、一頃Sonyが力を入れていたDAT(ダット)が挙げられるだろう。DATの標準(SP)モードは「48kHz/16bit」であることから、JEITAではハイレゾとなるがオーディオ協会の定義ではハイレゾではなくなる。

ハイレゾの現実を反映している米国の定義

米国のハイレゾの定義は、「CD以上の音質で録音されたマスターから作成されたロスレスオーディオ」となっている。これはハイレゾの実態を良くわきまえている定義といえる。新たにレコーディングするものはハイレゾで録音できるが、過去にレコーディングされたものは残されたマスターからハイレゾ音を取り出すしかない。従って、米国の定義の中には「マスターから作成された」という表現が入っており、マスターの種類を以下のように4つ指定している。

  • MQ-P
48kHz/20bit以上のPCMマスターをソースとするもの
  • MQ-A
アナログマスターをソースとするもの
  • MQ-C
CDマスター(44.1kHz/16bit)をソースとするもの
  • MQ-D
DSD/DSFマスターをソースとするもの

メジャーも参加して策定された米国のハイレゾ定義

米国のハイレゾの定義は、米国家電協会(CEA)やデジタル・エンターテイメント・グループ(DEG)などのハードの業界団体が中心になって策定された。日本で言えばJEITAやオーディオ協会が合同で決めたことになり、ハイレゾの範囲食い違いは出てこない。また、ハイレゾ化する際のソースに着目したのは、策定メンバーの中にRecording Academyやメジャーレーベルも入っていたからに他ならない。アナログレコードやCDで発売された楽曲は、基本的にはプレスするために作られたマスターしか残っていない。しかもアナログレコードはほとんどがCD化されており、マスターはCDクオリティのものしか残っていないのが現状である。JEITAやオーディオ協会もその辺のことは分かっていたハズだが、どうして自分の首を自分で絞めるようなことをしたのだろうか。音楽は聴くためにあるのであり、聴きたい曲がないのにハイレゾ用のハードをそろえる訳がない。

音楽配信の世界ではCDクオリティは間違いなくハイレゾ

ともあれ、米国ではCDマスターをソースとした音源もハイレゾとして認定された。「CD以上の音質」のロスレスオーディオということは、「CD:44.1kHz/16bit」をロスレスファイル化したものもハイレゾということになる。米国でスタートしたDEEZER ELITEで配信される音楽のビットレートは、1411kbpsであるとDeezerが発表している。CDのビットレートは1411kbpsであり、彼らが「High-Resolution Streaming」と表現しているのは誤りではなかった。Deezerの配信サービスのビットレートは320kbpsであり、1411kbpsはその4.4倍である。一般にハイレゾは「CDの3~8倍の情報量」と表現されていることから、「これまでの配信の4.4倍の情報量」は配信の世界では十分にハイレゾであることは間違いない。

広告
広告336
広告336

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする