クリプトンのHQMクラウドはストリーミングではなかった

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今年の7月、ハイレゾ配信のクリプトンがHQMクラウドというサービスを始めたのだが、”クラウド”と銘打っていることからてっきりストリーミング配信だと思っていたが違っていた。購入した楽曲をクリプトンのサーバーに保管し、購入者は何時でも何度でもダウンロードすることができるというサービスであった。保存容量が限られるiPhoneやiPadなどのiOS向けのサービスであり、iOS機器と高性能ヘッドフォンを組み合わせて聴くことを想定したサービス。従って、フォーマットは、ALAC(Apple Lossless Audio Codec)の48kHz/24bitまたは44.1kHz/24bitとなる。

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Appleの狙いはBeartsのストリーミング技術

hqm-store-cloud-player

HQM Store Cloud Player

内蔵DACを回避すれば本格的なハイレゾも利用可能

クリプトンのHQM Storeでダウンロードできるハイレゾ音源は、通常は192kHz/24bitや96kHz/24bitのフォーマットが使われている。それを48kHz/24bitや44.1kHz/24bitとしたのは、それがiOS機器内に用意されているDAC(Digital to Audio Converter)の上限値であることによる。DACとは英文にあるとおり、デジタルをオーディオに変換する機能であり、iOS機器のイヤホンジャックから聴く場合に通過する回路である。iOS機器のLightning端子からは内蔵のDACを回避することができ、元のハイレゾ音源をそのまま取り出すことができる。従って、別途高機能なDACを用意することで、192kHz/24bitや96kHz/24bitなどのハイレゾ音源もiOS機器で利用することは可能である。

1時間の48kHz/24bitの音楽で約1GB

48kHz/24bitのフォーマットのビットレートは、2304kbpsである。ビットレート(bit rate)とは単位時間当たりのデータ量を表す用語であり、単位としてはbps(bit per second)を使用する。

  • 48kHz×24bit×2channel=2304kbps

1時間の音楽の容量は、以下のように計算される。

  • 2304kbps×60s×60/8bit=1,036,800kB=約1GB

48kHz/24bitの1時間の楽曲で約1時間とすると、16GBのiPhoneやiPadに保存したままだと直ぐに満タンになってしまう。従って、聴く時だけダウンロードし、聴き終わったら消して別の曲をダウンロードするという使い方ができるのがHQMクラウドの最大の利点である。

Appleはストリーミングの技術に自信が無い?

HQMクラウドは、iTunes in the Cloudのハイレゾ版である。iTunes Storeで購入した楽曲はiCloudに保存され、iOS機器やMac、パソコンで共有することができる。Appleはこの仕組みをiTunes in the Cloudと名付けているが、HQLクラウドはそれを参考にしたのは間違いない。また、Appleはストリーミングは用意しておらず、iOS機器にダウンロードして聴く方式を採用している。ここまで書いて一つ思い出した。Amazonが同様のサービスでAmazon Cloud Playerというのを提供しているが、こちらはクラウドに保存した楽曲をストリーミングで聴く方式である。何故Appleはダウンロード方式のみを提供してストリーミング方式を採用しないのだろうか。どうもAppleはストリーミングの技術に自信がないようである。Appleは2013年6月から米国でiTunes Radioというストリーミングの音楽放送を行っているが、そこで使用されているビットレートは公表していない。

目指すのはBeart MusicのiTunesへの統合?

Appleはこの8月にBeats社の買収が完了したとされているが、Beatsはヘッドホンを中心とするオーディオのBearts Electoronicsとストリーミング配信サービスを提供しているBeats Musicという2つの会社から成っている。大方の見方はAppleの狙いはサービスとしてのBearts Musicだとしているが、Beart Musicは2014年1月にスタートしたばかりであり、会員数も現時点で25万人程度とされている。サービス自体にそれほどの価値がるとは思われず、仮にBearts Musicに魅力を感じたとするとストリーミングに関する技術力かもしれない。9月に米国でAppleがBearts Musicを閉鎖するとの噂が流れたが、それに対する問い合わせに対してAppleは『「Beats Music」のサービスを終了しませんが、時間をかけて内容を修正するかもしれないし、「Beats Music」というブランド名を変更するかもしれない』と回答したとのこと。この回答から想像できることは、Bearts MusicのiTunesへの統合・・・という姿が浮かび上がってくる。

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