ハイレゾで音楽を持ち出すウォークマンAシリーズ

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ソニーは、ハイレゾ再生に対応したウォークマン3機種をAシリーズとして11月8日に発売する。昨年12月に発売されたNW-ZX1は価格がウォークマンとしては破格の74,800円であったが、発売直後から品切れになるほどの人気を呼んだ。今回発売されるAシリーズは、64GBのNW-A17が35,000円前後、32GBのNW-A16が25,000円前後と価格を抑えており、ハイレゾ音楽を一気に普及させようという意気込みを価格に反映させている。

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マスターテープが残っていないCDのハイレゾ化が問題

a-series

Sony Walkman A Series

パナソニックは高額なピュアオーディオで勝負

ソニーがハイレゾ対応ウォークマンのAシリーズ発売を発表した直後、パナソニックが復活させたTechnicsブランドの報道関係者向けイベントを開催した。ここで発表したTechnicsの新製品は、一式そろえると500万円を超すR1シリーズと一式50万円超となるC700シリーズ。ソニーは価格を抑えることで若いデジタル音楽ファンを取り込もうとしているが、パナソニックはその逆で高額所得者向けのピュアオーディの世界でビジネスを行おうとしている。オーディオ業界はパイオニアの事実上の撤退が明らかとなり、かつてのオーディオ御三家に数えられた山水電気は破産に追い込まれてしまった。われわれの年代(団塊の世代)が会社を退職するとかつてのオーディオブームが再来する・・・・といわれて久しいが、どうもその波は来なかったようである。そのような中、パナソニックがピュアオーディオに本格的に乗り出してきたのは、勝算があってのことなのだろうか。

ハイレゾ音楽配信が拡充してきた

一方のソニーの方だが、ウォークマンをハイレゾ対応とし、しかもその価格を手ごろなところに押さえるという戦略は、かなり的を得ていると思われる。ピュアオーディオの世界ではTechnicsとは比較にならない老舗ブランドがまだ生き残っており、デジタル音楽の分野では絶大な支持を得ているLINNというブランドも健在である。一方、従来の圧縮音源では満足できないデジタル音楽の愛好者は確実に増加しており、そこを突破口にすれば若者のオーディオ離れは改善される可能性を秘めている。2005年からハイレゾ音源の配信を行っているe-onkyo musicに加えてmoraやHD-Music.が参入してきており、ハイレゾ音源が格段に充実しつつある。

CDのマスターはCDクオリティ

がしかし、ここで大きな壁にぶち当たることになる。ウォークマンユーザーにハイレゾ音楽を楽しんでもらおうというのは良いが、彼らが求めているハイレゾ音源をどうやって用意するのか・・・・という問題である。これから録音する場合は良いが、既にCDで発売されているアルバムなどの場合、CDからハイレゾ音源を取り出すことはニセレゾと呼ばれる行為となる。ハイレゾとはそもそも「CDクオリティを超える音質」と定義されており、CDと同等のものはハイレゾには入らない。44.1kHz/16bitのサンプリングレートを単純にアップサンプリングするのは、文字通りのニセレゾとなる。CDとして製品化されたもののマスターは、録音時にCD以上のクオリティで録音されたものでもマスターにした時点でCDクオリティに落としてしまう。マスターテープが残っている場合はそこからハイレゾ音源を取り出すことは可能だが、マスターテープが残っていないものがほとんど・・・という話もある。

アナログから取り出すハイレゾ音源

思えば皮肉な話である。なぜなら、CDをフィリップスと共に開発し、普及させてきたのはソニーであった。CDが普及したことにより、ほとんどのマスターはCDクオリティに落とされてしまったとされている。その原因を作ったのはソニーであり、そのソニーがハイレゾ音源としてCDになる前の音源・・・その多くがアナログ音源に戻ることをやむなくしつつあるのだ。その場合、ソニーは「CDはアナログレコードよりも音が良い」・・・と言ってきたにもかかわらず、CDクオリティを超えたハイレゾ音源をアナログ音源からとりだすというのは滑稽とも言える話である。実際、アナログマスターテープが残っていない場合、アナログレコードからハイレゾ音源を取り出すこともあり得るかもしれない。

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