CDリッピングを有料化したAppleのiTunes Match

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5月2日に日本でもサービスが開始されたiTunes Matchが、ネット上で大きな話題になっている。iTunes Storeで購入した楽曲をiCloudに預かるiTunes in  the Cloudというサービスがあるが、こちらは2012年2月に日本でも提供が開始されている。iTunes Matchは、自分のライブラリーの中でiTunes Storeで購入していない楽曲についてiCloudに預かるもの。その楽曲が違法ダウンロードで手に入れたものであってもiTunes Store品質のものに取り替えてくれるという、実に話題性にとんだサービスとなっている。

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ミュージックロンダリングとリッピングの有料化

steve-jobs

iTunes MatchをプレゼンするSteve Jobs

違法DL楽曲から収入を得られるレーベル

違法ダウンロードで手に入れたが楽曲の場合、iTunes Matchによって云わばメーカーの純正品に取り替えてもらうことになる。このことは一見するとレーベルにとってデメリットと捕らえがちだが、実際には違法ダウンロードの段階で得られなかった使用料を後から徴収するというメリットになっている。iTunes Matchの年間使用料は3、980円であることから、レーベルにとっては満足できる金額ではなかったかもしれない。しかし、iTunes Matchというサービスが始まらなかったら一銭にもならなかったことを考えると、レーベルはAppleに感謝すべきと言えるだろう。

iTunes Store品質への楽曲更新

一方、違法ダウンロードで楽曲を手に入れたユーザーの場合、iTunes Matchによって自動的にiTunes Store品質の楽曲に更新されることになる。マネーロンダリングならぬミュージックロンダリングしてくれるサービスであり、低品質な楽曲の場合は品質の向上までも果たしてくれる実に気前の良いサービスとなっている。iTunes Storeの価格は1曲150円/200円/250円であることから、年間16曲~27曲ダウンロードする金額でこれらのサービスが受けられる。違法ダウンロードで楽曲を手に入れたユーザーの場合も、Appleに感謝・・・・そしてAppleに許諾を与えたレーベルにも・・・すべきと言えるだろう。

購入・レンタルしたCDからのリッピング

米国の場合、ユーザーのライブラリーの中には違法ダウンロードによって得たものがかなりの数を占めていたと考えられる。しかし、日本の場合は違法ダウンロードよりも自分の、もしくはCDレンタルで借りたCDからリッピングしたものが多数を占めているのではなかろうか。とすると、iTunes Matchを利用することは、結果的にリッピングの料金をレーベルに後払いしていることになる。自分で買ったCDは購入時に代金を支払っており、レンタルしたCDはレンタル料を支払っている。それらのCDからリッピングすることは、私的利用の範疇であれば違法ではない。つまり、合法的にリッピングしたにもかかわらず、iTunes Matchを利用することでリッピング代を後払いすることになるのだ。

 Appleはサービス開始を優先させた

このように考えると、年額3,780円のiTunes Match利用料は高すぎるように思えてくる。この金額はAppleと日本のレーベルとの交渉で決まったものだが、レーベル側の意向が強く反映していると予想される。米国では24.99ドルであり、日本はその約1.5倍となっている。また、iTunes Matchのサービスは2012年末に一旦スタートしかかっていたが、実際のスタートはそれより1年半遅れている。2012年のレーベルとの価格交渉決裂が、その原因であることは明らかである。いずれにせよ、日本のiTunes Matchのサービスは、サービス開始を優先させてレーベルの意向を受け入れたAppleの姿勢がその背景にあることは間違いない。

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