ハイレゾ対応ウォークマンNW-ZX1が売れている

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ハイレゾ音源に対応したSonyのウォークマンNW-ZX1が売れているらしい。ソニーストアで見ると、現在は品切れ注で配送は3月中旬以降のとなっている。SonyはAppleのiPodへの対抗策として、以前から高音質を売り物にしてきた。NW-ZX1の価格は74,800円となっており、高音質化路線を更に一歩進めた製品となっている。

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ピュアオーディオ復活に賭けるSony

nw-zx1

Walkaman NW-ZX1

NW-ZX1一式で10万円

NW-ZX1にはヘッドフォンは付属していない。別途購入する必要があり、ソニーストアでは5種類ほど推奨する製品挙げている。ヘッドフォンタイプでは18,800円から26,800円、インナーイヤータイプだと36,800円もする。つまり、NW-ZX1を普通に使うためには10万円前後の出費が必要となる。価格.comのレビューで「持ち歩くピュアオーディオ」と表現した人がいたが、正にピュアオーディオの世界である。ピュアオーディオの世界で言えば、NW-ZX1は数十万円もするCDプレイヤーに相当するだろう。携帯デジタルプレーヤーは回転機構を持つCDプレーヤーと異なり、フラッシュメモリーとLSIで作られている。正に持運べる大きさにすることが可能なのである。

音楽配信ではSonyがAppleに先行

AppleはiPodでデジタル音楽の新しい楽しみ方を生み出したが、その役割は本来はSonyが果たすべきであった。日本の場合、Sonyは1999年末にネットワークウォークマンNW-MS7の発売と音楽配信サービスbitmusicを開始している。Appleの音楽配信サービスiTunes Music Store(米国)の開始は2003年であり、ワールドワイドで見るとSonyはAppleより3年先行していたことになる。しかし、bitmusicとウォークマンは新しいライフスタイルを実現することはできず、日本においても主流の音楽配信は「着うたフル」にその座を奪われることになってしまった。・・・・そのあたりの詳しいことは、このサイトのメインテーマでである「日本の音楽配信」と「米国の音楽配信」を読んで頂きたく・・・・・

一時はAppleのSonyの2強体制が続く

AppleのiPodの発売は2001年11月だが、米国のiTunes Music Store(現在はiTunes Store=iTS)の開始は2003年4月であった。また、日本版iTSのスタートは、2005年8月のことである。2005年はメモリー型の携帯デジタルプレーヤーが各社から発売されたこともあり、携帯デジタルプレーヤーの市場規模が大きく伸びた年であった。しかし、同時にフラッシュメモリーの容量拡大と価格低下が進行したことから、その後の3年間は撤退企業が続出することとなった。その間、市場はAppleとSonyの2強体制となり、2社で市場の9割以上を占める状態が続いた。

iPodの市場縮小・・・・Sonyがトップに

Sonyはウォークマンの高音質化に一貫して取り組んできたことから、2011年以降はシェアトップの座をAppleから奪い取ったとされている。この間、iPodはワールドワイドでの売上台数を大きく低下させている。年間の販売台数は2008年の5,540万台をピークに下がる続けており、昨年は1,970万台にまで下がってしまった。AppleのCEOであるTim Cook氏は、「iPodのビジネスに終わりが近づいていることは、わが社の社員なら全員が知っていると思う」と述べたとされている。これらを含めて一部のSonyファンはAppleに勝ったと喜んでいるようだが、そもそもAppleとSonyは同じ土俵で戦ってきたのではない。iPodとウォークマンの台数だけで勝負が決まるわけではない。

AppleとSonyの根本的な違い

Appleは新しいデジタルライフを提案する製品としてiPodを世に送り出した。一方のSonyは、携帯デジタルプレーヤーのウォークマンを売ってきたにすぎない。従って、Appleは新たなデジタルライフを提案する製品としてiPhoneやiPadを提案してきた。しかし、Sonyはウォークマンを高品質化する一方、それとは別の次元でスマートフォンやタブレット端末の発売でAppleを追いかけているに過ぎない。Appleが明らかなコンセプトを持っているのに対し、SonyはAppleが出してきた製品ごとに対抗しているに過ぎない。その具体的な例として挙げられるのは、スマートフォンとタブレット端末を開発・発売したのがそれぞれ別の部門であったことだ。

当初はそれぞれ別の部門が担当

Sonyのスマートフォンは、2008年10月にXperiaというブランドでスマートフォンに進出した。開発・発売したのは、当時はSonyとEricsonの合弁会社であったSony Ericsonであった。また、2011年9月に発売されたSonyのタブレット端末は、Sonyのパソコン部門が開発・発売したものである。AppleのiPhoneにはスマートフォンの部隊が対抗し、タブレット端末にはパソコンの部隊が対抗するという図式である。但し、Sony Ericsonの合弁は解消し、現在はSonyの100%出資の子会社ソニーモバイルコミュニケーションズ(SMC)となっている。また、2代目のタブレット端末は、XperiaブランドでSMCの開発・発売に変更されている。

ピュアオーディオ復活の夢?

AppleではなくiPodに対抗してきたウォークマンの進む道は、ハイレゾ対応しかなかったのは当然の帰結といえるだろう。但し、これまでも携帯デジタルプレーヤーの分野で高音質に特化することで生き延びてきたメーカーが存在したが、ニッチな市場のまま推移してきたのも事実である。NW-ZX1が発売直後から品切れを起こして今日まで続いていることは、どうしても話題づくりで意図的に行われているという疑念が私の頭にまとわり付いている。オーディオ業界がピュアオーディオ復活にかける期待は大きいものがあり、それが過剰な期待を生んでいるのでなければ良いのだが・・・・・・成り行きを注目していきたい。

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