AmazonのCloud Playerサービスの変遷

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Amazonは、昨年の11月15日から日本でAmazon Cloud Playerのサービスを提供している。また、同日からAmazon Cloud Driveの提供も開始しており、そのことを「日本仕様のCloud Player開始」として記事にした。しかし、Cloud PlayerとCloud Driveは米国でも別個のサービスとなっており、その部分を含めてAmazonのクラウドサービスの特徴をAppleのクラウドサービスと対比して分析してみた。

日本仕様のCloud Player開始

Cloud Player

Cloud Player アプリ

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Appleより先に始めて後からAppleに合わせたAmazon

当初はCloud DriveとCloud Playerは一体となったサービス

Amazonが米国で2011年3月に提供開始したCloud Driveは、無料で5GBの容量が利用できるクラウドストレージサービスである。但し、普通のクラウドストレージサービスと異なり、音楽に特化した音楽ロッカーサービスであった。ユーザーは手持ちの楽曲データをCloud Driveにアップロードすると、その曲をパソコンやスマートフォンなどのクラウド端末でストリーミング再生出来るほか、ダウンロードして聴くことができる。それをクラウド端末で行うためのアプリがCloud Playerであった。つまり、Cloud DriveはCloud Playerと一体となって提供されたのであった。

AppleがiTunes in the CloudとiTunes Matchを発表

Appleは2011年6月、同年秋からiCloudというクラウドストレージサービスと、iCloud上でiTunes Storeからダウンロードした楽曲をSync(同期)するiTunes in the Cloudというサービスを提供することを発表した。iTunes in the CloudはAmazon Cloud Playerと同じようなサービスであり、AppleはAmazonが一体となって提供しているサービスを二つに分離して提供することを明らかにした。iTunes in the CloudはiTunes Storeから購入した楽曲が対象となるが、それ以外の楽曲をiCloud上に保存するiTunes Matchというサービスも同時に発表した。

iTunes in the Cloud:AppleがiTunes Storeで販売した楽曲をアップロード

前述の通り、AmazonはCloud DriveとCloud Playerを当初は一体のものとして提供していた。しかし、ここでは便宜上、Cloud DriveとCloud Playerを分けて記述する。

AmazonのCloud PlayerとAppleのiTunes in the Cloudの違いは、Cloud Playerがクラウド端末へのダウンロードと同時にストリーミングにも対応しているところにある。iTunes in the Cloudは、ダウンローにしか対応していない。しかし、それよりもっと重要な違いは、AppleのiTunes in the Cloudの場合は、楽曲データのアップロードはAppleが行っているところにある。実際はユーザー領域に楽曲データを保存するわけではなく、iTunes Storeにある楽曲へのリンクを張るだけであが、その行為の主体がユーザーではなくAppleであることが重要な要素である。但し、アップロードするのはiTunes Storeでユーザーが購入した楽曲に限られ、それ以外の曲をアップロードするサービスはiTunes in the Cloudとは別にiTues Matchとして提供される。

ユーザーが自分でアップロードしたから問題とされなかった

Appleが楽曲のアップロードを自動で行うのに対し、AmazonのCloud Playerではユーザー自らが実際にデータをアップロードする必要があった。この場合、アップロードにかなりの時間を要することになる。従って、誰もがAmazonもApple同様の方法を採用すれば良いのに・・・と思うところである。しかし、ここでネックとなるのがAmazon MP3でダウンロードした以外の楽曲の扱いである。AmazonのCloud Playerの場合、ユーザー自身が所有する楽曲をユーザー自身がアップロードしていることから、権利者の複製権や公衆送信権に抵触しないとされているが、アップロードを事業者が行う場合、それは権利の侵害行為とみなされるのが世界的な考え方となっている。従って、AmazonはApple同様の方法が採りたくても出来なかったのであった。

Amazon MP3ダウンロード以外の楽曲はScan and Matchへ

Amazonは2012年7月31日(米国時間)、Cloud PlayerにScan and Match機能を追加した。Scan and Match機能はユーザーのパソコン内の楽曲データをスキャンし、Amazon MP3で販売している楽曲とマッチした場合、その楽曲がCloud Playerに保管され(た形となり)、ストリーミングで何時でも聴くことができるというサービスである。マッチしなかった楽曲の場合は、250曲までならばユーザーが手動でアップロードすることができる。年額24.99ドルのPremium会員になると、最大25万曲をアップロードできる。Appleの同様のサービスであるiTunes Mattchは同じ24.99ドルだが、マッチしない楽曲(iTunes Storeにない曲)のアップロードはAmazonの10分の1の25,000曲に限られる。

iTunes MatchとScan and Matchのサービスインは?

Amazonは日本進出の前にクラウドサービスを整理し、Cloud DriveとCloud Player、Scan and Matchに分けて日本の権利者と協議に臨んだことになる。しかし、Scan and Matchについては早期の妥結に至らないと判断し、Cloud DriveとCloud Playerを先行させてサービスインさせたものである。Appleは日本においてiTunes Matchのサービスが始まるかのような動きを見せて権利者側の妥協を促したが、年内のサービスインには至らなかった。日本の音楽配信は着うた・着うたフルの売上げが急速に減少していることから、権利者側もiTunes MatchやScan and Matchからの売上げが欲しいことは明らかであるが、双方の主張する金額の差がかなり大きいのであろう。早期の打開は望めないような空気が流れている。

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