スマホ向け配信への取組~KDDI編

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日本では2010年以降、フィーチャーフォンが雪崩を打ってスマートフォンに移行している。この動きをまともに受けて急激に売上げを落としているのは、フィーチャーフォン向けの音楽配信である。かつては着うたとか着うたフルといった携帯電話向けの音楽配信は、国内の音楽配信の9割程度を占めており、AppleのiTunes Storeなどのパソコン向け音楽配信を大きく凌駕していた。

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着うたでのKDDI独走態勢

KDDIは、着うた・着うたフルのビジネスをキャリアの先頭に立ってリードしてきた。着うたのスタートは2002年12月、着うたフルのスタートは2年後の2004年11月、いずれもキャリアの中で開始したのは最も早かった。日本でのMNP(Mobile Number Portability)のサービスは2006年10月24日にスタートしたが、着うたフルで絶頂期であったKDDIが転入超過を続けることとなった。ソフトバンク(当時はボーダフォン)も2005年8月に着うたフルに参入していたが、回線速度の関係でダウンロードに時間を要するサービスであった。同じ問題を抱えていたNTTドコモは、着うたフルへの参入をFOMAハイスピードの開始に合わせて2006年6月まで見送っていた。着うたにおいては、当時はKDDIが独走態勢を取れる状況となっていた。

iPhoneの登場とAndroid搭載スマートフォン

AppleのiPhoneが日本に投入されたのは、iPhoneが3Gに対応した2008年6月であった。iPhoneはそれまでのスマートフォンとは異なり、ディスプレイの表面を指先でマルチタッチすることで操作する方式を採用していた。このマルチタッチが可能なスマートフォンはその時点ではどこも出すことが出来ず、マルチタッチに対応したスマートフォンが発売されたのは2010年になってからであった。スマートフォンにおけるAppleの独走状態が続くこととなった。また、大きな液晶画面をマルチタッチによって操作することを除き、スマートフォンは日本の普通の携帯電話と同じような機能であることから、スマートフォンへのニーズが欧米ほど高くはなかった。しかし、2010年にSony Ericssonが投入したXperiaを皮切りに、日本でもスマートフォンのヒット商品が登場する状況を迎えつつあった。XperiaなどのiPhone対抗製品は、Googleが主導するスマートフォン用のOSであるAndroidを搭載していた。

キャリアは水道事業で言うところの土管屋となる

AppleはiPhoneによって新しいビジネスモデルを採用しており、それはAndroid陣営も引き継ぐスマートフォンビジネスの標準となった。このモデルの登場は欧米では特に問題とならなかったが、日本ではキャリアと端末メーカーの立場を一転させる大きな転換点となった。日本ではコンテンツ配信のプラットフォームをキャリアが用意しており、それをプロバイダーに提供することでキャリアは(課金)手数料を手にするビジネスを展開していた。しかし、AppleはiTunes StoreやApp Storeを自ら展開しており、キャリアが入り込む余地を残していない。キャリアは通話やコンテンツの通り道となる管、水道事業で言えば土管を提供しているだけの業者となってしまったのである。

KDDIとSonyの利害が一致

KDDIは2010年11月、Android搭載スマートフォン向けのダウンロード音楽配信サービスLISMO for Androidをスタートさせた。このサービスでは対応端末向けにLISMO Playerを提供、配信サービス自体はレコチョクとレーベルゲートが4月からExperia向けに提供しているものを利用することになる。配信サービスは既に提供されているものを利用し、ブランドだけはKDDIの栄光のLISMOを使用している。レコチョクは着うた・着うたフル以来の盟友であり、レーベルゲートもau×Sony MUSIC PROJECTで提携を深めてきた相手方である。レーベルゲートはSMEの子会社であり、レコチョクにはSMEが他社と共同で設立したものである。Appleに対抗するSonyとKDDIの利害が大きく一致していることが、その背景にある。

ストリーミング配信もレコチョクと提携

KDDIは2012年6月、レコチョクと提携してLISMO unlimited powered by レコチョクの提供を開始した。これはストリーミング配信で聞き放題となるサービスであり、開始当初は月額1,480円で提供された。レコチョクがこの3月4日から同様のサービスであるレコチョクBestを月額980円でスタートさせることから、3月1に同じ料金に値下げしている。Sonyは別にMusic Unlimitedを世界展開しており、SMEの子会社であるレーベルゲートがサブスクリプション方式のストリーミング配信に乗り出す動きは見せていない。

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