iTunes Matchでミュージックロンダリング

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日本での開始が遅れているAppleのiTunes Matchだが、年間24.99ドルで自分のパソコン内にある音楽データを256kbpsのAACファイルにしてくれるサービスである。音楽データは音楽CDからリッピングしたものに止まらず、違法サービスからダウンロードしたものも含まれる。この場合、マネーロンダリングならぬミュージックロンダリングとなる。

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iTunes Matchを巡る日米比較

iTunes in the CloudはiTSからダウンロードされた曲

Appleは2011年10月12日(米国時間)、iCloudのサービス提供と同時に米国でiTunes in the Cloudのサービスの提供を開始した。iTunes in the Cloudは、文字通りCloudにiTunesの機能を持たせたものである。これまではiTSからダウンロードした楽曲の端末間の同期はパソコンが行っていたが、パソコン不要でCloudに接続するだけで楽曲が同期される。一方、iTunes Matchは iTunes in the Cloudの対象をiTSでの購入楽曲以外にも広げるものであり、ユーザーの持つ楽曲データをiTSの楽曲に置き換えることになる。その場合はユーザーが持っている楽曲とiTSで販売されている楽曲がMatchした時であり、Matchしない場合は一定の条件の下でユーザーの楽曲フォーマットを変換してアップロードすることになる。iTunes Matchのサービスは、米国で2011年11月14日にスタートした。国内ではiTunes in the Cloudこそ2012年2月22日に開始したが、iTunes Matchは未だ開始できないままとなっている。

iTunes in the Cloudは既に使用料が発生している

iTunes in the Cloudのサービスは無料で提供されるが、iTunes Matchは年間24.99ドルの有料サービスである。このことは、iTunes in the Cloudの場合は権利者への使用料が発生しておらず、iTunes Matchの場合は発生していることを意味する。iTunes in the Cloudは米国ではiCloudと同時にスタートしたが、iTunes Matchがそれよりも約1カ月遅れた。使用料の金額がiCloudスタートまでにはまとまらず、1カ月の遅れが生じてしまったものと思われる。iTunes in the CloudはiTSからダウンロードされた楽曲であることから、その時点で権利者に使用料が発生している。さすがに再度使用料を要求するのは権利者側も気が引けたらしく、iTnes in the Cloudのサービスインはもめなかったようである。この手のことには厳しい国内の権利者も予想より早い2012年の2月に許諾しており、iTSに於ける全曲DRMフリー化の開始と共に日本の音楽配信の転換点となる出来事であった。

年額24.99ドルでは1曲当たりの使用料は低い

一方のiTunes Matchであるが、国内では米国よりも1年以上遅い今になってもスタートしていない。昨年末にスタートするかのような動きが見られたが、実現には至らなかった。それだけ使用料の交渉が難航していることを予測させる。争点となっているのは、権利者側の複製権と送信可能化権の及ぶ範囲であるだろう。権利者側は出来るだけ広くしたい(使用料を高くしたい)のに対し、Appleはその逆を主張しているハズである。米国のiTunes Matchは年間24.99ドルであることから、その全額を権利者に使用料として払うにしても1曲当たりの金額はかなり低いものとなる。

米メジャーには通用した理屈が日本では通用しない

米国の場合、Matchした楽曲のほとんどが違法ダウンロードで得た楽曲と予想できる。とすると、iTunes Matchで使用料が発生した場合、権利者はこれまで得られなかった、同時にこれから先も得られなかったであろう楽曲から収入を得ることになる。Appleはメジャーに対してそのように説得したのは間違いなく、メジャーの理解が得られたものと思われる。日本でも動揺同様の主張を展開しているハズだが、米国とは大きく異なる議論となったと予想できる。国内の音楽配信は着うたフルなどの携帯電話向けが大半を占めており、パソコン向けにダウンロードされた楽曲は全体の1割程度でしかない。違法ダウンロードもそれなりにあったと思われるが、携帯電話で聞くというライフスタイルが定着していたことから、違法ダウンロードが占める割合は米国よりかなり低いことは間違いない。また、日本ではレンタルCDという存在があり、レンタルしたCDからリッピングした楽曲のシェアもかなり高いと思われる。つまり、米国のメジャーを納得させることが出来ても、日本の権利者に認めてもらうのにはかなりハードルが高いといわざるを得ない。日本ではマネーロンダリングならず、iTunes Matchのミュージックロンダリングという側面が大きなマイナス要素となっている。

iTunes Matchのサービスがようやく日本でも始まりました。新しい記事を書きましたので良かったら覗いてみてください。

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